ノーリスクハイリターン
「働きたくねぇー!!」
「僕も激しく同意するよ。でも今は手を動かしてね」
「なあ、どうやったら働かずに生活できると思う?」
「さあ? 強いて言うなら宝くじでも当てて一獲千金するか、ハイリスクハイリターンを求めるしかないんじゃないかな?」
「宝くじ・・・よしっ! 買ってくるわ!」
「待て待て待て! 今は目の前の仕事に集中してくれ!」
「大丈夫大丈夫、こんなもん片手間でも余裕だって」
「はぁ、君の腕は信頼してるけど、君の脳は信頼出来ないからな・・・」
「そんな褒めんなって。照れるじゃんかよ」
「脳筋め」
「なんだインテリヤクザ眼鏡」
「くっ・・・不毛な争いはやめて仕事に集中するか」
「そうだな。にしてもハイリスクハイリターンな事って何があるよ?」
「そうだな。やはり代表的なのは賭博じゃないか? それと犯罪的行為だろう」
「ふーん。賭博に犯罪ね。確かにハイリスクだ」
「でも僕らの仕事はノーリスクだ」
「感謝してますよ参謀殿」
「はいはい。それで仕込みは終わったかい?」
「ああ、12時ジャストにショーの始まりだ」
「そういや、成功報酬ってどうなってんだ?」
「2億」
「なんだ時化てんな。それじゃ2人で分けたら1億円ぽっちかよ」
「いつから単位が円だと錯覚していた?」
「おまっ! まさか」
「そう。2億ジンバブエドルだ」
「1円にもならねぇじゃんか!」
「まあ冗談は置いといて。実際は2億ドルだ」
「おお!てことは分けて100億円か。割のいい仕事だな!」
「違う。1人2億ドルだ」
「マジかよ! とっ、丁度仕込みが終わったぜ」
「現時刻は11時42分45秒。45分ジャストに時計のタイミングを合わせるぞ」
「了解。にしても、俺らと同じようにすれば、誰でもリスクゼロで大金が手に入るのに、汗水流して働いてる奴らって頭悪いな」
「絶対に誰も君にだけはその台詞を言われたくないと思うよ。それにリスクゼロなのは僕が考えた計画があってこそだからね」
「まっ、俺らもこの仕事が引退だけどな。流石に2億ドルもあれば一生遊んで暮らせるわな」
「君のことだから才能無い癖に大好きなギャンブルで溶かしそうだけどね」
「はん! もし溶かしたらお前を呼んでまた仕事すればいいだろ」
「いや、僕は前回稼いだ4千万ドルも全部残ってるんだけど・・・」
「いいじゃんかよ。俺とお前の仲だろ?」
「脳筋の君の辞書には、親しき仲にも礼儀ありって言葉が内容だね」
「ああ、遠慮って言葉もねぇよ」
「おっと。そろそろ時間だな」
「ん?もうそんな時間か」
「これが君との最後の仕事だと僕は嬉しいよ」
「釣れないこと言うなよ。また一緒に組もうぜ!」
「はぁ・・・働きたくないって言ってたのはどの口やら・・・」
「明日の新聞の1面は俺らの話題でいただきだな」
「そうだな。よし、10秒前だ。行くぞ」
「「It’s Showtime!!」」
駄文を読んでくださいありがとうございます。
現在だとジンバブエドルに対し、逆にプレミア的な付加価値がついてるようなので、ちょっとした金額にはなるみたいですね。
それはそうと会話のみって凄く書きづらいんですよね(なんで書いてんだ)