白い本
「だからと言って、俺たちもあんたらに協力する理由がないぞ。あんたらが今までそうしてきたように、世界を守ればいいじゃないか」
「…ほんとはそのつもりだったさ。『太郎』に変わる新しい守り手を選ぶ予定だったさ。だがな、いまや、太郎たちは全員生死不明。魔女も半分近く減って、さらに、宝玉も奪われている。正直ねこの手も借りたい」
「貸そうかにゃ?な~んてね」
赤髪の少女と仮面の女がそこにいた。
「あ、白い本みっけた!あれがりゅうたろうが言ってた本だね」
「ご丁寧に転送印までかいてくれるなんてありがたいですね」
「お前らよくも」
魔女たちが杖を出す。しかし、それよりも少女のほうが早かった。
「だまらっしゃい!スライムくん!捕らえる壁」
彼女のピンクのスライムが魔女たちを壁へと押しやった。
「な、な、なにこれ、動けない」
「はなしやがれ!スライム無勢が」
「おぉ!怖い怖い。スライムくんをなめんなよ。これでも、ひとつの世界を救ってきてるんだからね」
ふよんふよんと手乗りサイズになったスライムが揺れる。
「よし。よ!お二人さん!自己紹介からはじめようか!あたしの名前は紅葉!あんたらと同じ異邦人にして、こうたろう。お前のプロトタイプのスライム使いだ。」
元気よく言うと紅葉はすたすたとこうたろうに近づき、ハグをした。
「なっ!」
「ほわああああああ!離れろバカタレ!!」
こうたろうよりも、桃のほうが、慌ててふたりを引き離す。
「いやあ、挨拶!挨拶!あはははは!」
楽しそうに紅葉は笑う。




