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魔王  作者: 覧都
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第百六十七話 怒り

「助けた方は、家へ移動しますね」


 フォリスさんは助けた女性を、ボロ船邸へ魔法で移動させた。


「街にはまだ、逃げ遅れて隠れている人が大勢いるみたいですね」


 僕は身を潜め恐怖に震える気配を感じていた。


「速く事態を収拾しないといけません」


 フォリスさんに焦りが見えます。


「まずは、領主を救出しましょう」


「そうですね」


 フォリスさんも賛成してくれた。

 僕達は領主邸へ向った。





 領主邸は五百人ほどの天帝の騎士により厳重に警戒されている。


「では、行きましょう」


「うふふ、はい!」


 フォリスさんは嬉しそうです。


「うぎゃああああーー!!」


 悲鳴が上がります。


「何をしている。ガキじゃねえか! とっとと、とりおさえろーー!!」


「うぎゃああああーーー」


 この騒ぎを聞いて、鉄格子の窓から様子を見ようとしている人がいます。

 海賊のような眼帯をした赤髪の人です。

 鉄格子の隙間に顔を押し込み必死でこっちを見ようとしています。


「なんなんだ、なんなんだ!! おまえたちわーー!!」


「うぐううううーーー」


 どうやら全員のアスラバキを終了したようです。

 領主邸からは低いうめき声だけになりました。


「あなたが領主様ですか」


「そうです。私が領主フランシスです」


「今、助けます」


 僕が言うと。


 ドカアーーン


 フォリスさんが壁を破壊しました。


「あなた達はどの様な方でしょうか」


 この領主は僕たちを子供だとわかっても、丁寧に対応してくれます。


「僕は魔王アスラです」


 あえて本当の事を言ってみました。


「なっ、……!?」


 驚いているようですが、ひざは折りません。


「ここは僕にとって、とても大切な思い出の場所です。汚す奴は許せません」


「……」


 領主は黙って僕を見つめます。


「今をもってこの地は魔王の支配地とします。あなたには魔王国ソロン領の領主になってもらいたいのですが、断る自由も与えます。どうされますか?」


「このまま、領地を奪われ王都に逃げ戻れば、むごい死が待っています」


 そう言うと領主はひざまずき、臣下の礼をとった。


「では、フランシス!! 領兵をまとめ領主邸を拠点とせよ!!」


「はっ!」


「天帝の騎士本隊は、ここを本拠地にしていないようですね」


「はい、バン商会を本陣にしているようです」


「そうですか」


「あの一番大きな建物がそうです」


「では、乗り込みましょう」





 バン商会の前には戦利品のつもりなのか、領民から略奪した物が大きな山になり二つほど積み上げられている。

 建物の中からは女の人の悲鳴や泣き声が聞こえる。


「ぎゃあああああーーーーー!!!!」


 天帝の騎士は、どいつもこいつも人相が悪い。

 騎士というより、盗賊のような人相です。

 おかげで手加減せずに済みそうです。

 攻撃開始の、のろし代わりに悲鳴を上げてもらいました。


 そして、さあ行きましょうと、合図のつもりでフォリスさんの顔を見ました。

 フォリスさんは僕の顔を見ると一瞬怯んだ。

 僕は、冷静なつもりでしたが、怒りが押さえ切れていなかったようです。

最後までお読み頂きありがとうございます。


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