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宣言

「ふー!終わった、終わった。今日は暑かっったー!」


レナがガバっとステージ衣装のメイド服を脱ぐ。


「日本は暑い、暑すぎるー!」


カトレアがステージ衣装のメイド服をソファーに投げる。


「お客さんも熱い人ばっかりで燃えたー!」


レミイヤが下着姿のままエアコンの吹出口の前で汗を拭う。


「あのさ!みんな、脱いだらきちんと仕舞おうよ」


アクセルがステージ衣装のメイド服を脱ぎ下着姿のまま、脱ぎ散らかされた3人の服をきちんとハンガーに掛けてファブリーズする。

別にアクセルがしなくても良いのだがメイドのサラが楽屋がだらしないと不機嫌になり、なぜかアクセルに文句を言うのだ。


ちなみにもうバンドメンバーを女として見ていないアクセル。


「流石、日本は違うね、お客さんの暴れっぷりが半端じゃなかったー!だけどさ、みんな」


サラがステージ衣装のメイド服をきちんと畳みながら言う。


「このままじゃ、あたし達いけないと思う!」


サラの顔は真剣だ。


「どうして、最高のバンドに最強のサウンド、熱いお客さん。なにが問題なの」


レナがミネラルウォーターを頭から振りかけながら問う。


アクセルがモップで床を拭く。


「もう、みんな気づいてると思ってたんだけど」


サラが缶ビールを喉に流し込みつつ皆んなを見渡して言った。


「なんかあったっけ」


レミイヤがビールを口から零しながらサラに問う。


アクセルがモップで拭く。


「この夏、イギリス、アメリカ、ブラジル、ドイツそして日本を回ってみんな気づいてたと思ってたんだけど」


サラは肩を竦めた。


「だからなんなのよ!」


イラッときたカトレアがビールを乱暴に喉に流し込む。


零れたビールをアクセルがモップで拭く。


「いいですか、私達のお客さんはどの国でも50歳から70歳じゃない!」


愕然とする3人、アクセルはモップで床を磨いている。


先が無い!


これから先はお客さんが冥土へ旅立つばかり。


メイドに見送られて冥土へGO!


多分、葬送曲はヘビーメタル。


みんな黙りこくる。


アクセルは空き缶に水を入れて中を綺麗にしてから潰している。


新規の、それもせめて二十代のお客さんを開拓しなければ先細りである。


「だめよ!私達はアイアン冥土、じゃなくってアイアンメイド!ヘビーメタルバンドなのよ!

軟弱でハートフルで永遠の10代が自転車に乗るような歌は歌えないし、今まで支持してくれたお客さんを裏切れない!」


「でも・・・」


「サラ、よく聞いて。私達の好きなヘビーメタルはもうクラシックだって分かってるわよね。

古いのよ、圧倒的に古いの、若い人が見向きもしないオールドスクールロックンロールなの。

でもね、私はそれが好きだし、売れるためにポップソングミュージシャンに変わろうとは思わない(ヘビーメタルが好きなだけ)。


ヘビーメタル(アニソン)が私を変えた(萌えから燃えへ)。

あなたたちも変わった(洗脳した)。

人は変わることが出来る、ヘビーメタルは人を変える事が出来る。

ヘビーメタルで、悲しみに暮れる人(会社で辛い思いをしてる中間管理職や取引先との関係に悩む自営業などなど)に勇気を与えられるなら良いことだと思う。

ヘビーメタルは怯える人を勇者(微妙な学力で資格試験や大学受験に挑む人)にだって変えられる。


今度は私達が、この世界(アイドルに頼る音楽業界)を(自分好みに)変えてやるのよ。

世界中の人達をメタラーにしてやろうじゃないの!」


『自分達が世界を変える』


アイアンメイドのメンバーを労おうと楽屋のドアをノックしかけたマクシミリアンは、聞こえてきたレナの宣言に胸を熱くした。








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