変化
まるで猫の取り合いのあげく婚約破棄、ボクシング世界一決定戦がなかったかのようにデューク王子とレイアの婚約が決まった。
まあ目出度い事ではあるがヤッパリ未練が残る魔王国国王であった。
せっかく綺麗な猫用の服や顔を可愛くひきたたせる為の立て髪ウィッグをもう着けてくれる猫がいない。
そもそもそういうまねをしなければ問題は発生しなかった訳だが。
『いいですか陛下、今陛下が着ている服の上からまた厚ぼったい服を着させられたらどういう気持ちになられるでしょうか』
マリアンヌは容赦が無い伯爵婦人である。
口喧嘩で負けボクシングの試合でも勝てなかった国王に何も言う事は出来ない。
それでも円満にものごとは進んでいったのでガマンする事にした。
ボクシングの試合が魔王国でも話題になり段々と試合が増えていき魔王国国王の姿を見かけなくなるようになった。
今ではデューク王子が実質的に国を取り仕切っている。
魔王国はコーデル社の力を見くびらず分析した結果、戦争になれば魔法など全く相手にならないと判断力した。
またスポーツや各種娯楽、コーデル社のもたらした革新的な技術により生活が安定し豊かになった事で魔法自体の価値が薄れていった。
魔力よりも多くの国民を豊かに出来る技術に次第に重点が置かれるようになり、また個々人のもつ魅力で人付き合いが成されるようになっていった。
それでも猫がいないのが寂しい国王であった。
よくよく考えてもうちの猫だったんじゃないのかと。
子猫が生まれたら一番に伝えるように近いうちに息子の嫁になってくれるレイアにお願いしてある。
絶対にマクシミリアン・コーデル伯爵婦人にお願いする気は無いのである。
それにしてもなんだかなっとくできない国王。であった。




