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春雪  作者: mimuka
3/5

3

ポツッ…


でもふと、顔に冷たい雫が触れた。


もしかして…。


空を見上げると、雨の粒が次々と落ちてきた。


「ウソッ!? 雨降ってきた?」


「そうみたい。場所、移動しよう」


彼は上着を脱いで、わたしの頭にかぶせてくれた。


そして腕を掴んで、大きな桜の木の下に連れて来てくれた。


…こういうことをアッサリとしてしまうところが、何気なくときめいてしまう。


実際、顔は熱くなっているし、鼓動も早くなってしまった。


「通り雨だと良いな」


「うっうん…」


「寒くない? 花冷えしそうだな」


「だっ大丈夫」


彼の上着で顔を隠しながら、答える。


真っ赤に染まった顔を見られたら、告白もない。


一発で、バレてしまう。


しばらく2人黙って、そこに立っていた。


雨のせいか、周囲に人気の気配はない。


…雨じゃなく、雪だったら良かったのになぁ。


桜が満開になる頃、あたたかな空気の中、降る雪は何故か心あたたかくなる。


桜の花びらと共に待って、幻想的なあの風景がとても好きだった。


その時、風は少し強めの方が良い。


雪と桜の花びらの白さが、見分けつかなくぐらい舞い散るのが、美しいから。


…でも今は無風、しかも冷たい雨。


コレは何か? 


告白なんて考えるだけムダだと、天が言っているのだろうか?


やっぱり彼はわたしのことを、ただの友達としか見てくれていないということかな?


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