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あえて僕はモテないようにする  作者: 色落りん
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重い足で登校

火曜日。


今日ほど学校に行きたくない日はない。

昨日の出来事を考えれば当然そうなる。

行きたくない理由はおそらく教室に入った瞬間に皆の会話が一瞬止まり、そして僕の陰口が始まるのを容易に想像出来てしまうからだ。

そして文化祭準備期間中というのもあり、他の人と話す機会が増える。

そうなると毎回毎回僕と話す度に少し怯えた様子になるのも想像出来てしまう。

結果的にモテなくなったと考えれば好都合ではあるが、男子からも避けられるとなるとやはりどこか心が痛む。

昨日の様子からして星乃さんと宮本さんもいつもと違う態度になるだろう。

もしかしたら今日から駅で僕を待つことがなくなるかもしれない。

僕が頼んでいるわけではなくあの二人が勝手にやっていることだから別に無くなっても良いのだけれど。

ショウタはいつも通り振舞ってくれそうな気がする。

逆にショウタも様子が変だったらいよいよ僕はぼっちになる覚悟をしなければならない。

電車でそんなことを考えながら如月駅に着いた。


ハル「冷君おっはー!」


鳴「あなたおはよう。」


冷「おはようございます。」

いつも通り待っていた二人。

そしていつもと変わらない二人。

星乃さんが頑張って明るいキャラを作っているのは知ってるけど、それでもあの笑顔で明るい挨拶は中々出来ない。

そういえば前もこんなことあったな。

何の時だっけか?

確か…

えーっと…

あ、思い出した。

渚と星乃さんが初めて会った時だ。

確か渚が僕に女友達がいないとか言ってそれで星乃さんが落ち込んで先に帰ったっけか。

あの時も次会った時は今みたいに明るいいつもの星乃さんだったな。

結局あの時落ち込んでた理由は女友達とかじゃなくて、僕と渚が仲良さそうにしてたことが原因だったはず。

それにしても星乃さんの切り替えようはすごいな。

もしかして昨日の夜も宮本さんとLINEか何かで相談したのか?

いや、間違いなくしたな。

宮本さんが星乃さんの恋を応援してる以上、僕関連に何かがあった時は連絡を取るはずだ。

そういえば昨日、僕にも宮本さんからLINEが来たな。

内容は確か…


宮本鳴:今日のことは全て忘れなさい。私も忘れるから。


一応「はい。」って返したが、忘れられるわけがないだろ。

おそらく一生忘れない気がする。

それとも忘れて欲しいのはあの宮本さんの態度か?

下を向きながら最後は走って行ったあの様子。

ちょっと泣いていたはず。

あれも忘れられるわけがない。

あの宮本さんがあの態度なんて貴重すぎて動画に収めたいぐらいだ。

もう一回ちゃんと見たら絶対可愛いと思うし。


ハル「それでさ〜、あれ?冷君大丈夫?」


冷「はい?」


ハル「なんかぼーっとしてたけど?」


冷「大丈夫ですよ。」


ハル「無理しないでね〜」


ぼーっとしてる風に見えたのか。

まあさっきからずっと昨日のことについて考えてるし、二人の会話なんて聞いてる余裕はない。

それにどんどん学校が近づいて来る。

分かってる。

教室入った瞬間の周りの様子は何度も頭の中でシミュレーション済みだ。

僕は教室に入ってただ自分の席に座れば良い。

なんか入学式を思い出す。

でもあの時はイケメンということで注目されるからだったわけで、今回は昨日の出来事のせいで注目される。

まあ今更ビビっても仕方ない。

誰かが襲って来るわけではないし。


ハル「おっはー!」


元気よく教室に入る星乃さん。

目の前には教室。

さて僕も入るか…

教室の前で立ち止まってては逆に目立つ。

いつもより多めに心を無にして入るか…


ショウタ「冷、おはよう!」


冷「おはようショウタ。」

良かった。ショウタはいつも通りだ。


上野「三上君おはよう…」


冷「上野さんおはようございます。」

上野さんもいつも通り。

なんだ、みんないつも通りじゃないか。

そして何人かは少し僕の方を気にかけてはいるが、思ってたほどではない。

陰口を言ってる様子は見えないし。

大げさにシミュレーションして良かった。

なんか今になって気が楽になった。

これからは…


高松「あの三上君…ちょっと良いかな…?」


あ、高校デビュー高松…

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