表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王  作者: 覧都
107/208

第百七話 出陣

 3ヶ月はまたたく間にすぎた。

 兵士の動員、訓練、武具の調達、食料、薬品の調達で時間は足りないぐらいでした。


「アスラ様、ご覧下さい」


 王都の、北側の防壁の前に兵士が十五万人整列している。

 その姿に、圧倒された。

 僕とクザンの姿を確認すると、防壁の角で旗が上がった。


「魔王様万歳!! 魔王様万歳!!」


 大きな声があがった。

 まるで、全戦、全勝の無敵軍団のようで、頼もしく感じました。


「全軍出撃!!」


 クザンが大きな声で叫んだ。


「おーーーーーーっ!!!」


 兵士の喚声あがった。

 喚声のあと兵士の姿が、一部隊ずつ消えていく。

 国境へシャドウの移動魔法で移動をしているのだ。

 最後の部隊が消えて、兵士がいなくなると、あたりは静寂に包まれた。


 このあと兵士達は、コモンドニス王国のロウロ領へ進軍し、領兵とたたかう事になるでしょう。

 ロウロ領だけで魔王国と同じ位ある大きな領地です。

 兵士の数もそれなりにいる事が想定できますが、元々魔人の方が体も大きいし、魔力も多いので負けることは考えられません。

 コウケンさん達に大いに手柄を上げてもらおうと考えています。


 僕は食料調達の為、獣人の国へ行こうと数日の間、準備を進めました。

 いよいよ獣人の国へ出発という時に知らせが来ました。


「コウケン様が全軍撤退を決定しました」


 フォリスさんが僕に駆け寄り伝えてくれました。


「えっ……て、撤退ですか」


「はい、魔王軍の死者が三万を越え、負傷者も多数、ですが負傷者はエリクサーで回復しています」


「何があったのでしょうか」


 僕がフォリスさんに質問しましたが、フォリスさんも把握仕切れていないらしく首を振った。


「ひとまず玉座の間へ」


 玉座の前に七人がボロボロのまま平伏しています。


「おもてを上げよ」


 クザンが僕の後ろで声をかけます。

 顔を上げた七人の体がビクンと揺れた。

 恐らく僕の顔が、怒りに燃えていた為だと思います。

 僕は、表情を変えず全員の顔をゆっくり見ていきます。


 全員、ドロドロに汚れた顔をして、必死で戦ってきたことがわかります。

 この人達が、兵士の命をむざむざ見捨てて帰ってくるとは思えません。

 必死で救おうとしても、救いきれずこぼれてしまった命が3万ということなのでしょう。


「コウケン!!」


「はっ」


 コウケンさんは、死ぬ覚悟が出来ている顔ですね。


「何があったのか説明をして下さい」


「全ての責任は、私にあります。死を賜りたいと思います」


 敗軍の将として何も語らないつもりなのでしょう。

 説明すればいいわけに聞こえるし、コウケンさんらしいですね。


「あなたに責任の追及をする気はありません。もし責任があるなら僕の方にあります。僕の首をはねますか?」


「なっ」


「この先の戦いの為、何があったのか説明が聞きたいのです。よく考えれば元々魔人の国が領土を奪われたのです。そんなに弱いわけがなかったのです」


「そ、それは違う。まともな戦力はこっちが上だった。だが、人間は戦い方が汚かったんだ」


 ファージさんがコウケンさんに変わって口を開いた。


「ふふふ、それは興味深い。俺たちにも聞かせてくれ」


 玉座の間に七人の、人影が入ってきた。

最後までお読み頂きありがとうございます。


「面白かった!」

「続きが気になる、読みたい!」

「頑張って!」


と思ったら


下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。

面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!


ブックマークもいただけると本当にうれしいです。

何卒よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ