クラスステージ決め
ショウタ「次はクラスステージについて決めたいと思います。」
「ショウタ〜、クラスステージって何?」
それは僕も知りたい。
ショウタ「クラスステージっていうのは、各クラス10分間ステージでダンスや歌やその他何かしらのパフォーマンスをします。」
なるほど。名前通りだな。
でも僕はダンスも歌もやりたくない、っていうか出来れば参加したくない。
また注目を浴びてしまうし。
ショウタ「何かやりたいものはありませんか〜?」
おいおいショウタ。
そんな風に聞いたらまた高校デビュー高松達が勝手に盛り上がるぞ。
「やっぱダンスとか?」
「俺ダンス苦手なんだよね〜」
「じゃあ劇とか?」
「劇とか10分じゃ出来ないだろ。」
「俺演技下手だから却下。」
「コントは?」
「何それ?」
「コント知らないの?」
「悪かったわね。」
「コントっていうのはお笑いだよ。まあ劇みたいなやつ。」
「でも36人でコントって無理だろ。」
「ってかクラスステージって全員出ないとダメなの?」
「どうなのショウタ?」
ショウタ「いや、全員ステージに立つ必要はないです。何人かは照明や音響などの裏方作業の方に回ってもらいます。もちろん全員一緒にステージに立ちたい場合は事前申請して実行委員や放送局の人に裏方作業をしてもらえます。」
お、全員ステージに立つ必要ないのか!
こりゃあ絶対裏方希望だわ。
高松「でも折角のクラスステージだから全員出た方が楽しいよね〜!」
は?
おい高校デビュー高松何言ってんの?
「でも36人で出来るものってダンスぐらいしかなくない?」
「ってか俺ダンスやりたくないんだけど。」
「俺はコントやりたい!」
「私はファッションショーとかやってみたい!」
「ファッションショー良いね!」
「は?ファッションショーとかやるわけないだろ!」
「コントなんかより全然良いわ!」
「大体36人でファッションショーなんか無理だろ!」
「コントも同じじゃん!」
「じゃあやっぱりダンス?」
「俺踊れないんだけど。」
「練習しろって。」
「は、面倒。」
ダメだこりゃ。
こいつら勝手に話進めて全く決まる気配がない。
ショウタはもうまとめるの諦めてただ見てるだけだし、上野さんは出てきた案をただ黒板に書いているだけだし、岬先生はたまに僕の方を見てニヤニヤするし。
ってか先生はほんと何がしたいんだよ。
クラスがこんな状況でよく余裕でいられるな。
ベテラン教師かよ。
慶太「あの〜、ちょっといいかな?」
ショウタ「慶太何?」
慶太「クラスステージって必ず一つに決めないといけないの?」
ショウタ「いや、そういう決まりはないよ。」
無いのかよ。
それ先言えショウタ。
慶太「じゃあダンスとコントとファッションショー全部3分ぐらいに分けてやれば良いんじゃないかな?」
「慶太それ名案!」
「そうだね!そしたらみんなやりたいやつ出来そうだし人数もちょうど良くなるかも!」
「慶太って頭良いんだね!」
「ね!流石だわ!」
いやそこまで頭使うものでもないだろ。
大体ショウタが先に言わなかったのが悪いし。
まあこれでダンスとコントとファッションショーになったとしても僕はどれも選ばず裏方だな。
照明とかやってれば絶対目立つことはないし、準備期間中にやることもそこまでないだろ。
ダンスとかコントのセリフ覚えるのとか超絶面倒。
ショウタ「ではダンスとコントとファッションショーで良いですか?」
「はーい。」
「良いよ〜!」
ショウタ「ではこれで決定します!今日の帰りのホームルームに会議の結果を発表します。」
岬「松風君と上野さんありがとーもう席に戻って良いですよー」
なんか色々と1時間目から疲れた気がする。
おそらくってか絶対僕の目の前にいるこいつのせい。
もう席替えどころかクラス替えしたい。
岬「1時間目終わるまで各自自由にしててくださーい。」
あと15分ぐらいか。
自由にしてろって言ってもこの席じゃすることなんてない。
まあどうせ星乃さんか上野さんに話しかけられるんだけど。
上野「あの三上く…」
ハル「ねえ!冷君はダンスとコントとファッションショーどれにするの?」
やっぱり星乃さんが話しかけてきた。
冷「僕は裏方希望です。」
ハル「え〜!冷君何か出なよ〜」
冷「いや出ないです。」
ハル「冷君ダンスとか得意じゃないの?」
冷「得意ではないです。」
ハル「じゃあファッションショーは?」
冷「得意もなにもまずやったことないです。」
ハル「でもなんか出ようよ〜、裏方なんて絶対つまらないよ〜」
おい星乃さん。
その発言は気をつけた方が良い。
世の中には裏方で生計を立てている人がいる。
つまらないなんて言ったら失礼だ。
冷「とにかく僕は裏方が良いんです。」
三上君とハル…
やっぱり二人はお似合いだなぁ。
はぁ…
もうどうしたら良いか分かんないよ…