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魔王  作者: 覧都
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第百七十一話 謎の男

「ライファ副隊長、街が見えてきました」


 緑の中に、黄色い高い壁に守られたバルビロ領の領都が見えてきました。

 バルビロ領の領都は王都からは歩兵の行軍でも二週間ほどで到着します。

 逆に言えば、ここが落ちれば王都が魔王軍の射程範囲に入ってしまう。

 何としても守らねばならない。


 魔王軍は、律儀に降伏勧告をし、攻める日まで指定してきました。いつも通りです。

 そして言葉通り侵攻して来るでしょう。

 私は領主バルビロ様からの援軍要請を受け、手勢五百人を連れて応援に来ました。


「ぎゃーーはっはっー!! 女聖騎士様のご到着だーー!!」


 領都の防壁のまわりには、先に援軍に来ている天帝の騎士団が野営している。

 王国騎士団が、玉砕したため新たに編成された騎士団は、天帝の騎士団と命名された。

 すでに王国は天帝の勇者が実権を握り、国王の姿を見ることも出来なくなった。

 すでに命を落としているのでは無いかと、ささやく者さえいる。


 私は、天帝の勇者ならやりかねないと思っている。

 ――天帝の勇者は王になるつもりなのでは無いか?

 と、さえ疑っている。

 それをしないのは、大聖女イルナ様の存在があるからでしょうか。

 イルナ様の庇護下にはモドス王子がおられます。

 これが天帝の勇者の抑止力になっているのでしょう。


 おかげでイルナ様は、いつも天帝の勇者に命を狙われる、危うい立場になっているのです。

 だから援軍にいる時も、私は心配で心が落ちつきません。


「ひひひー」

「ぐえーへへへへー」


 天帝の騎士団から、下品でいやらしい笑い声が聞こえて来ます。


「止まれーー!!」


「何でしょうか?」


「ふんっ、お前がその隊の責任者か?」


 天帝の騎士団の隊長が私の行く手をさえぎってきました。


「はい、聖騎士団第四隊副隊長のライファと申します。何のご用でしょうか?」


「ちっ、何のご用でしょうかと来たもんだ。いけ好かねえ女だぜ!」


 私達女聖騎士は、騎士団の中で最弱です。

 そのため、騎士団の中で馬鹿にされ続けています。

 こんな扱いには慣れています。


「も、申し訳ありません」


「反省しているのか?」


「はい」


「ふん、いいだろう。裸おどりで許してやる」


「ぎゃあーはっはっはー」


 部下の兵士達が馬鹿笑いをはじめました。

 くっ、なんで男達はこうなんでしょうか。

 好きでもない女の裸なんか見て楽しいのでしょうか?


「お、お許しください。私達は聖騎士です。純血を守らねばなりません」


「大丈夫だ。さわらねえ。見るだけだ」


「ぎゃあーははははははーーー」


 兵士達が大声で笑い出した。

 こいつらは、だめだ。

 天帝の勇者のように腐っている。

 王国騎士団も酷かったけど、ここまでじゃなかった。

 天帝の騎士団は、賊と何も変わらない。

 もはや天帝の賊と言っていい。


「ふふふ、断る!!」


「な、何だとー!! 女騎士ごときがーー!! 断った事を後悔させてやるー!!」


 隊長とまわりの兵士達が襲いかかろうとします。

 でも私の部下は怯んでいません。

 きっと、エマ姉にダンジョンで鍛えられたのでしょう、強くなっている様に感じます。

 今回の五百人はデイラ領に来ていなかった部下達です。

 ひょっとすると、聖騎士四番隊は知らないうちに最強になっているのかもしれません。


「まて、まて、まてーーっ!!!」


 街の門が開き、領兵の一団が出て来ました。

 そして、一人の精悍な顔つきの男が飛び出してきました。

 男らしい良い顔付きです。もてるのじゃ無いでしょうか?

 しかも、筋肉隆々でとても強そうです。

 その男が、手に太い棍を持ち私に向ってきます。


 ――えっ、私に!!


「うおおおおおおーーーー」


 男は、棍を振りかぶると渾身の力で私の頭に振り下ろします。

 見たことも無い男です。

 いったい何なんでしょうか?

最後までお読み頂きありがとうございます。


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