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魔王  作者: 覧都
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第百四十七話 それがどうした

 道幅はさほど太くない。

 騎馬から降りたザビロの部下は、私達を完全になめてかかっている。

 最初の四人が血祭りになった。


「うぎゃああああーーー!!!」


 悪党のくせに情けない、手足を四本折られてアスラバキになったぐらいでこの悲鳴です。

 続けて後ろの四人、更に四人、またまた、四人。

 大きな悲鳴を上げて倒れていきます。


「馬鹿野郎!! 次々飛びかかるんじゃねえ! 頭を使えー! 出入り口は他にもあるだろう。さっさと侵入して人質をとれーー!!」


 ザビロは、騎馬の上でまだまだ余裕です。

 王様の勅令を持つ騎士団の団長が人質を取れとは、なんて卑劣な指示をするのでしょうか。

 指示を受けて配下が散開します。

 それを見て、イルナ様とエマ姉とリアン様が、それぞれ別々の門を目指し散開しました。


「ふふふ、ザビロの奴、ただの馬鹿だと思っていたが、なかなか頭が回るぜ」


 防壁の上で領主様が笑っています。

 ザビロの配下が散開したおかげで、ここの守備が私一人になりました。

 一人で百人以上を相手にしないといけません。


「やれい!!」


 ザビロが勝ち誇った表情で低い声で言いました。

 少しうつむいているザビロの顔は、暗く影が落ち、寒気が出るほどの悪党顔です。


「ぎゃあああああああーーー!!!」


 襲いかかるザビロの部下を一気に数十人アスラバキにしてやりました。


「ひゃーーはははははは。お前達が何人かかっても勝てるわけが無いだろう。ライファちゃんだぞ!!」


 あんまり嬉しくない褒められ方です。


「ラ、ライゾーです」


 一応、ばれないように訂正も入れて置きました。


「ぎゃああーーー!!」


「すげーなーー!! 塀をよじ登っている奴らが見えない何かにアスラバキにされているぜ」


「そうですなー、どうやっているのでしょうか」


 イゴウさんが不思議がっていますが、それは私達より強いシャドウが、姿を消して働いてくれているおかげです。


「ぐはあっ」


 イルナ様が手すきになったのか、馬の上のザビロを蹴り落としました。


「き、きき、きさ、きさまーーー!! こんなことをしてただで済むと思っているのかー!!! 俺に手を出すということは王様に手を上げたのと同じ事だー。終ったぞー、おまえらーー!!」


 ザビロは激高しすぎて、舌すらうまく回っていません。

 イルナ様は騎馬から落ちて四つん這いのザビロに近づき、見下ろします。

 覆面をしていて顔の表情は見えませんが、見えている目だけで怒っているのがわかります。

 私に向けられた視線ではありませんが、寒気がします。


「それがどうした」


 バキッ、バキッ、バキッ、バキッ


「うがあーーー!!!!」


 イルナ様がザビロにアスラバキをしました。


「お前達は私が誰だかわかるのか。誰かもわからない者にやられて、天帝の勇者に何と報告するつもりだ。負けた事を報告すれば、死ぬのは天帝の戦士ロドンのようにお前だぞ」


「なっ……」


 ザビロは大きく目を見開いて反論しようとしたが、それが出来ずに唇を噛み黙った。


「俺の名は、覆面の聖騎士イルゾーだ。また、ふざけたことをするようなら、いつでもお前の前に現れて、アスラバキにしてやる。憶えていろよー!!」


 何だか、最後は悪党の台詞のようですが、イルナ様がかっこいい。


「何をしている、ライゾー行くぞー」


「は、はい。どこまでもお伴します」


 この後、ザビロと部下は、王国騎士団の本体が来るまで放置された。

 王国騎士団本体十五万人は夕方、日がくれる直前に領都に到着した。

 王国騎士団二番隊隊長のギール様が、この有様を見て何事かと驚いている。

 私が、悪事を働こうとしたザビロ達を、覆面の聖騎士が助けてくれたと説明しておいた。

 ギール様は悲しげな顔をして暗い表情になった。

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