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魔王  作者: 覧都
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第百五十五話 七大将軍勢揃い

「うっ、うっううううう……」


 隊員達が狼狽しています。

 涙をうかべ泣きそうな隊員が大勢います。

 本当は一目散に逃げ出したいのでしょう。

 でも、それを首の皮一枚でこらえています。

 そうさせているのは、聖騎士団の隊員としての誇りでしょうか。


 ならば私が、勇気を出せるように声をかけなければなりません。


「うろたえるなー! 我らは大聖女イルナ様から選ばれた聖騎士だー!! 誇りを持ち戦い抜くぞー!!」


「…………」


 あー私程度の活では駄目だったのでしょうか。


「うおおおおーーー!!!」


 女ばかりの雄叫びですが、五百人もいると、まわりの建物の壁までビリビリ震えます。


「ふふふ、良い喚声ですね!」


 うわあ、調子に乗りました。

 雄叫びを聞きつけて目つきの悪い女武者が、金髪の超美形の男武者を引き連れてやってきました。

 金髪の男武者は三メートルを超えるような巨躯です。

 私では勝てるかどうかわかりません。


「くっ」


 私は、つい弱気の声が漏れてしまいました。

 剣をかまえ間合いに入れば斬りかかろうと身構えます。


「あなたがライファさんですか? 聞いていた通り明らかに他を圧倒する強さですね。こ、恐すぎます」


「……」


 そう言うと可愛い笑顔になりました。

 敵意を感じません。

 誰でしょうか?


「私は、リコ。こっちがロホウです。あなたにあいさつするように、アドちゃんに言われました」


「リコ様、ロホウ様、魔王様の七大魔将軍様ですか?」


「はい、助太刀に参りました。お見知りおきを! 後、ライファ様に様付けされては恐縮してしまいます。名前は呼び捨てにして下さいませ」


 そんなこと私の方こそ恐れ多くて出来ません。さんを付けましょう。

 にこりと笑うリコさんはとても美しい女性です。

 恐怖を感じて見た印象とは、恐ろしいものですね。

 この人が目つきの悪い悪女に見えてしまうなんて。


 隊員がこのやりとりを見て「ライファ隊長はすごい、魔王の七大将軍と知り合いなんて……」とザワザワしています。


「ライファ様ーー!!」


 うわあ、今度はドタドタと、オウブさんが走ってきます。


「あっ、オウブ大将軍」


 リコさんがオウブさんを見つけて声を出しました。


「す、すごすぎです。副隊長が今度はオウブ大将軍に様付けされています」


 隊員達が大きな声で驚いています。


「オウブーーずるいぞー、お前ばかり、ライファ様久しぶりです。チョカイです」


「お久しぶりです。お元気ですか」


「はーはっはっはっ、ライファ様にやられた古傷以外はピンピンしております」


「す、済みません……」


「がーーはっはっ!! 冗談ですわい!!」


 会話を聞いて隊員がまた驚いています。

 そして、隊員達は敵ではないとわかると、落ち着きを取り戻した。

 そして、関心がロホウ様に向けられている。

 女ばかりの聖騎士の目には、ロホウさんは眩しすぎます。

 隊員の目はロホウさんに釘付けになり「ほうっ」とため息がもれています。


「お前達、なにさぼっているニャ。アドばかり働かせるニャーー」


「かわいいいーーー!!!」


 隊員達から歓声があがった。


「ニャははははーー」


 アドちゃんが隊員達にもみくちゃにされました。


「お、お前達、やめなさい! アドちゃんは、魔王様の七大将軍の一人ですよ!!」


 私はあせって、隊員達を怒鳴りつけた。


「ライファ、気にするニャ」


 アドちゃんは何だか機嫌が良いみたいです。


「お久しぶりです。ライファ様」


 リョウメイさんとシジセイさんの声がそろった。


「ニャーーはははは、七大将軍が勢揃いニャー、ライファは人気者ニャー!! こんなことが出来るのは、魔王かライファだけニャー」


 アドちゃんが爆笑しています。

 隊員達は、すごく驚くと同時に、超美形大将軍、シジセイさんとロホウさんのどちらを見つめて良いのかキョロキョロしています。

 気が付くと、街に上がっていた火が消され、暴漢の声も消えていました。


 数日後、私は落ち着いたデイラの領都から、魔王の支配を良しとしない人達を護衛して隣のバルビロ領へ移動を始めました。

 前回のように国境まで、オウブさん率いる魔王軍も同行してくれました。

 魔王様のはからいには、感謝しかありません。

最後までお読み頂きありがとうございます。


「面白かった!」

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「頑張って!」


と思ったら


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