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春雪  作者: mimuka
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4

「はあ…」


思わず吐いたため息が、白くなった。


…思った以上に、空気が冷たいみたい。


そう思うと、わたしの心まで暗くなってくる。


「寒い?」


「ん~、ちょっと。雨あがったら、あったかい飲み物でも飲もうか?」


そろそろ顔も冷えてきた頃なので、顔をあげようとしたら…いきなり彼に抱き締められた。


「えっ、えっ?」


突然のことにワタワタしていると、力を込めて抱き締められた。


「…これなら、寒くないだろ?」


「さっ寒くはないけど…」


そこで気付いた。


彼の心臓、強く高鳴っていることに。


つられてわたしの心臓まで、痛いぐらいに高鳴る。


そうして彼がわたしを抱き締めたまま、時間が過ぎ、気付けば雨はやみ始めていた。


…こうなると、雨は降り続いてほしかった。


「あっありがと。もう大丈夫だから」


それでも―雪は降らない。


わたしは彼の胸を押して、半ば強引に離れた。


「あっ、うん…」


本当は気付いていた。


彼がわたしを思う気持ちに…。


彼が自覚する前から、気付いてしまっていた。


だからわたしの方から、言い出さなくちゃいけないのに…。


…グダグダだなぁ。


天気は味方をしてくれないし。


気持ちは踏み切れないし。


やっぱり…自然消滅なのかな。


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