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魔王  作者: 覧都
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第百十八話 魔王軍の弱点

「まあ、飯の用意も出来るのだが、最初に聞いておきたい」


 デイラ様はテーブルの上に、ロウロ領の地図をのせた。

 そして、四角い所を示して言った。


「ここがロウロの領都だ。魔王軍との戦いの状況が聞きたい。次に戦うのは俺だからな。逃げてきた騎士団の兵士共は、ガタガタ震えて、『ぎゅうぎゅう押しつけられて殺された』の、一点張りだ。状況が全くわからねえ。教えてくれ何があった?」


「その前に私も聞きたい。何故、私にからんだのだ」


「はあーはっはっ!! 何を言っているんだ。からんだのはあんたの方だろう」


 何だか領主様の機嫌がよくなった。


「えっ?」


「そうじゃねえか。あんな熊見てーな恐い顔した男が、ぐちぐち言っていたら、普通は目を合わせねーようにする。下を向いたりしてな。だがあんたは、にらみ付けてきただろう。俺たちはそんな奴を探していたのさ。しかもべらぼうに、つえーときたもんだ。後ろを見てみな、おめーさん、ところの隊員がポーっとなっているじゃねーか」


 私が後ろを見たら隊員の頬が赤くなり、目がうるんでいる。まるで恋する乙女だ。

 お、お前達、私も女だぞ。


「もう、納得してくれたか。じゃあ教えてくれ。どんな戦いだったのか」


「ふふふ、お腹が空きました。話す元気がありません」


「ちっ!!」


 領主様は、舌打ちをしましたが、顔は滅茶苦茶嬉しそうです。

 こういうのが、つぼなのでしょうか。


「しょうがねえ、飯を持ってこい。最高にうめー奴だ!!」


 私は用意された料理を、領主様が一口食べるのを待ってガツガツ食べ始めました。口に入れた物を、ボロボロこぼしながら、それは、それは、がさつに食べました。

 そして、防壁の上から見た、魔王軍の戦いぶりを口に物を入れたまま、食べ物を飛ばしながら、説明しました。

 それは、後ろで私を恋する乙女のように見つめる、隊員達の目を覚ますように派手に食べ散らかしました。


 でも、逆効果だったのかもしれません。

 私の隊の小隊長数人が、ハンカチでこぼれた物を拭きながら、チラチラ私を赤い顔をして見てきます。まるでこっちのワイルドな副隊長も……。

 って言っている様に感じます。


「ふふふふ、そうか! それを聞いて安心した。まだ俺にも勝ち目がありそうだ」


「えっ!?」


 今の説明を聞いて、領主様は笑いだし、絶望するのでは無く勝ち目があると言いました。

 何か魔王軍に弱点があると言うのでしょうか。


「ふふふ、あんた、聞きたいのか?」


「は、はい!!!」


「ちっ、そんな目で見られたら、説明しないわけにいかねえじゃねえか。つくづく女にしておくのがもったいねえ奴だな」


「私は、女は捨てている」


 ――しまったー。また、にらんでしまったー。

 どうして、私はこうなんでしょう。

 領主様の顔から笑顔が消えて、真剣で少し怒ったような表情があらわれました。

 怒らせてしまったのだろうか、私は不安になった。

 すると、領主の頬が少しだけ赤くなった。

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