僕は見てることしか出来ない
渚と朱里…
嫌な予感しかしない…
朱里「久しぶりだね渚。元気だった?」
渚「うん、一応。ってか何しに来たの?」
朱里「そりゃあ、もちろん文化祭を楽しむためでしょ。それとも何?別の用で来たと思った?」
渚「いや別に。ただ聞いただけ。じゃあ私はこれで。じゃあね。」
朱里「ちょっと渚、何逃げてんの?」
渚「は?別に逃げてないけど?」
朱里「そう?ってか思ったんだけどさ、渚って友達いないの〜?」
渚「は?いるけど?」
朱里「ほんと〜?だって今一人だし〜その手に持ってるのスタンプカードでしょ?まさか一人で回ってるとかじゃないよね?」
渚「あんたには関係ないから。じゃあね。」
朱里「いやいや渚、何また逃げてんの?いないんでしょ友達?ってかもしかしてクラスでぼっちとか?ぼっち!?ちょっ、ウケるんだけど〜」
いやどうした朱里。
確かに渚のこと嫌いなのは分かるけど、すごい言いようっていうか…
この二人の関係は相当悪いのは今になっても変わらないみたい。
そしてもし渚が本当にクラスでぼっちなら朱里の言ってることは渚の心に刺さりまくってるはず。
渚大丈夫か?
朱里「あれれ?もしかして図星?黙っちゃった?ごめん〜渚〜。良いよ、何か言いなよ。ね?言って良いよ?ぼっち。ほら何か言いなよぼっち。」
渚「うるさい…」
朱里「あれ?なんか言った?ちょっと聞こえなかったんだけど。ってか今まで友達いると思ってた?渚に?いるわけないじゃん、ウケるわ〜」
渚「だから…うるさいって…」
朱里「あ?聞こえねーよ。おいぼっち、もっと大きい声で言えよ。おーいぼっち〜」
渚「…」
朱里「あれ?また黙っちゃった?ってか渚自覚ないと思うから言うけど、誰も渚となんか友達に…」
直樹「やめろ朱里。言い過ぎだぞ。渚ちゃん大丈…あ…走って言っちゃった…」
流石に直樹が止めに入ったか。
おそらくあれ以上言ってたら渚の精神状態はやばかっただろう。
それにしても朱里は怖い女だ。
今ので相当嫌ってたのが伝わって来たし、もし二人の関係が僕が原因だったら人事ではないな。
朱里「あ〜行っちゃった…まあいっか。あれ?二人ともどうしたの?ちょっと暗いけど?折角の文化祭なんだからもっと楽しく行こうよ!」
朱里正気かよ。
今のやりとり見て暗くならないわけがないだろ。
ってか走って行ってしまったけど、渚大丈夫なんだろうか?
でも朱里の言ってた通り、渚ってクラスではぼっち…?
確かに今まで友達といるところ見たことないな。
直樹「じゃあ俺達スタンプ集めてくるわ!冷またな!」
朱里「また後でね!」
冷「二人ともバイバイ。」
何だろう…
朱里の渚とのやり取りに恐怖を感じてしまった。
朱里は元々別に性格が良かったわけではないし、あのような言動を取るのは想定出来たと言えば想定出来たかもしれないけど…
それでも…怖い…
本当に一体渚と何があったんだろう?
それに渚は朱里に言い返さなかった。
「うるさい」みたいなことは小さな声で言ってたけど、渚ならもっと言い返せたはず。
もしかして渚が朱里に悪いことしたのか?
渚と朱里両方と特別な関係を持ったことあるのはおそらく僕だけ。
この二人の仲の悪さは僕が原因なのかもしれないけどやっぱり思い出せない。
でもまあいっか。
そもそもあの二人は僕に対して何も言ってこないし。
もし言って来たら、その時考えよう。