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あえて僕はモテないようにする  作者: 色落りん
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球技大会は目立たなければ良い

グラウンドに立っている僕。

まもなく試合が始まる。

周りには2組のクラスメイトの他に相手チームのクラスメイトやその他興味本位で観に来ている生徒がたくさんいる。

聞こえる応援混じりの歓声。

そして感じる女の子からの視線。

試合前に僕は高校デビュー高松にあのネタについて話してみた。


冷「ちょっと、高松君。」


高松「お!三上君!珍しいね三上君から話しかけてくれるなんて!」


冷「そうだね。」

一々うるさい。


高松「それで何?」


冷「高松君ってこのネタ知ってる?」

と言ってあのネタを見せた。


高松「何これ!すごい面白いじゃん!」


やっぱり。

こいつとはやはり笑いのツボが合わないようだ。

まあいい。

僕としては良い反応をもらった。

冷「高松君、試合中これやってくれないかな?」


高松「え!?俺が!?」


冷「うん。高松君人気者だから絶対試合中ウケると思うよ。」

思ってもいないことを口に出すのは僕にとっては簡単だ。


高松「本当に!?」


冷「うん。やってほしい。」


高松「いや〜でもちょっと恥ずかしいな〜」


おいおいおいおい

何を今更恥ずかしがっている。

普段から教室で思う存分大声出して調子に乗っているじゃないか。

冷「大丈夫だよ高松君なら。」


高松「本当?でもこれって審判にマイボー!ってやるんだよね?怒られないかな?」


いやいやいやいや

何で慎重になってんだよ。

怒られるとか気にしなくていいから。

いいから黙ってやれよ。

冷「まあその場で手を挙げて思いっきりやってくれれば大丈夫だから。別に審判の方とか見なくて良いし。それに審判は先生じゃなくてサッカー部の人だから。」


高松「あ、そうなんだ〜。じゃあやってみよっかな〜!折角三上君が勧めてくれたんだし!」


冷「ありがとう。」


高松「試合絶対勝とうな!」


冷「うん。」

良し、これで僕に注目が行く確率が減った。

あとはあいつがどれだけやってくれるかだな。

正直、1回目はウケてほしい。

そしたらいつものように調子に乗ってやり続けてくれるだろうし。


と、まあこんな感じで高校デビュー高松にネタのことを伝えて今に至る。

そろそろ試合が始まる。

まあみんな精々頑張ってくれ。

僕は極力ボールを触る気はないし走る気もないからな。


審判「それでは1年2組対2年4組の試合を始めまーす!」


ピー!


始まった。


ショウタ「冷!」


は?


ショウタ「そのままゴールまで持って行って!」


いやいやいやいや

おいショウタ!

何いきなり僕にボール渡してんのよ。

少しは自分で行けよ。

もうどうしよう。

とりあえず慶太に渡そう。

冷「はい慶太。」


2組女子「畑尾君頑張れー!」


お、女子からの歓声。

良いぞ慶太。

やっぱり慶太は女子からそれなりの人気あるんだな。

誰にでも優しいし穏やかで真面目だからな。


「あの、三上君…」


冷「あ、何?」


「俺はどこに動けば良いのかな?」


冷「好きになところでいいよ。」


「え、そうなの?」


冷「うん。」

この人の名前が出てこない…

もちろん同じクラスだっていうのは分かるけど。

名前が…

まあいいや。

覚えていないことは別に悪いことじゃないし。


高松「マイボー!!!」


お!あいつやったか!


「うるせえよ高松〜!」


「何だよそれ〜!」


「調子乗んなよ〜!」


周りの観てる男子から色々言われてる。

見た感じ笑ってるからどうやらウケたようだ。

よくやった高松。

その調子でどんどん注目を浴びてくれ。

あいつも嬉しそうだ。


ショウタ「おい冷、やる気あんのか〜?全然走ってないしもっと本気出してくれよ〜」


冷「ショウタ、僕そんなにサッカー上手くないからぁ。」


ショウタ「本当か?顔的に絶対上手いだろう!」


顔的にって…

それだとイケメンは全員サッカーが上手いことになるじゃねえか。

逆にブサイクは下手ということに…

世界中のブサイク選手に失礼だなショウタ。


またボールが足元に来た。


慶太「冷!こっち〜!」


はいよ。

慶太にピンポイントパス。


「お〜!」


「三上君すげ〜!」


あ、しまった…

いつものように正確なパスを出してしまった。

しかもかなり難易度が高い浮き玉パス。

何やってんだ僕。

自分から目立つプレーしてどうする。


高松「マイボー!!」


2回目のマイボー。

正直僕は全く面白くないと思っているけど、あいつと仲良い友達にはハマっているようだ。

さっきから横で笑い声聞こえてくる。


その後も僕にパスが何度か来たり、ショウタに本気出せと言われたりしたが見事に無視して適当にプレーをして前半を終えた。

結果は0-0。

相手は2年生だが、サッカー部はいないし全然強くない。

正直僕が普通にサッカーをしたら勝てると思うが、そうすると勝ち上がって1試合増えてしまい面倒。

だからと言ってわざと負けるのは他の人に申し訳ないから僕はただ目立たないようにサッカーをするだけ。

高校デビュー高松のマイボーはまだウケてるし、後半も行けそうだ。

あとは観てる女子が僕に惚れなければいいけど。




優子「ゆっきーってさ〜」


上野「何〜?」


優子「三上君のこと好きでしょ?」


上野「えっ!な…何で!?」

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