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魔王  作者: 覧都
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第百二十七話 秘密

「あのー、暴れないで下さいね」


 フォリスさんが一声かけると、レオナさんがコクコク何度もうなずいている。

 フォリスさんがエリクサーをレオナさんに飲ませた。

 全快したようですが、大人しくしています。

 レオナさんはそのまま横たわり、フォリスさんに体を預けています。

 何だか、美少年にかわいがられて、うっとりしている美女のようで、美しいですね。

 僕の方からは、レオナさんのパンツが丸見えです。


 倒れている隊長と隊員は、アドとジュウドウとショート爺さんがエリクサーを飲ませている。

 僕はじっと我を忘れてレオナさんを見ている。


「アズサ様、お見苦しいものをお見せしました。レオナ! パンツ丸出しだぞ! ところでアズサ様は、こちらへは何のご用で来られたのですか」


 隊長さんが僕の視線をさえぎるように、歩いて来て質問してきた。


「アズサちゃんは、フォリスさんの護衛じゃ。フォリスさんは、魔王国から獣人国への友好の使者じゃ。この二人はすごいぞー、森にあふれておった、魔石モンスターを全部退治してくれたのじゃ」


 まるで自分がやったように自慢している。


「なんと、それで山からモンスターがいなくなったのですか。さすがアズサ様です」


 森のモンスターの退治に来ていたチガーさん達は、森のモンスターがいなくなって仕事が無くなった。

 一足先に隊員を帰して、チガーさんとレオナさんは道案内の為に、僕たちと一緒に獣人国の王都へ行ってくれることになった。


「見て下さい、アズサ様! ここがこの山で一番の絶景です」


 チガーさんが嬉しそうに紹介してくれた。

 そこからは、獣人の国が一望出来て、とても美しく緑色に輝く景色が広がっている。


「ああっ、あれは何ですか!!!」


 僕は、驚いて声を上げてしまった。


「な、何でしょうか!!」


 僕があまりにも驚いたから、チガーさんまで驚いている。


「あれは、麦畑ではありませんね」


 僕の言葉に、チガーさんとレオナさんが眉間に皺を寄せて表情を変えた。


「わかるのですか?」


「えっ、わかりますよ」


 僕が指をさすと全員が見る。


「……」


 全員が僕の次の言葉を待っているのがわかる。


「緑が細い道で区切られています。川が整備され、細かく流れが作られていますね。後は人工的に林が転々と作られています」


「あの、アズサ様は獣人の国へは何度か来たことがあるのでしょうか?」


 チガーさんの表情が驚いた表情に変わった。


「いえ、今回が初めてですよ」


 チガーさんは僕の顔をじっと見つめ、意を決したようにゆっくり話し出した。


「あれは、麦ではありません稲です。海の向こうのワギという国から伝わった穀物です。まさか気付く方がいるとは」


「イネですか?」


「ふふふ、獣人の国では稲から取れる米が主食になっています」


「何じゃとー! わしは知らんぞ」


「ふふふ、一応、この国の秘密ですからね。ショート様には知られないようにしていました」


「それで、山の向こうでは作っていなかったということですね」


 僕が来る時に見た麦畑は、輸出用の麦畑で、稲は見られたくない為作っていなかったようだ。


「はい。まさか、ここからの景色だけでばれるとは、思いませんでした。王都に着いたら米料理をご馳走いたしましょう」


 そう言うと、チガーさんが嬉しそうな顔になった。

最後までお読み頂きありがとうございます。


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