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魔王  作者: 覧都
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第百二話 怒り

「あっ、怒らせてしまった」


 エマさんと、ライファさんが、本当に小さな声でつぶやいた。

 ファージさんの目は怒りに燃えている。


「魔人の王の名は、あの腐れ勇者と同じなのか。それとも腐れ勇者そのものなのかー」


 教祖がなめた顔をして気持ちの悪い笑顔で言いました。

 こ、こんなの私でも腹が立ちます。


「ふふふ、第三王女を犯し、自殺に追いやり、宝物を盗む、くそ勇者と同じ名前とは、災難だなーー」


 天帝の勇者が追いうちをかけました。

 教祖と同じような顔をしてニヤニヤしている。

 ここで言うような事ではない。

 エマさんとライファさんとアンちゃんが怒りに震えている。


「あの、最悪くそ勇者アスラと魔王が同じ名前……」


 集まっている貴族達がザワザワしている。

 だが、その口から出る言葉は、天神の勇者アスラの名をはずかしめる物ばかりです。

 三人の猛獣が、怒りで飛び出しそうになっている。

 それを止める為、三人の服を握って動けなくしていますが、もう離してしまいたいと心底思っています。

 悔しくて涙が出そうです。


 バキン


 ファージさんの前歯が欠けて飛びました。

 歯ぐきから血が出ています。

 怒りを我慢する為に、歯を強く噛みしめていた為、前歯がわれたようです。


「ふふふふふふふ、わが王アスラは、お前達の言う勇者アスラかどうかは知らんし、知りたいとも思わん。自分の目で見た王の姿を信じるだけだ。聞けーーー!! 人間共よーー!!!」


 そう言うとファージさんは、口の中の血をペッと吐き出した。


「我が国の王は、ジョブが魔王の者しかなれない。お前達と違って世襲はしないからだ。たとえ魔王の子でも魔王にはなれない。過去五人の魔王がいたが純真で無垢な魔人達は魔王をいつも歓迎した。なのに過去の魔王は、魔人を嫌っていた。どれだけ魔人達に酷い仕打ちをしてきたか」


「ふん、それがどうした」


 天帝の勇者が、偉そうに言った。

 超憎たらしい。


「俺たちはアスラ様も同じ残忍で魔人嫌いな魔王と思い込んでいた。だから、魔王を拒絶した。だが、アスラ様は過去の魔王とは違った。行き場を失った避難民の糞尿の処理の為、自らの手を汚し避難民の為に、働いてくれるような、優しいお方だったのだ。強くて、優しい、まさにわれらにとって理想のお方だったのだ」


「ひゃーはっはっはーーっ。糞勇者が避難民の糞にまみれていたのかー。みてみたかったぜー」


 天帝の勇者が腹を抱えて笑っている。

 もう、この人には何を言っても通じなさそうだ。

 そんなことは言っていないでしょうに!!


「ふふふふ、我らにとってまさに至高のお方を、愚弄するような者達と話しをする気にもならん。3ヶ月後、我魔王軍は、人間が不当に占拠している国土を返してもらう為に兵を出す。今日持ってきた土産は軍費の足しにでもしてくれ。以上だ!! 帰らせてもらう」


「馬鹿め、黙って帰すと思うのかーー!! やれーーー!!!」


 こんな時は天帝の勇者と教祖の息がぴったりあう。

 武器も持っていないファージさんに対して、武装している王国騎士団の団長と、聖騎士団の団長が襲いかかった。

 二人がこの国最強の矛なのです。

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