犯人は?
ショウは校長に、誰が連れ去られたのか確認するために電話をした。
「もしもし!」
スピーカーでの通話のため、みんなに聞こえるようになっている。
「ちょうどよかった。君たちには連絡しようと思っていたんだ」
「ということはやっぱり…」
「ああ。 『星火燎原』所属のミウが連れ去られた」
「そうな!」
このことを聞いた時、カイトは驚きレナは悲しみ僕は怒りに満ちていた。
「もっと問題なのは誰が連れ去ったかだが…」
「分かってるのか!? 教えてくれ!」
「事実かわからないんだが、国王宛に『国立魔法学校の学生を連れ去った』と書かれた文書が届いたらしい」
「どうして、学校宛ではなく国王なのですか?」
「…連れ去ったのが魔族だからだ」
「そんな馬鹿な!」
僕はありえないと思った。そんな簡単に学校へ侵入出来るわけないし、もっとも魔王は平和を望んでいるため、人族の領地から誘拐をするわけがないからだ。
「文書には『返して欲しければ勇者を差し出せ』とも書かれていたらしい」
実は『勇者』の称号を持つものが前戦争から現れていないのだ。そのため、国は必死に探しているらしい。
また国と魔法学校はあまり仲が良くないため、学生の情報を国はほとんど知らない。だから、『勇者』を持つものを匿っているのではないかとの噂がある。
「シオン校長。勇者はこの学校にいるんですか?」
「そのような噂はあるが、事実ではない。私も知らないのだ」
「それじゃあ、ミウはどうなるんだ! 魔族の国『ハーデス』にいるなら助けることも難しいぞ!」
「……これは私の憶測だが、ミウは王城にいるのではないかと考えている」
僕と同じ考えだ。
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