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あえて僕はモテないようにする  作者: 色落りん
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スタンプ係という仕事

慶太が提案したスタンプラリーは聞いたところによるとよく出来ている。

2組のクラス前でスタンプカードが1枚200円で販売され、購入者はそのスタンプカードに記されているヒントを頼りにスタンプを集める仕組みだ。

スタンプの数によってもらえる景品が変わってくる。

安いお菓子からゲームのソフト、有名アーティストのコンサートチケットなど幅広いラインナップになっている。

しかし慶太が言うには全部集めるのはほぼ不可能らしい。

おそらくそのヒントが難しいかスタンプを持っている人を見つける事が出来ないか。

スタンプカードも全部が全く一緒ではなく20種類ぐらい用意されているらしい。

それにヒントもただのヒントではないとのこと。

例えば数字を使ったトリック系ヒントだったりある程度知識がないと解けないヒント。

スタンプカードを見たところ簡単には解けないと僕は思う。

僕からすればまさかここまで手が込んでいたとは思わなかった。

2組の生徒はスタンプカードを購入出来ないため遊ぶことはないけど、もし出来たら少し楽しめそうかもしれない。

さっきも言ったがヒントが工夫されているこのスタンプカード。

どのヒントも工夫されているのに、なぜ…

本当になぜ…

僕が担当するスタンプのヒントだけ「校内一のイケメン。」になっているんだよ。

ほんと何で?

手抜きすぎだろ。

しかも他の人は何かしらの衣装やコスプレ来たりしているのに何で僕だけ何も用意なし。

慶太が言うにはただウロウロしてれば良いらしいけど。

大体僕が休憩時間に入ってる時は誰が僕の代わりになるの?

クラスに僕レベルのイケメンなんていないだろ。

僕だけずっと働いてろってか?

別に嫌ではないけどちょっと扱い酷くない?


慶太「冷、じゃあ適当によろしくね!」


冷「うん…」


鳴「あなたちゃんとやりなさいよ。」


ハル「冷君頑張ってね!」


冷「はい…」

宮本さんと星乃さんは受付か。

さっきのステージ発表で全校に顔が知られてアイドル的存在になった星乃さん目当てで来る人いるだろうなきっと。

そして来た人は驚くだろう隣に同レベルの可愛さを持つ子がいることを。

まあ星乃さんとは違い愛想はなく口が悪いからみんな変に思うだろうけど。

とりあえず僕は適当に校内を歩くか。

他のクラスがどんな出し物をやってるか気になるし。


生徒A「スタンプカード1枚下さい!」


ハル「200円になりま〜す!」


生徒A「はい。君ってさっきファッションショー出てたよね?名前なんて言うの?」


ハル「あ、えーっと星乃ハルです。」


生徒A「ハルちゃんか!よろしくね。俺の名前は…」


鳴「あの、すみません。次の人が待っているので。」


生徒A「あ、ごめん。じゃあまたねハルちゃん。」


鳴「ハル、次から名前言わなくていいわ。全員ろくでなしのゴミ以下だし。」


ハル「えっ、あ、うん。でも良い人そうだったよ?」


鳴「あれはゴミね。完全にハル目当てで来た客よ。」


ハル「そ…そうなんだ…」


生徒B「あの、スタンプカード下さい。」


ハル「あ、200円になりま〜す。」


生徒B「君さっきファッショ…」


鳴「あの、スタンプカード買ったらさっさとどっか行ってもらいます?」


ハル「ちょ…鳴…」


生徒B「あ、すみません。」


ハル「鳴、今のは酷いよ〜」


鳴「いいのよ別に。あれもゴミだったし。」


その後も星乃ハルに言い寄る男子を宮本鳴が片っ端から追いやるのであった。


ーーー


優子「ハルすごい人気だね。」


上野「そりゃあハル可愛いもん。」


優子「でもハルはまだ三上君に告白するとか決めてないんじゃない?ゆっきー明日がチャンスだからね!」


上野「本当に告白しないとダメ〜?」


優子「今更何言ってんのよ。このチャンス逃したらゆっきーいつするの?ハルに取られちゃうよ?」


上野「そうだけど…」


優子「大丈夫。ゆっきーも負けないぐらい可愛いから。」


上野「そんなことないって〜」


優子「それでゆっきーは告白する言葉決めたの?」


上野「全然決めてないって〜」


優子「まあ明日までに決めればいっか。ポイントは伝えたいことはちゃんと目を見て伝えることだね。」


上野「言いたいことって…」


優子「ほら、ゆっきーが三上君に伝えたいことさ〜。あるでしょ?」


上野「えーっと…三上君のことが好き…かな?」


優子「いや〜良いね〜!青春だね〜」


上野「すごい恥ずかしいんだけど…」


優子「まあゆっきーなら大丈夫でしょう!ちゃんと二人きりになれるシチュエーション作ってあげるから安心して!あ、もちろん花火の時ね!」


上野「ありがとう…」


ーーーーー


もう始まってから1時間ぐらいするが誰一人としてスタンプをもらいに来ないんだけど…

一通り校内を一周したけど何でだ?

もしかしてヒントが逆にシンプルすぎて難しいとか?

確かに特に何も特別な衣装とか着てないから逆に難しいかもしれない。

それとも僕よりもイケメンがこの学校にいるとか?

上級生に隠れたイケメンとかいたりしてそれと勘違いされてるとか。

まあ別に来て欲しいわけではないけど、なんか少し悲しいというか意味ない仕事だなというか。


渚「ちょっとあんた。」


冷「あ、渚。何か用?」


渚「はい、これ。」


冷「あ、スタンプカード。よく分かったね僕だって。」


渚「は?たまたまだし。この学校イケメン少ないだけだから。」


冷「そう。はいスタンプ。」


渚「ありがと…」


冷「ちなみに渚が一人目。」


渚「ほら!みんなあんたのことなんかイケメンなんて思ってないんだよ!」


冷「そうらしいね。」


渚「は?何その反応!意味分かんない。」


冷「はいはい。」


渚「っていうかあんたその仕事いつ終わんの?」


冷「あと1時間したら教室に戻る。」


渚「そう。あんたってさ…誰かと回る予定あんの?」


冷「うん。」


渚「あっそう。誰と?」


冷「ショウタと星乃さんと宮本さん。」


渚「そう。ほんとあんたあの二人と仲良しなんだね。」


冷「まあそうかもしれない。」


渚「あっそ。」


冷「はいはい。」


渚「もういい!あんたじゃあね。」


冷「バイバイ渚。」


ってか渚一人で来たけど一緒に回る友達いないのか?

まあ僕には関係無いか。

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