最終話
大規模転移は成功した。
そして起こったことがある。
異世界が完全に切り離されたのだ。
聖女による異世界透視が全く出来なくなった。
マクシミリアンが行った大規模異世界転移魔法により時空間が断絶されたのだ。
勿論地球に残ったマクシミリアンはその事を知らない。
ただしそれを知ったところでマクシミリアンには何の影響もない。
帰郷出来ないのは変わらないのだから。
マクシミリアンは会社に帰ると手持ちの流動性資金を確認する。
ほぼすべて大規模転移の為に株を売り払い現金をつぎ込んだ。
残ったのは従者と自分のこれからの生活費のみというと寂しく感じるが、流石にゲーム関連企業だけは手元に残すマクシミリアンであった。
また従者も一生働かなくても良いくらいの資産を手にしており、レナなどのメイド達はヘビーメタルバンドの興行収入でウハウハだった。
皆に退職金として相当額を渡したマクシミリアン。
仕事も終わった。
遥達を送り出した以上今後の運命は変わらないと踏んだ。
私設軍事企業 銀翼の鷹も居なくなった今、どうやって地球の滅亡を止めるか考えるマクシミリアン。
従者一堂を見渡し話し始める。
「皆の者、今まで良く我に付き従って来てくれた。礼を言おう」
「有り難き御言葉でございます、伯爵様」
「うむ、そこでだ、これからは各自自由に生きて欲しいと思う。
グレッグ、そして銀翼の鷹パーティーメンバーも既にこの世にはいない。
この世界で20年、街の者共とも十二分に慣れ親しみ結婚をしたものもいる。
贅沢をしなければ普通に暮らせる資金も皆持っておる。
これ以上我に付き合うこともあるまい」
驚く従者たち。
「自由ですか伯爵様」
「そうだ、この国は貴族制度などない。今までが異常であったのだ。
その点に関しては皆に謝らねばならないと我は思っておる」
「しかし、我らはこれからどうすれば」
「気に病むでない、各々に合った職場を紹介出来よう。
これでも政府関係者、財界人、学術関係者に顔も効くのでな」
マクシミリアンはこれからやろうとすることに一緒に世界を越えて苦労した従者をこれ以上付き合わせられないと思っていた。
「恐れながら伯爵様」
「なんだ、ミランダ」
「伯爵様は私たちを、そしてこの星をお救いになられるおつもりですか」
「・・・」
「子供の頃より面倒を見てきたわたくしが分からないとお思いですか」
「これ以上は我の勝手な判断である・・・皆に苦労は」
従者全員がマクシミリアンの前に跪く。
「ぜひ我らに伯爵様のお手伝いをさせて頂けますよう、臥してお願い申しあげます」
マクシミリアンは顔を上に向ける。
リーダーはどんなときでも泣いてはならないと教育されていたのだ。
泣けば付いて来る者に不安を抱かせる。
マクシミリアンは顔をみんなに向けて笑いながら言う。
「よく言った皆の者。
我とともにこの世界を救おうではないか!」
遥はマクシミリアンの指示通り誰一人殺すことなく、また誰一人死ぬことなく世界を守り、持てる全ての科学技術力でセントリーブス王国を始め全ての国の国民を豊かにそして幸せに導いた。
全てを救う為に世界を変えた男、マクシミリアンは英雄となった。
だがその姿はセントリーブス王国のどこを見渡しても居ないのであった。
終わり。
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ここまでおつきあいしていただいた読者の皆様に感謝致します。
なにぶんはじめて小説を書いたので試行錯誤で読者様が読み終わってるのが分かっているにも関わらず矛盾点を後で直したりしており申し訳なく思っています。
本当にありがとう御座いました。




