表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王  作者: 覧都
150/208

第百五十話 決死の戦い

「すげーー!!!」


 領主様はさっきまでのふてくされた姿とはうって変わって、子供の様にはしゃぎだした。

 椅子から乗り出し、それだけでは足りず、壁から身を乗り出すように戦場を見つめだした。


「おい、あの矢を手に入れてこい!!」


 後ろで、控えている兵士に指示をした。

 その兵士は素早さに特化した兵士なのか、姿が消えるように素早く移動をした。

 私はシャドウに命じて、一瞬で矢を手に入れると領主様に差し出した。


「どうぞ」


「なっ! ライファさんはこんなことも出来るのか。益々欲しくなっちまうぜ」


 えっ、それは配下の兵士としてですよね。

 私は違う意味だといけないので聞くのをやめた。

 領主様は矢をじっくり見ると、恐ろしい顔になった。


「アダマンタイトの矢尻だ。こんな高価なものを矢に付けるとはどれだけの財力だ。しかも何やら付与魔法まで付いている。こんな矢で攻撃されたら、たまったもんじゃねえぜ」


 私も矢をもう一本とって来てもらって、見ると先端はアダマンタイト製、矢全体には黒い呪いのような霧がまとわりついている。

 砂埃が収まると、数万の兵士が倒れている。

 鋼鉄の鎧を貫かれ、大勢が重傷なのでしょう行動不能になっている。

 何故か倒れている兵士は数メートルの間に集中している。

 矢の雨を抜けた兵士は魔王軍に突っ込みますが、少数でたどり着いた王国軍は次々倒れていく。


「ロウロの兵士は、弓に特化している。デイラ兵が魔法に特化しているのと同じだ。そんなロウロ兵にこの矢じゃあ、あの被害は少ないぐらいだ」


「全軍撤退!! 撤退だー」


 ザビロが叫びました。

 ザビロが一番に王都の方へ逃げ出します。

 でも、それにしたがっているのは、騎兵五百騎だけでした。

 総大将の守備をしている兵士達は動いていません。

 ザビロが見えなくなると攻撃の為魔王軍に突っ込みはじめます。


「そうなるか」


 領主様が、悲しげな顔になりました。


「総大将はいなくなった。今より俺が指揮をとる。我らに残されたのは、勝利か死だ。足を止めず、敵軍に突っ込めーー」


「おーーーーっ!!!」


 王国騎士団二番隊隊長ギール様の声がすると、兵士の士気が上がり、ロウロ兵の弓攻撃を抜けた兵士が、次々魔王軍に突っ込んだ。

 領兵達が、この状況でどう行動して良いのか、後ろを振り返った。

 領主様は、待機の指示を変えることはありません。

 王国騎士団は、玉砕覚悟で戦います。


「ここで死ぬ方が、楽なのかもしれねーな」


 領主様は、総大将を守っていた兵士達が、次々ロウロ兵の矢で倒れていくのをみながらつぶやいた。


「いっそ、あいつらごと、魔王を殺すか」


 そうか、王国兵が戦っている時に、魔法攻撃をしたら巻き込んでしまう。

 この状況では、デイラ様が考えていた魔法攻撃は使えないようです。

 王国軍は苦戦しています、いいえすでに敗戦は見えています。

 兵士が次々倒れていきます。


「王国兵よ聞けーー!! これ以上の戦いは無意味だ撤退せよ。勇敢な戦い振りに敬意を示し追撃はしないことを約束する」


 魔王軍から、低いそれでいて遠くまで響く声が届いた。


「我らに帰る先はない、最後までたたかいぬけーー!!」


 ギール様の雄叫びです。


「おーーー!!」


 敗色濃厚の王国兵の士気がふたたび高まった。


「哀れだな」


 領主様が一言つぶやいた。

最後までお読み頂きありがとうございます。


「面白かった!」

「続きが気になる、読みたい!」

「頑張って!」


と思ったら


下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。

面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!


ブックマークもいただけると本当にうれしいです。

何卒よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ