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交通事故の後に何が見えたか  作者: きつねあるき
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第1部~車で事故多発地点を通ると

交通事故と聞くと、皆様は車との衝突が思い浮かぶと思います。


相手が、車、バイク、自転車、歩行者、動物他多岐に渡りますが、最近では、高性能化した自転車との事故が増えている様ですね。


交通事故のニュースは、毎日見聞きしますね。


被害が大きい時は、ニュースで取り上げられる事もありますね。


では、実際に交通事故の後はどうなるか?ですが、小さい場合は示談で終わり、大きい場合は警察に通報して現場検証して、散乱した物があれば片付けて、当事者同士の責任の度合いにより、時には裁判になり、罪を償う…といった流れでしょう。


現実ではそうなりますが、そこで亡くなった方は、自らの死を認識しないまま、亡霊となって現れる事があります。


現在に至る過程でも、交通事故で誰かが死亡すると、そこに横断歩道や信号機が出来たり、バスの停留所の位置が変わったりしますね。


事故がきっかけになり、安全に通行出来るようになると、便利ではありますが、そこで亡くなった方々は、その後、どんな風に見えるのでしょうか?


横断歩道の手前で、単体で見える事もありますが、多くの場合、近くの電柱や、看板の支柱の裏に隠れているのか、同化しているのか、というのが、多いと思います。


まあ、仮にいたとしても、年々薄くなっていくので、心配する事はありませんが、たまに強い残留思念を抱いた霊魂があると、災いをもたらす事があります。


今回のテーマは、交通事故により、亡くなった方が、後にもたらした影響についてです。


多くの人の場合、亡霊と波長が合わない事がほとんどなので、知らずに過ごしています。


しかし、もし、交通事故死した亡霊と波長が合ってしまったら…と、思い、読んで頂けたらと、思います。


今回のお話は、交通事故の後には?というテーマで、3部構成で書いてみました。


それでは、本文へどうぞ。

 皆さんは、多少なりとも霊感(れいかん)をお持ちですか?


 もし、多少なりとも霊感をお持ちでしたら、心霊(しんれい)スポットの本を読む事をお(すす)めします。


 亡霊(ぼうれい)が見える事により、本来起きないはずの事故に、()き込まれる可能性があるからです。


 ある程度、その情報を把握(はあく)しておくと、見知らぬ場所に行く時も、心の準備が出来ると思います。


 トンネル内や、廃墟(はいきょ)の病院等は有名な心霊スポットが多いですよね。


 心霊スポットが建物の時は、現場に入らなければいいのですが、普段から通る道だとなかなかそうはいきませんね。


 以下は、自分の体験談です。


 あれは、1991年(平成3年)の8月だったと思います。


 自分が、まだ19才の頃です。


 当時、車は1800㏄のセダンに乗っていました。


 自分が心霊スポットの本と、全く同じものを見たのは、その本を見てから2ヵ月後でした。


 環状(かんじょう)7号線のどこかの陸橋(りっきょう)の上で、真っ白い着物を着て、(つえ)を持っているお(じい)さんが(あらわ)れる…という話です。


 その(うわさ)を聞いた事がありますか?


 そのお爺さんが現れると、()けようとした車が、事故を起こすそうです。


「まさか、そんな~」


 なんて、思ってないですか?


 交通事故で亡くなった方が、地縛霊(じばくれい)として出てくる時は、轢死(れきし)にあったタイミングで出て来るので、避けられません。


 よくある話で、道路(わき)から急に人が飛び出してきて、


「うわっ、ぶつかる!」


 と、思った瞬間(しゅんかん)、消えた…なんていうのも多いです。


 以前、自分は、よく環状7号線を利用していたので、気に掛かってはいました。


 しかし、ある日、そのお爺さんらしき人を、陸橋の上で見かけてしまったのです。


 確か…その日は、時間にして夜の9時過ぎで、車通りもけっこうありました。


 中野区の方から、大田区の方面に向かって走行していた時です。


 自分の車は、片側2車線の左側を走行していたのですが、そのお爺さんは、陸橋の上の方の左(すみ)で杖を持って立っていました。


 とはいえ、距離(きょり)にしたら30mくらい先だったので…、


「何だ、別に気にしないで一気に通り抜けてしまえばいいじゃん!」


 …と、思っていたら、


「どう考えても避けられない!」


 という、本当に絶妙(ぜつみょう)なタイミングで、そのお爺さんが、ふら~っと横断(おうだん)してくるではありませんか!


 自分は、本の予備知識(ちしき)があったから良かったものの、そういう時に限って、すぐ横の右車線にはトラックが走っていたのです。


 この時、自分は…、


「もし、生きているお爺さんだったらどうしよう…」


 とも、当然考えました。


「でも、何かおかしい!」


 と思って、再びお爺さんをよく見ると、体が()けて向こうの道路が見えたのです。


「見切ったぞ!」


「え~い、このまま直進だ~!」


 と、思い、バンドルの持ち手に力を入れて直進したら、そのおじいさんが、白くて(まぶ)しい光の(たば)に変わって、車内の中心部を…、


「ブワァ~ァァァッ」


「ゴゴゴゴゴッゴッ~」


 …っていう、感じの音を立てて、すり抜けていったのです。


 その後、バックミラーにも何も(うつ)らなかったし、念の為、少し先の道に停車して、車体を見たけど、何のへこみもなかったのです。


 ついさっきまで、衝撃(しょうげき)的な事がありましたが、車には何も異常がない事が分かったので、気持ちを落ち着かせてから出発しようと思い、近くの自販機で缶コーヒーを買って飲んでいました。


 その時、ふと、頭を(よぎ)った事がありました。


 昔、よく聞いた怪談で、亡霊を車に乗せた後、車の後部座席を(ふれ)ると、ぐっしょりと()れていた…という話です。


「まさかね…」


 と、思いながら、後部座席を座布団の上から(さわ)ってみましたが、濡れてはいませんでした。


 念の為、後部座席に()いてあった座布団を全部めくって、直接座席を触ってみましたが、そこも濡れてはいませんでした。


「やれやれ、そんな昔の怪談話なんて…」


 と、思っていたら、助手席と後部座席の間の足()きマットが、黒っぽくなっているのが見えました。


「何だ、これは?」


 と、思い、そこを触ってみると、


「ヌルヌルッ…」


 と、した感じで濡れていました。


「うわっ!変なの触っちゃったよ!」


 どこかで、手を拭こうと思いましたが、こういう時に限ってティッシュもタオルも無い…。


「う~ん…」


 とは、思いましたが、自販機で手洗い用に水を買い、(ぬめ)りを洗い流すと、やっと気持ちが落ち着きました。


 その直後、もう1回助手席と後部座席の間の足拭きマットを見てみると、もう、黒っぽい所はありませんでした。


 そこを、もう1度触ってみたものの、完全に(かわ)いていたので、


「一体あれは何だったのか?」


 首を(かし)げてしまいました。


 いや~、それにしても、あの陸橋の上で右にバンドルを切っていたら、今頃どうなっていたか…と思うと、ゾッとしますよ。


 後日、同じ道を昼間に通ったら、そこには不自然にうねったタイヤマークが、何本もありました。


「そこで、どれだけのドライバーが急ブレーキを掛けたのか?」


 と、思うと、想像(そうぞう)するだけで(こわ)かったです。


 以上で、第1部を終了します。



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