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異世界で再就職する羽目になったけど、潜水艦乗りは潰しが効かなくて困ってます。  作者: はんちょう
第1章 せっかく公務員に成れたのに、何だかブラックの匂いがする。
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第1話 ボクが自衛官になったワケ

 俺の名前は坂井 孝介。実家は広島県、本籍は長野県、住所は長崎県で一人暮らしと、正月の親戚集合では何かと面倒な家族構成をしている。


 大学生当時は超就職氷河期と呼ばれ、50社受けても内定無しとか当たり前の時代だった。100社受けたなんて話もチラホラ聞いていたし、その話を聞いても大して驚かない程度には就職難だった。今はそんな世代の事を【ロストジェネレーション】とか言うらしいけど、ロストとか言うなよ!切ないだろうが!

 大学の同級生には弁当屋に正社員で就職したら深夜から朝まで飯炊きをして、時間外手当を節約するために入社1週間で管理職に昇進なんて話もあった。アルバイトより収入が少ない幹部とか笑えてくるわ。それでも疲れ果てて給料使う余裕が無いから、年収が250万をちょっと超えたくらいの収入で、年間100万近く貯金出来たって笑ってた。どんな物件に住んで、どんな私生活してたんだよ…。メンタル強すぎだろ…。

 そんな社会情勢であったために、公務員は酷く倍率が高かった。それは最早笑うしかないくらいに。


 普通では経験出来ない様な人生を送りたいと思い、当初は警察官になろうと思っていた。警察官の試験は2段構成で、1次試験は学科試験、2次試験は面接と体力試験になっていた。変わり者と言われていた俺は面接官に志望動機を包み隠さず話したところ、

『もっとわかり易い動機はないのかな?』

『正直君は警察官向いてないよ。』

『県庁とか市役所を受験した方が良いと思うよ。』

等はまだ良い方で、

『今回はご縁が無いようだから、次回の為に面接の練習して行こうか!協力するよ?』

という、まだ結果集計してねーだろ!と言いたくなる様な扱いを受けた。まぁ、10回以上受けて結局どこの都道府県警も受からなかった訳だから、面接官に見る目があったという事なのかもしれないけど…。


 まぁ、要するに俺は変わり者で、変わった仕事がしたいと思っていて、就職氷河期真っ只中にも関わらず、その思いの丈を面接でぶちまけまくってた訳だ。そりゃ受からないよ…。


 そんなこんなでバイトをしながらフリーターと言う名の就職浪人を続けていたが、ある日テレビで海上自衛隊の海外派遣についてのニュース番組を見て、

「これだ!」

と思った。今になって思えば影響受け易い奴だなぁとは思うが、数年に亘る目処の立たない就職活動に疲れきっていたというのも少しはあったかもしれない。

 就職氷河期にあっても安定の不人気職場である海上自衛隊であったため、あれよあれよと言う間に採用が決まった。まぁ、中学卒業したら入隊資格がある試験に国立大学を卒業した人間が受験したわけだから、不採用だったら立ち直れなかったとは思うが…。


 そんなこんなでトントン拍子に採用が決まって調子に乗っていたのかもしれない、就職氷河期にも関わらず何故不人気職場だったのかについて特に考えることもなかった。

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