表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
春雪  作者: mimuka
1/5

春に降る雪

わたしの住む地域では時々、春でも雪が降る。


それはほんの短い間のことだけど、嬉しく思える瞬間でもあった。


でも近年ではあまり降らず、さみしく思っていた。


高校生活も終わりに近付いてきて、わたしは別れの季節を迎えようとしていた。


…だからだろうか?


いつもは引っ込み思案のわたしは、決心した。


もし今年の春、雪が降ったら―彼に告白しよう、と。


彼とは高校一年の頃から、同じ図書委員だった。


好きな本の種類が似ていて、よく話をした。


時々だけど、2人だけで出かけたりもしていた。


お互い口には出さなかったけれど、多分…両想いなんだと思う。


彼もわたしも引っ込み思案なところがあるから、はっきりとしたことは言えないケド…。


でも、多分、そう!…だと思う。


…ううっ。自信が無い。


3年間も側にいて、恋人未満友達以上の関係は結構辛い。


でもハッキリしたかったけれど、万が一、ピリオドを打たれたらキツイ…。


そんな思いでズルズルと3年間過ごしてしまった。


けれどこの春、お互い別の進路に進んでしまう。


わたしは専門学校に。


彼は大学に。


そうなれば彼との交流も自然消滅しそうで、イヤだ。


だから決心した。


もし今年の春、雪が一瞬でも降ったら、彼に告白しようと。


降らなかったら…きっと縁はなかったんだと、諦めることも決意した。


運を天に任せる、と言うのもアレかもしれないけど、こうでもしなければ勇気が出ない。


高校の卒業式では、雪は降らなかった。


あとはお互いの入学式までが、勝負だ。


入学式の後に降っても、告白はしない。


それだけは心に決めていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ