表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王  作者: 覧都
111/208

第百十一話 道の終わり

敵の攻撃はロウロ領に近づくほど激しくなっていきます。

昼も夜も攻撃を受け、その間隔が短くなっていきます。

そして目の前に今までとは違う光景が広がりました。


「まあ、スザクには影響ないでしょう。さっさと進みましょう」


アスラ様は、なにが仕掛けられているのか分かった様です。

壁が今までより徐々に高くなっていきます。

すでに頭よりはるかに高くなっています。

幅は変わりないのに、狭く感じて圧迫感を強く感じます。


高い壁はかなり長く続き先頭の私達がやっと抜けると、まだ全体の半分は高い壁の中に入ったままになっています。


「やれーーい!!!」


声と共に蓋の開いた樽が大量に放り込まれます。

油がたっぷり入った樽です。

その後すぐに、火の付いた草束が投げ込まれました。

道に火薬も仕込まれていたようで、一気に火が道全体に広がります。

高い壁は、道から出られなくする為と、山に火が広がらないようにする為でした。


「ぎゃあああああーーーー」


悲鳴が上がります。

火の中に押し込み焼き殺す為に敵兵が、隊列に侵入してきたようです。

念の入った、計略です。

ですが、返り討ちに遭っているようです。

スザクは声を出しませんので悲鳴が上がると言うことは、敵兵の悲鳴です。


「あの、アスラ様」


「はい、なんですか」


「なぜ、森に入って敵兵を討たないのですか」


私は不思議に感じて質問しました。


「ふふふ、こんな優秀な兵士を殺したらもったいないじゃ無いですか。こっちに被害は何も無いのですから」


とても嬉しそうに答えてくれました。

アスラ様は、この兵士を自分の配下にしたいと考えているのかもしれません。

火攻めが終わり、数度の弓攻撃を受けた後、長い山道は急に終りました。


「うわあああーーー」


アスラ様とフォリス様の姿が叫び声と共に消えました。

細い道が急に無くなりその先が断崖絶壁になっています。

五十メートル程の高さのところで急に道が無くなっているのです。

手が込んでいるのは、断崖絶壁の前の道は、坂にしてあり先がわからないようになっているのです。


「いまだーーおせーーー!!!」


後ろから敵兵が押し始めたようです。


「ぎゃーーーーーー!!!」


まあそうなるでしょうね。

私は、アスラ様の後ろにいたので落ちずに済みました。

壁に手を当て、様子を見ると、ロウロの領都が平野の中にはっきり浮かんで見えます。流れる川や、小さな森が何カ所かあります。

領都の南の平地に大勢の兵士の姿が見えます。

先日見た十五万人程の兵士に見えます。

高い位置から見る遠景は見とれるほど美しく感じました。


「あっ、アスラ様」


私は、思い出したように叫ぶと足下を見ました。

ふふふ、あの二人がこんなことで、けがをするはずがありませんね。

元気に手を振っています。

私達は敵の目もあることから、ゆっくり崖を降りました。

最後までお読み頂きありがとうございます。


「面白かった!」

「続きが気になる、読みたい!」

「頑張って!」


と思ったら


下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。

面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!


ブックマークもいただけると本当にうれしいです。

何卒よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ