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あえて僕はモテないようにする  作者: 色落りん
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後悔と宮本さん

教室を完全に冷たい感じの悪い空気にしてしまった僕は、その後何がクラスで決まったか、何をこれからすることになったか、なんて何も覚えてない。

あの時味わったクラス全員からの視線。

少し聞こえて来たヒソヒソ話。

喋り終えた瞬間に味わった後悔。

なぜ言ってしまったのか?

なぜ冷静になれなかったのか?

別に感情的に喋ったわけではない。

むしろ言ってる時は冷静な口調だったはず。

ならなぜ高校デビュー高松達のことまで言ってしまったのか?

「やりません。」の一言で済んだはずだ。

おそらく今まであいつらに対する不満が溜まってたからだろう。

それにショウタが困っていたから助けると言う意味で代わりに言ったのに結局ショウタを困らせてしまった。

あの後ショウタがどのようにクラスの話し合いを進めたのか記憶にない。

僕はずっと自分が取ってしまった言動を繰り返し頭の中で再生していた。

これ以上のない後悔。

もしこれが結果的にモテないことへ繋がった場合、この言動は良かったのかもしれない。

でも本当に良いのか?

クラスのみんなは思ったはず、「三上君って怖い」「自分もあんな風に悪く思われてたらどうしよう」って。

普段無口な人から出てくる本音は驚いてしまうしそして怖いと感じてしまう。

中学の頃にそういう奴がいて僕も怖いと思った。

今は冷静に自分が起こした言動と自分の状況を理解出来ている。

一つ分からないのは星乃さんと宮本さんがどう思っているかだ。

別に僕は女の子に対して鈍感なわけではない、むしろ鋭い。

だが、これは僕でも分からない。

隣の席にいた星乃さんは僕に話しかけることなく、昼休みは宮本さんとずっと話していた。

その宮本さんは星乃さんの席でお弁当を食べに来ていたが、僕に話しかけることはなかった。

これは二人に嫌われた可能性もあるな。

結果的にはそれで良いのかもしれないけど。

まあそれを今から宮本さんと二人きりで下校するからその時に宮本さんから何か言ってくるかもしれない。

宮本さんならストレートに言ってくれそうだし。


鳴「あなたにしては珍しいことをしたわね。」


冷「自分でもそう思ってます。」


鳴「でも別に気にすることはないわ。あなたは間違っていない。それはクラスにいた高松君達以外の人なら分かるはずよ。」


冷「そうですか。」


鳴「でも…それをあなたが言う必要はなかったわ。」


冷「いや…」


鳴「分かってる。あなたが景品になれと言われてたから言ったんでしょ?分かってる。分かってるけど、それでもあなたには黙っていて欲しかった。」


冷「そうですか…」

どういう意味なんだろうか?


鳴「あなたは正論を言った。高松君達はうるさかったしあなたを勝手に景品にしようとして盛り上がっていた。だからあなたの言い分は正論。だけど…クラスの雰囲気はなぜかあなたが悪いみたいな感じだった。まるであなたが何かをやらかしたみたいに。それは多分あなたが初めてクラスの前であんなに話したから、それも自分から。だから変な空気になっていたんだと私は思う。」


僕も宮本さんと同意見だ。

だからと言ってなぜ僕に黙って欲しかったんだ?

無口キャラを貫き通して欲しかったとか?


鳴「あなたは正論を言ったはずなのにそれ以上にあなたが自分の意見を言い出したことがクラスのみんなに取っては衝撃的だった。そのせいでみんなの話題はあなたばっかり。あなたは知らないと思うけど、昼休みのほとんどの人があなたについて話してたわ。」


やっぱりそうか。

まあ陰口なんて中学の頃はよくあったっけ。

男子からの嫉妬という名の陰口。

あ、でも今回は違うか。


鳴「三上君っていう言葉だけ聞こえて来たから具体的に何を話していたかまでは分らないけど。」


冷「そうですか。」

おそらく何かしらに陰口だよ。


鳴「あなたにはもうあのようなことはしないで欲しい。」


冷「僕もする気はありません。」


鳴「もうあんなの私はごめんだわ…」


宮本さん?

立ち止まったけど…?


鳴「お願いだからもうあんなことしないで…あなたが傷つくなんて絶対おかしい!本当にやめて。」


冷「宮本さん…?」


鳴「ごめんなさい。私先帰るわ。」


初めて感情的になった宮本さんを見た。

今まで渚に嫌いって言ったり色々すごかったけど、これはまた違う。

下を向いてて顔は見えなかったけど、もしかしたら少し泣いていたかもしれない。

っていうか僕は後悔はしてるけど傷ついてはいないんだけど…

時に女の子は難しい。


ーーーーー


優子「ゆっきー大丈夫?」


上野「ん?何が〜?」


優子「今日の三上君に決まってるじゃん。うちめっちゃビックリしたんだけど。」


上野「私もビックリした。」


優子「三上君ってあんなことストレートに言っちゃうんだね〜」


上野「でも三上君は別に間違ってなかったよ。」


優子「そうかもしれないけどさ〜、うちビックリしたしちょっと怖かったな〜」


上野「そうなんだ…」


優子「ゆっきーはそれでも三上君のこと好きなの?」


上野「うん。」


優子「やっぱりゆっきーは性格じゃなくて顔か〜」


上野「そうじゃないって…!」


優子「でも三上君内心何思ってるか分かんないよ〜、もしかしたらゆっきーもウザく思われたりして?」


上野「三上君別に性格悪くないって…」


優子「どうだろうね〜?イケメンは大体性格悪いでしょ〜」


上野「偏見だよそんなの〜」


優子「ってかゆっきーはどうすんの?」


上野「どうするって?」


優子「告白に決まってるじゃん!」


上野「告白!?」


優子「そうよ。折角の文化祭なんだし思い出作りなよ〜」


上野「でもそんな勇気ないし、それに振られると思うし…」


優子「大丈夫だって!それに告白してみないと振られるかどうかなんて分かんないでしょ!」


上野「でも…」


優子「大丈夫。うちがサポートするから!」


上野「それでもやっぱり…」


優子「告白するのは文化祭二日目の夜!ちょうど花火の時ぐらいかな〜」


上野「え…花火って…」


優子「だから明日から文化祭まで三上君と距離縮めれるように頑張って!」


上野「ちょっと待ってよ…」

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