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魔王  作者: 覧都
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第百六十四話 懐かしいあの街へ

「大魔王様、ご尊顔を……」


「皆さん、やめて下さい、僕と皆さんの仲ですよ。堅苦しいあいさつは抜きです!」


 入ってきたのは、エドさん、バンさん、チッカさんです。

 魔王国が誇る大商人です。

 三人がひざまずき、あいさつをしようとするのを途中で止めました。

 ファージさんは、席を空けて三人の後ろに座り直します。


「食料の調達、武器の調達、木材の調達も順調にいっています。ですが……」


 三人の疑問は、船を作る技術、そして操船の技術が足りないことを気にしているようです。


「船を作る技術は、大丈夫です。そして操船についても一つあてが有ります」


 船を作る技術は、ジュウベイさんのヤジ衆が、海の向こうのワギの国を、逃げ出した時に使った闘艦の作り方が、図面で残っているそうです。

 それを元に作る事にしました。ジュウベイさんは本当に頼りになります。

 そして、操船については、僕達とイルナのお爺さん、提督の力を借りたいと思います。

 まだ生きているのでしょうか?


「大魔王様、お呼びですか?」


 ふふふ、今度はルチョウさんが来てくれました。

 全員席を一個後ろにずれてくれました。

 ルチョウさんが僕の隣に座ります。


「はい。ルチョウさん、新たな大工事をお願いします」


「そ、それは……」


「はい、この魔王都から海までの幅の広い運河を作りたいのです」


「それはまた、大工事ですな」


「はい、場合によっては、僕の自宅の工事をしばらく休んでもらっても構いません」


「それには及びません、同時進行させます」


「うふふ、それは楽しみです」


「ひとまず、作った闘艦を浮かべられる様に工事を急いでください」


「お任せ下さい。大魔王様!!!」


 一際大きな声で返事をしてくれました。

 ドアの外にごそごそ人の気配がします。

 全員がこのやりとりを聞いているようです。

 面倒くさいので全員入って欲しいのですが、一人ずつがいいようです。


「わ、わしの番か?」


 そう言うと、金髪美女のコデルばあちゃんが入ってきた。

 全員が、席をずらした。


「いよいよ、エルフの国と国境が接しました」


「ふむ、友好関係を結びたいと言う事か」


「はい」


「わしはエルフじゃが、親戚も友達もエルフ国にはおらんぞ」


「ふふふ、それでも、ばあちゃんに頼みたいのです」


「わかった。やれるだけやってみよう」


 こうして、いつも戦争に参加しない人達が、次々入ってきて僕と直近で話す事を喜んでくれた。

 いつも皆で集まると後ろの方で、直接会話が出来なくなった人達が、嬉しそうにしてくれる。


 そして、いつもは僕の横にいるフォリスさんが最後に入ってきた。

 フォリスさんが僕の横を独占していると、その席に誰も座れないので、今日は皆の為開けてくれていたのだ。


「いよいよ、南部の小領地攻略ですか」


「はい、懐かしいソロンへ行きましょう」


 ソロンは、僕とフォリスさん、イルナが暮らした、あのオンボロ船の家が有る街です。

 この街へは、やはり誰にも邪魔されずフォリスさんと、ランロンの三人で行きたい。

 そう思っています。

最後までお読み頂きありがとうございます。


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