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あえて僕はモテないようにする  作者: 色落りん
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妹の友達

ハル「今のバンドすごかったね〜!」


ショウタ「いや〜軽音部中々やるね〜」


休憩時間にお馴染みの3人と体育館で軽音部の演奏を見終わったところ。

二人の言う通り確かに素晴らしい演奏だった。


ショウタ「この後どうする?」


ハル「さっきたこ焼き売ってるところあったから買いに行かない?」


鳴「私はハルについてくわ。」


ショウタ「俺も良いよ!冷は?」


冷「良いよ。」


ハル「よし!じゃあ行こう!」


一々僕に聞かなくても良いのに。

大体僕が否定したところで宮本さんが何か言ってくるわけだし。

ただ一つ問題なのがばったり朱里と会ってしまわないかだ。

宮本さんと朱里は一度会ったことあるし厄介。

色々と面倒なことになる。

あ、でも待てよ…?

朱里は確かスタンプカードを買っていた。

そしてその時受付にいたのがおそらく宮本さんと星乃さん。

ならもう会ったのか?

でも宮本さんは別に何も言ってこないし朱里も何も言ってなかった。

まあ会っていようが会ってなかろうが僕に何も言ってこないのなら別にいっか。


「お兄ちゃん!」


ん?この声は…

冷「あ、リナ。」


リナ「お兄ちゃんの高校来ちゃった!」


冷「そっか。」

いやいや、何で妹のリナまで文化祭に来てるんだ?

確かに家で文化祭について色々聞かれたけどまさか来るとは…

別に来ても構わないんだけど、家にいる時の感じで来られると困るっていうか…

流石に学校で普段のような感じで妹と接するのはちょっと…

ここで「お兄ちゃん大好き!♡」とか言われたら流石にこの僕も恥ずかしい。


ショウタ「お〜!リナちゃん来てたのか!」


リナ「ショウタさん、こんにちは。」


鳴「久しぶりね。リナちゃん。」


リナ「あ、久しぶりですね。ってかまだお兄ちゃんの周りうろついてるんですか?」


鳴「そうよ。」


リナ「は?何でですか?やめてくれます?」


鳴「やめないし、あなたに言われる権限はないわ。」


リナ「は?」


鳴「は?」


うわうわうわうわぁ…

また始まったよぉ。

宮本さん対リナ。

何でまたこうなるかなぁ…

宮本さんも高校生なんだから中2の言ってることなんて無視すれば良いのに。

ってか完全に宮本さんわざとだろ。

こりゃあまた長くなる気がする。


ショウタ「またあの二人言い合い始まったよ〜」


ハル「冷君、止めなくて良いの?」


冷「止めたくても止めれません。」


ショウタ「ハルさ、俺らの代わりに止めて来てくれない?」


ハル「え?あたし?無理だよ〜あたしなんかじゃ〜」


でしょうね。

こうなったら待つしかないんだよ。

二人とも怖いし。


「あの、あなたがリナのお兄さんですか?」


冷「はい、そうですけど?」

ん?誰だこの子?


「そうですか。初めまして。私、リナちゃんの同級生の汐留フミカと申します。」


冷「あ、これはどうも。僕はリナの兄の冷です。こちらこそ初めまして。」


フミカ「はい。いつもリナちゃんにお世話になってます。」


冷「あ、わざわざどうも。」

リナの友達かぁ。

初めて会ったな。

流石にあのブラコンでも学校では普通に友達いるよな。

それにしても友達のフミカちゃんはリナとは真逆の感じで大人しいし礼儀正しい。

言葉も丁寧だし。

とてもリナと同い年には見えない。

っていうか宮本さんよりも大人っぽいかもしれない…


フミカ「ところでリナちゃん誰かと言い合ってますけど止めなくて良いんですか?」


冷「あれは気にしなくて良いよ。」


フミカ「そうですか。あのお兄さん。」


冷「何?」


フミカ「ちょっと質問があるんですけど、お兄さんってリナちゃんと兄弟でもあり恋人同士でもあるんですか?」


ハル「えっ?」


ショウタ「恋人?」


冷「はい!?」


ショウタ「冷、まさかリナちゃんと禁断の愛!?」


冷「え?は?いやいや違うわ。」


フミカ「違うんですか?」


冷「違うって。大体何でそんなこと聞くの?」


フミカ「いや、実はリナちゃんが毎日のようにお兄さんが恋人同然みたいなこと言って来るので、それで一応確認のために聞きました。」


冷「あ、そう…」

リナ何友達にデマ流してるんだよ。

確かに家では周りが引くほどイチャついてるけど、それは家の中だけであって二人だけの秘密のつもりでやってるわけで…

恋人同士とか勝手に周りに言いふらされては困る。

まあリナは可愛いしつい犯したくなるけど…

それに兄妹って言っても義理だし…


フミカ「では別に兄妹での禁断の愛はしてないということですね。」


冷「もちろん。」


フミカ「分かりました。確認出来て少しホッとしました。」


冷「それはどうも。」


フミカ「あ、ということはもしかしてそこにいるピンクの髪をした方がお兄さんの彼女さんですか?」


ハル「えっ!?あたし?」


フミカ「違うんですか?」


ハル「あ…あたしはただの同級生だよ。」


フミカ「そうですか。それにしては少し動揺してますね。もしかしてお兄さんのこと好きなんですか?」


ハル「えっ!いや…あたしは別に…」


だから星乃さんバレバレだって。


フミカ「まあ私が聞くことではありませんね。失礼しました。」


それにしても礼儀正しすぎるというか、変わった子だな。

ちょっとだけ雰囲気が宮本さんに似てるかも。

まあリナと仲良いからわざわざ文化祭に来たんだろうし、僕がどうこう言うことではないな。


その後僕らは宮本さんとリナの口論が終わるのを待ち、そしてリナとフミカちゃんも一緒に回ることになった。

僕入れて合計6人。

正直多いと感じたが、多いと感じるたびになぜか渚の顔が頭に浮かんで来ていた。

僕には関係のないことだと分かっていても、どうやら心のどこかで渚を心配している自分がいるらしい。

ぼっちで一緒に文化祭を回る友達がいない渚。

もちろん本人から言われたわけではないから100%決まりではないけど、それでも気になってしまう。

気になったところで行動に移さなければ渚にとっては何の意味もない。

だから僕はモテないために行動しないのだ。


そして夜になり、いよいよ花火が始まる。

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