地下牢
これからどうなっちゃうんだろう。早くここを出て、ショウくん達にまた会いたいな。
ミウは黒いローブの集団に襲われ、どこかの地下牢に閉じ込められていた。光が入ることは無く、ろうそくの火だけが唯一の光だった。
1人で不安を抱えていると、入り口から誰か近寄ってきた。
牢の前まで来ると立ち止まり、ミウに話しかけた。
「かわいそうにな。お前」
「……」
「こんなくだらない事に巻き込まれてな」
「……あなた達はなんですか」
「俺たちは『陰影団』。王のためならなんでもやる組織だ」
「じゃあこれは、王様の指示ということですか!?」
「まあ、そうなるな。これ話しちゃいけなかったっけ? まあいいや。」
「そんなぁ…。これから私はどうなるんですか」
「それは俺も知らない。リーダーも知らないんじゃないかな」
「……」
「そういう事だから、しばらく辛抱してな。そういやお前、なんて名前だ?」
「……ミウ」
「そうか。ああ、俺はロイド。気楽に行こうや。じゃあまたな」
ロイドは地下牢から出て行った。
あの人は何をしに来たんだろう。挨拶?
ミウは疑問に思いながら、1人寂しい地下牢生活を再開するのだった。
カイトは電話越しの校長に疑問をぶつけた。
「王城にいるってなんでだ!?」
「理由は2つある。1つ目は魔族がそのようなことはしないだろうということ。2つ目は『勇者』を一番欲しがり、探しているのは国王であることだ。」
「なぜ魔族ではないのですか」
「最近、魔王がスピーチで『人族とは戦争しない』と言ったのだ」
カイトとレナはとても驚いていた。それと同時に疑問も出てきた。
「そんなすごい情報が、なぜ人族の国『リアリス』では広まっていないんですか!?」
「国による情報操作だ。特に国王。あいつは世界を自分の管理下に置きたいと考えている。だから、平和になることを望んでいないんだよ」
「そんな!」
「許せないな!」
「私がなんとかしてみるから、そのまま待機していてくれ」
そういって、通話が切れた。
「同じクランなのに、何も出来ないなんてな」
「助けに行きたい気持ちはあるけど、私たちじゃ何も出来ないわね」
「やっぱり校長の言う通り、待つしかないか」
「それまで、修行するぞ」
「そうね。でも、どこでやる? 教えてくれる人もいないし」
クランのランクがDでは演習棟が使えないため、自由に魔法を使える場所がないのだ。
しかし、そこでショウが一つの案を思いつく。
「あ、いい人知ってるよ」
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