プロローグ
そこは誰もいない廃村でのことだった。
「あと少しで生まれるぞ!シルフィ!」
「うぅ……」
ーーーーーーーー数時間後
「おぎゃーーあ! おぎゃーーあ!」
「ありがとう。よく頑張ったねシルフィ」
「えぇ。 ペトラもありがとう」
生まれた子供の名前はショウ。これから数々の困難を迎えながらも立ち向かう、今回の主人公である。
「シルフィ様はどこだ!」
「ここら辺にいるはず。一刻も早く見つけるのだ」
ペトラは遠くの方でシルフィを探す声を聞いた。
「シルフィ。疲れていると思うけど追手が来てしまった。」
「……私はもう動けない。だから、あなたはショウを連れて逃げて」
「そんな……」
「私は大丈夫だから。いつかまた会えるわよ」
「……」
「いたぞ! あそこだ!!」
「ペトラ。さあ行って」
「……絶対にまた会いに行くからな!」
そうしてペトラとショウは森の奥へと消えていき、シルフィは追手に捕まってしまった。
ーーーーーーーー
「ここまでくれば大丈夫だろう。しかし……」
子供に見ると、すやすやと気持ちよさそうに眠っていた。
「ショウを国に連れていくわけにはいかないよな。……仕方がないか」
ペトラは子を抱えながら誰か暮らしていそうな村を探し、そこに向かった。
ーーーーーーーー10年後