魔女集会(サバト)
「ここは?」
ネズミの魔女の魔法で、こうたろうたちは、ある部屋に飛ばされてきた。
「ここは魔女集会の会場さ。ひとまずは安全だ」
うまの魔女が部屋中に魔法を掛けながら言った。
「よし、これで、外側から攻撃されても、しばらくもつだろうよ。はぁ」
どうやら防御の魔法を貼っていたようだ。魔女たちは緊張の糸は途切れたのかその場にへたりこんだ。
「今回ばかりはネズミの魔女さまさまだな。この人数を渡らせるなんて」
「み、みんなの魔力があったからだよ」
「ネズミチャンスゴイ!」
ちゅーこは耳を赤くしていった。
「桃、無事で何より」
「バカタレ!私が負けるわけないだろ!」
桃とちゅーこ、それに他の魔女たちを助けることはできた。パトさんのことは残念だったが。犬の魔女は気落ちしていた。無理もない。
「パパァ…」
「ワンチャン…」
桃が優しくだきしめる。
「犬の魔女…」
「我が娘…」
ん?
「強くあれ、我が娘。」
か、刀が喋った。吉備津丸は柄をカタカタ言わせながら喋る。
「パパ?!」
「ぬ!どうやら、こうたろうが切ったもやに俺の魂があったみたいでな。魔力と一緒に刀に吸収されたみたいだ」
「パパぁ」
「泣くんじゃない。お前の笑顔を見るために俺は来たんだ。遅くなってしまってすまない。1度諦めてしまいすまない。おれはダメな父親だ」
「もう一度会えた。もう一度話せた。それで十分だよ!パパありがとう」
こうたろうは刀を抜いて、犬の魔女に手渡した。少し2人きりにしてやろう。他の魔女たちも頷いて、杖をふり部屋を移動した。
「とりあえず、神様に色々聞かないとな」
馬の魔女はそういった。ネズミの魔女も頷く。
「あの仮面の魔女も気になるし」
だだっ広い空間にでた。
周りには本、本、本。かべも天井も床も、本で埋め尽くされていた。
「すっご!本ばっか」
桃もこうたろうも驚嘆する。
魔女たちは、すたすたと歩いていく。
彼女の進む先には、1人の女が本を片手に、本でできた椅子にすわっていた。真っ黒な山高帽子をかぶり、スラリと高い背。片眼鏡を輝かせ、こちらを向く。
「げっげっげ、どうしたんだ。お前たち。魔女の魂たる宝玉は集まったのか?それにしては、生きてる魔女の数が多すぎるんだが」
「神様あんたに聞きたいことが山ほどある。」
「私は話したいことは無いげっげっげ!そう睨むなっての。世界が終わりかけてんのに質疑応答してられんのさ」