表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/83

第16話 コウスケ覚醒?

 ラルバさん以外はクッキーに夢中なので放置して3人で話す。


「そういえば最近忙しい様ですね。」

「まぁな、やたらと辺境伯家への客やら商売人が多くてな。」

「辺境伯家だけですか?」

「そうなんだよ。壺に入った灰やら木の皮やら良くわからん物が多くてな。唯一分かったのはルコルの実くらいか?辺境伯家があんな庶民的なモン食うとは知らなかったよ。」


……恐らくは魔力液と魔紙の材料を集めているんだろうな。しかし何故そんなに大量に集めているんだ?


「他には何がありました?」

「あまり言う事ではないのかもしれんが、鉄鉱石やら魔鉱石もあったな…。」

「魔鉱石?」

「魔鉱石知らないのか?」

「ええ、まぁ。辺境のド田舎から出てきたもので…。」


便利だな、この言い訳。


「コリーナは知ってる?」

「ええ、知っていますよ。」


魔鉱石とは魔力を通し易い鉱石で、艶のある黒色をしているからすぐ分かるらしい。こういう事に興味なさそうなコリーナが知ってるなんて常識中の常識なんだろうか?と思っていたら、獣人の間ではメジャーな鉱物らしい。何で?とも思ったが、よく知られているだけで鍛冶等で使われているのを見た訳ではないので、恐らくは採掘して売っているのだろうとの事。


「しかし何でまたそんな鉱物を…。何か役に立つんですかね?」

「さぁ、俺も使い方とか聞いたことないからなぁ…。」

「何処かで手に入りませんかね?」

「なんだ?興味あるのか?」

「ええ、まぁ。見た事無いので、どんな鉱物なのかなと。」


怪しい、何か使い道があるはずで、辺境伯家は目的を持って集めているはずだ。解析で調べておく事に越したことは無いだろう。


「しかしなぁ…、何処から仕入れて来ているのかまでは分からんからなぁ。」

「では獣人の多く住む居住区を訪れてみたらいかがでしょう?」

「コリーナ?」

「鍛冶等では使われないのですが、とても柔らかい鉱物なので、砥石として使っている獣人の家はそこそこあると思います。」

「そうなんだ、今度行ってみよう。」


『…獣人の集落から仕入れているのですよ。』


と、コリーナがコッソリ教えてくれた。なるほど、大きい声では言えない訳だ。


 そろそろ御暇しようと席を立つと、ハプス一家が期待に満ちた目で見てきた。ああ、クッキーだな。相当美味かったらしい。まぁ、乾パンであれだけ美味いと言っていたくらいだ。甘味に厳しい世界なのだろう。


 面倒臭い事になりそうだったから、蜂蜜がもう無いのでクッキーは作れないと言っておいたら、ラルバさん含めて全員絶望的な顔になっていた。でもなぁ…、何となくだが、ラルバさん以外の人とは仲良く出来ない気がするんだよ。



 家に着いた後でコリーナにハプス一家の印象を聞いてみた。


「コリーナ、ハプス一家のニオイはどうだった?俺の勘ではあまり仲良くしない方が良さそうなんだが…。」

「ええ、ラルバさんは大丈夫そうですが、他の方は獣人に対して良い印象をお持ちでないようです…。」

「だよなぁ、クッキー作ったのコリーナかどうか露骨に確認してきたからなぁ。多分あの時コリーナが作ったって言ったら、ああだこうだと理由をつけて食べなかったんだろうな。」

「恐らくはそうだと思います…。」


ここまで獣人蔑視が酷いとは…。辺境伯家もきな臭い…。これはセーフハウスを用意しておいた方が無難か?


「コリーナ、以前に宿は辞めても良いって言っていたよね?それは今でも変わらないかい?」

「はい、特に困りませんので。どうなさいました?」

「獣人の集落に家を建てようと思うんだが、可能かな?」

「あなたであれば受け入れて貰えると思いますが…、何故ですか?」

「いざという時の為にセーフハウスを用意しておきたいと思って。コリーナとキャロが安全に暮らせる拠点を今のうちから作っておきたい。出来れば大き目の家にして2〜3世帯住めるくらいのヤツ。」

「あなた…、それはいったいどういう…?」

「今日ラルバさんから聞いた話についてどう思った?俺はきな臭いと思った。直ぐにどうこうはならないと思うが、辺境伯家は何らかの準備をしていると思う。そして街にいれば巻き込まれる事態に陥るかもしれない。」

「………。」


コリーナが不安そうな顔をしている。脅かし過ぎたか?コリーナを抱きしめて背中を撫でる。


「大丈夫だ、何があっても俺が守るから。それに、セーフハウスと言っても念の為の準備だし、きな臭いと言っても予想通りの事態になるとも限らないしね。」

「あなたは貴族様に注目されていると聞いたことがあります。絶対に無理はしないでください…。家族全員が無事であればそれで十分ですから…。」

「わかった、安全第一で無理はしないよ。」


とは言ったものの、コリーナとキャロに危険が迫ったら恐らくは無茶をするだろう。なるべくそんな事にならないように事前の準備をしっかりしておこう。ダンジョンで手に入れた金貨もあるし、薬草で稼いでいるから金銭面では問題無いだろう。明日はニコラスさんのお店で錬金術の研究がある。ニコラスさんが関与しているとは思えないが、少し探りを入れてみようか…。


「あなた…、また無理をしようとしていませんか?そのようなニオイがするのですが…。」

「いや、今の内にしっかり準備しておこうと考えていただけだよ。」

「本当に?」

「本当だよ。」

「それだけではなさそうな感じなのですが?」

「うっ!鋭い…。」

「……あなた、これはお仕置きですね!」

「えっ!?なんか急に元気になってない?」

「ええ、ええ、私もあなたにお仕置き等したくは無いのです。しかしあなたを説得する為には仕方がないのです!幸いな事に今日はお客様もおりません。キャロが帰ってくるまでみっちり説得させていただきます!」


俺のツッコミはスルーなわけね…。


「いや、でも書斎は今危険物があるから…。」

「大丈夫です!お客様が少ないので、客室をもう一部屋改装しました!」


本当にどうやって経営成り立ってるの?この宿…。

 ジリジリと俺を新しい改装部屋まで追い詰めるコリーナ。だがしかし!今回はいつもの様にはいかないぞ!


「ふふふふふふ…。」

「……あなた???」

「コリーナよ、いつもの俺だと思ったら大間違いだぞ!」

「これからの事に期待して頂いているニオイはいつも通りですが…?」

「だまらっしゃい!今日の俺はネコミミサキュバス様に良いようにヤラれる俺では無いわ!」

「ネコミミサキュバス様?」


あっ、ヤベッ!ネコミミサキュバス様は俺が勝手に呼んでる名前だったわ。


「そんな事はどうでも良い!それよりも俺は新たな技能を身に着けたのだ!対コリーナ専用のな!」

「なっ!なんですって!?そ、それはいったい!?」


ノリ良いな、流石コリーナ。


「その技能の名はな…、『コリーナは俺の嫁』だっ!」

「なっ、なんですってぇ………え???」


コリーナは良くわからないといった表情をしている。良いでしょう!解説して差し上げましょう!

 実は自分のステータスを解析した時に称号も調べていたのだ。『コリーナは俺の嫁』という称号はコリーナとの間に子供ができる確率が微増するという効果の他にもう一つ重要な効果があったのだ。それは、


『コリーナを満足させようとした場合、体力、知力、技能にプラス補正が掛かる。』


と言うものであったのだ!まぁ、ステータスに表示されないのでどの程度上がっているのかは分からないが、これでネコミミサキュバス様に勝つる!……に違いない!……多分!めくるめく快楽の世界に落とし込んでくれるわっ!


「ネコミミサキュバス様というのはこの際置いておいて、その技能はいつからあったのですか?」

「うん?結構最初から称号という形で見つけていたんだけど、今までは効果が解らなくてね。最近ようやくわかったんだよ。」

「それは技能として認識しないと効果が出ないのですか?」


ジリジリとコリーナが接近してくる。俺はその分ジリジリと後退していく。


「いやぁ…、どうだろう?」

「では私の考えを聞いてもらえますか?」

「それは是非とも聞きたいねぇ…。」


背中を汗が伝う。何故だか嫌な予感がする。


「以前あなたにステータス等を調べて頂いたと思いますが、その時にあなたのステータス等も教えて頂いたのを覚えていますか?その時に称号についても教えて頂きましたよ。」

「えっ、そうだったかな?」

「はい、その時あなたに『コリーナは俺の嫁』という称号がある事も教えて頂いています。つまり…。」

「…つまり?」

「あなたは既に称号の恩恵を受けているのです!」


ババーンという効果音が聞こえてきそうな勢いでコリーナがポージングしている。ジョ◯ョ立ち?衝撃的にカワイイな、こんなん魂が持っていかれるわ。


「はっ!?ということは!?」

「そうです!これからずっと私のターン!!」

「えっ、ちょっ、アアァァァァァーーー!!」


いつかネコミミサキュバス様に勝てる日は来るのだろうか…。



〜〜〜〜〜〜コリーナ視点〜〜〜〜〜〜


 夕飯の仕度をしているとキャロが帰ってきました。何時もギリギリセーフですね。出来ればもう少しゆっくりしたいという気持ちも無くはないですが、食事の団欒は大切なので疎かにするわけにはいきません。まだ夜もありますしね。


「ただいま!」

「おかえりなさい、キャロ。」

「パパは?」

「疲れて寝ているわ。」


返り討ちにしましたからね。


「ふーん、なんかパパ疲れて寝るの最近多いね。」

「私もレベルアップしましたからね。」

「えっ?何?」

「何でもないですよ、そろそろご飯ができるから、パパを起こしてきてね。22号室で寝てるはずだから。」

「はーい、でもなんでパパは寝室で寝ないの?」

「お仕事の勉強で疲れちゃうんでしょうね。」

「ふーん?じゃあパパ起こしてくる!」


コウスケさんの指導の賜物により、生活魔法は一通り使えるようになりました。お陰で証拠隠滅がとてもお手軽になりました。キャロの言う通り寝室でも良いのかもしれませんね。

 そうです!セーフハウスは寝室の壁を厚く作って頂きましょう!とても良い考えです。早速夕食時にコウスケさんに伝えておくことにしましょう。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ