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帰国

「こ、こ、国王様」


思わずジャックが跪こうとするのを必死に止める国王。


「いいかジャック、今の俺は国王でも何でもねえ。オメーのトレーナーの親父、ただのボクシングが好きな親父。そうだな!」


コクコクと頷くジャック。


「ジャック、ここで俺たちは世界一に成る。成ってブラキュア中にボクシングを広める。だから負けちゃあいけねーんだ」


もうすっかり猫の事を忘れている国王。熱い男である。


ゆっくりと大きく息をするジャック。


そうだ、魔力が少なくともここじゃあオレはヒーローに成れるんだ。


勝てばブラキュアでも馬鹿にされる事も無くなるかもしれない。


弟妹にもカッコいい兄貴っていってほしいもんな。


最終ラウンドのゴングが鳴らされる。


ジャックの腕はもう垂れ下がったままだ。


顔は腫れ上がりまぶたから血が滲む。


「苦しいのは相手だって同じはずだ!いいかジャック、ここで勝つんだ!勝ってくれジャック!勝って帰るんだ!ジャーーーーーーック!」


国王の声も興奮した観客の声援でかき消える。


ジャックの耳にはもう何も聞こえない。


静寂が二人のボクサーを包む。


リックスのジャブが立て続けにジャックの顔面を捉える。


半身を逸らし力を逃がす。


ストレートは繰り出せない。もうガードで精一杯なのだ。


ヨロヨロ力無くガードしながらクリンチの体制に持って行く。


レフェリーが二人のボクサーを引き剥がす。


「ファイト!」


リックスの動きがおかしい、ヤッパリあの時のストレートが効いてるのかとジャックは思う。


その瞬間、リックスが一気に間を詰めてくる。


背中を丸めたジャックの横面にフックが強烈に決まる。


ジャックの体が沈む・・・ジャックを見下し勝利を確信するリックスの顔。


ジャックは最後の力を振り絞り右腕を振り上げリックスのアゴに打ち込んだ。


そこで意識が途切れ気がついたら医務室のベッドで横たわっていた。


「親父っさん、俺」


「よくやったジャック、お前が俺の中では勝者だ」


そうか負けたんだとジャックは俯く。


泣きながら国王がジャックの体を抱きしめる。


ダブルノックダウンだった。


ジャックは判定負け。


「ヒーローには成れなかったか」


「ばかいってんじゃねー!聞こえるかあの歓声が!お前は最高のヒーローだ!」



試合が終わってジャックは国に帰る。


いつものように仕事をして終わればジムにいって練習。


時たま親父っさんがやってきて今後の話をしていく。


なんだかスラム街の連中が少し胸を張っているような気がしたジャックだった。







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