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刷り込み

遥とすっかり仲良くなった5人。


「姉さん、ユリア姉さん」


「なんだい、軟弱な弟よ」


ユリアは商店街をスケバン姿で練り歩く。


あとに続き歩く兄、弟、そして妹は正規の学生服に身を包み、どうしたらこの長女ユリアに普通の女子高校生になってもらえるか悩んでいた。



あの日、姉がいきなり遥に喧嘩を売った。


当然、教師が割って入り五人を連れて職員室に招く。


「だからータイマン張らなきゃダチにはなれねえって漫画に描いてあったんだよ!」


「どんな漫画を読めばそんな事描いて有るっていうんですか!」


「親父が持ってた漫画さ!イカした硬派な男がタイマンを張りながら仲間を増やしていく感動巨編だぜ!知らねえ方がおかしいんだよ。な、そうだよな、お前ら」


4人は目を姉に合わせようとしない。


日本に来たときから、どうもおかしい気がしていた4人。


ミランダさんというコーデル日本支社の社長から遥のボディーガードを引き受けた時、渡された学生服。


最初は父が持っていた漫画や母が持っていたファッション雑誌によくあったファッションだったのでそういうものかと思い言われたとおりにした。


初めての通学のときにハッキリと感じた。


これは絶対に違うと。


4人はすぐにコーデル社のミランダに報告した。


これでは絶対にボディーガード役は務まらないと。


ミランダはあまり納得はしていなかった。


5人が自分のボディーガードと知らされた遥がミランダに抗議したことによって通常の学生服が5人に手渡されたはずだった。


だがユリアは相変わらずスケバンである。


今更自分のポリシーを曲げる気もないし、気に入っていたのだスケバン姿の自分が。


憧れのスケバン○○。


自分で用意したヨーヨーに指なし手袋、渡されたスカートの長さに納得いかず更に長い丈のスケートを探し出す、ヨーヨーは自分で改造までした。


全てを少ないお小遣いをコツコツためたお金で買い揃えたのだ。


今更引くに引けない気持ちもある。


『あたいに文句あるなら、いつでも喧嘩を売ってきなってんだよ』


誰も喧嘩を売るものも居ない平和な街をユリアは肩を怒らして歩く。


一部の女子高校生の憧れのスケバンとなったユリアであった。






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