表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王  作者: 覧都
112/208

第百十二話 決戦へ

「ライファさんこんな所にいたのですか。探したのですよ」


 私は聖騎士団四番隊から兵士を半分連れて、ロウロ領に応援に来ています。

 ですが、足手まといと言われて、領都の守備をしています。


 暇なので防壁の上から、魔王軍が近寄ってくる様をじっと見つめています。

 それを迎え撃つのは、王国騎士団の精鋭十五万人です。

 すごい迫力です。負けることは考えられない、そんな感じがします。


「ロウロ様が、何故私なんかを?」


「ロウロ三世です」


「うふふ、ロウロ三世領主様。なぜ私などをお捜しですか?」


 領主様は何だか三世に、こだわりがあるようです。

 ロウロの領主様は、二十代後半の体の大きな優しそうな女性です。


「魔王軍は、恐ろしいですね。私は体の震えが止りません」


 そう言うと、ロウロ様は本当に震えているようです。

 普通に見れば、こちらに向ってくる魔王軍は、鎧がドロドロに汚れ、みすぼらしく感じます。


「そうですね」


 ですが、私も恐ろしさを感じています。

 それは、レベル二ダンジョンで出会った、オウブさん達がいるからです。


「ふふふ、やっぱりね。恐らく、このロウロ領で、あの魔王軍を見て恐ろしいと感じているのは、私とあなただけです」


「あの、領主様は何故恐ろしいのですか?」


 私が質問したら、領主様は恐ろしい顔になり説明してくれます。


「前回、魔王軍は、十五万ほどの兵を五つに分けて攻めてきました。我軍は三十万の兵を山中に潜め、たて堀道で迎え撃ちました。人間の軍なら全滅出来るほどの備えです」


 あの山の中でそんな激戦があったのかと驚きました。


「そ、それで……」


「ふふふ、魔王軍を撃退出来ましたが、指揮が恐ろしく優秀で、ほとんどダメージを与える事が出来ないまま、撤退を許しました。あの山で、我軍は死者六万人、負傷者は十二万人を超えていました。恐ろしい強さです。大聖女イルナ様がお忍びで来てくれたおかげで、負傷者は全快しましたが、負け戦のようなものです」


「そんなに、犠牲が出ていたなんて……」


「恐ろしいのは、ここからですよ」


「なにがあったのですか?」


「その後、山中には二十四万のロウロ兵を万全の備えで、潜ませていましたが、あの魔王軍は、一人の犠牲もださずに抜けてきたのです。こちらの兵士には被害は出ましたが、全員手足を折られて行動不能になっているだけでした」


「ア、アスラバキ……」


「なんですかそのアスラバキというのは?」


「あ、はい、魔王軍で敵の手足を折って、行動不能にすることをそう呼んでいます」


「詳しいのですね」


「はい、あ、いいえ、ほんの少しだけ知っているだけです」


「私は、鑑定が出来るのですよ」


「えっ」


 突然の話しの切替えについて行けずに驚きました。


「あなたのレベルは99ですよね。私の領内でそんなに高いレベルを見たのは、イルナ様とあなただけでしたよ」


「あ、はい」


 領主様はレベルが低い為か、二桁しか見ることが出来ないようです。

 私のレベルは350を超えています。


「うふふ、一番えらそうにしている王国騎士団の一番隊隊長のレベルが70でした。兵士の平均は30強というところです。ライファさんを私が一番信頼する意味がわかりますよね」


「は、はい」


「もし、魔王に降伏したら。魔王は許してくれるでしょうか」


「えっ」


 私は、驚いて聞き返しましたが、領主様は気にせず続けます。


「私は男が嫌いです。可愛い女の子が好きなのですよ」


「はっ!! イルナ様は駄目です!!!」


 私は思わず言ってしまいました。

 それを聞いて何故か領主様は嬉しそうに笑っています。


「くすくす、魔王は降伏した私をはずかしめるのでしょうか。領民が助かるのなら我慢出来るとは思いますが……」


 領主様は本当に悲しそうな顔になりました。

 領主様は恐らく精鋭の王国騎士団十五万人が、勝てるとは思っていないようです。


 敵、魔王軍は整列し終りましたが、総数は六千人弱に見えます。

 十五万の兵士の前に整列すると、貧相でとても勝てるようには見えません。

 それでも、私も領主様と同じで、王国騎士団が勝てるようには思えませんでした。

最後までお読み頂きありがとうございます。


「面白かった!」

「続きが気になる、読みたい!」

「頑張って!」


と思ったら


下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。

面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!


ブックマークもいただけると本当にうれしいです。

何卒よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ