出会い
魔族との戦争から数年が経ち、15歳になった。身長も伸び、今では170センチ近くある。
15歳になると都市部にある国立魔法学校に3年間通うことになっている。
これは3年前に新しくできた制度。なんでも、魔法の質を高めたり戦える人を増やしたりする目的があるらしい。
僕としては、強くなれるありがたい制度だと思っている。しかし、無料というわけではない。
完全寮制で毎月十分なお金も支給されるが、あくまで借金という形だ。卒業後に、返済するようになる。
ところが、例外も存在する。成績優秀者として卒業することが出来たなら、借金免除になるのだ。
だから、生徒のみんなは必死になって授業を受けているらしい。
そういうわけで僕は今、その国立魔法学校に向かっている。
1ヶ月かけ、馬車を乗り継ぎながらの生活はとてもしんどかった。あと1時間もすれば都市に入ることが出来るだろう。いよいよ馬車生活ともおさらばだ。
もう一眠りしようかと思っていると、外から声が聞こえた。
「やめてください!」
「獣のくせに生意気な!その荷物を寄越せ!」
「抵抗はやめろ。怪我したくないならな。」
外を見ると、同い年くらいの獣族の女の子が人族の2人に襲われていた。
「すみません!ここで降ります!」
そう言って急いで荷物をまとめ、馬車を降りた。
女の子の元に向かうと今にも殴られるところだった。
「[パラライズ]」
「なんだ!?」
「体が動かねえ!」
魔法で2人の動きを止めている間に女の子の元に向かう。
女の子は150センチほどの身長で、目がぱっちりしており可愛らしい印象だ。
少し青みがかったショートヘアーで、同じ色の猫耳がついていた。
「大丈夫?」
「はい。ありがとうございます」
「とりあえず今は逃げよう。またすぐに2人が動き出すから」
「分かりました」
その場を急いで退き、都市を目指した。
すると、運良く近くを行商人が通りかかったので、お願いをして都市まで乗せてもらえることになった。
「どうして助けて助けてくれたんですか?」
「困っている人がいたら助けるでしょ。」
「獣族でもですか?」
「ん? 獣族だと問題でもあるの?」
「……獣族は人族に差別されているんですよ」
「えっ!? そうなの?」
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