寛ぎ
草木一本無いはずの砂漠に数多くの建物が建っていた。
「給水班の進行状況は」
「淡水化処理が終わり給水車両に詰め込み完了の報告が上がっております、水が底を突く事もないかと」
「食糧は足りてるか」
「問題有りません」
「健康状態はどうか」
車や人が走り回りヘリから荷物が下ろされる。
建物の向こうに巨大なモノが見える。
「将軍閣下あれが僕たちの地上戦艦です、主に平地で活用されます」
カーク将軍は180度機械や建物や何か分からないもので覆い尽くされた砂漠を見て溜め息をつく。
「あのプレハブ2階建ての建物一つに捕虜200人収容しております。これが300棟、各々生活に支障がないようトイレ、風呂、食堂が備わり空調も調えられています」
遥の指示で女性の兵士がセントリーブスからきたVIPを捕虜収容所に案内する。
「狭いですが一人一人個室となっており収容所内の移動は自由です。2日毎に屋外でスポーツが楽しめるようにはなっています」
使われていない部屋のドアを開けると日本基準で6畳あった。ベットに机、小さな冷蔵庫、モニターにテレビゲーム、電気ポットが揃えられた清潔な部屋であった。
食堂に行くと敵兵士たちが緩い服装で思い思いに寛ぎ大きなモニターに写し出される映像を見ていた。
色々な障害物を乗り越えゴールを目指す動画だった。
笑い声やら声援、応援していた出演者が障害物を乗り越えられないとがっかりしていた。
「飲み物は飲み放題ですがアルコール類は週に1度の提供となっております」
各自にオレンジジュースや炭酸水が配られる。
その間だれもセントリーブス一行を気にするものなど居ない。
モニターに釘付けになる者、テーブルゲームに熱中する者、ただ眠っている者。
「旨いなこれは」
「うむ、この泡のはじける飲み物は聖公国で飲んだことがある。かなりの出費だったが」
女性兵士が各々にトレイを手渡し食堂の給食を受け取るように案内。
「好きなものを頼んで良いのか」
「ご自由に注文なさってください、ただし食べきれる量でお願いします」
全員がテーブルに着き食事を始める。
「何故この様に美味いものを捕虜に与える必要があるのかのー」
「こういう所では食事位しか楽しみが有りませんので」
とてもそうは思えない一行であった。
その後は巨大な浴場、運動場を案内される。
「砂漠に国が出来たようじゃ」
「これをたった7日で」
時折オアシスが見えたが地下水を汲み上げて作った人口オアシスと説明された。
「遥支社長がブリーフィングルームでみなさまをお待ちしているようですのでバスに乗車をお願いいたします」
もうなにがなんだか分からないセントリーブス一行であった。




