表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あえて僕はモテないようにする  作者: 色落りん
71/133

球技大会でモテないように

形上ダブルデートをした日から約一週間が経ち、いよいよ今日が球技大会1日目。

多くの生徒にとっては授業がなくなり楽しみな行事ではあるが、僕にとっては厄介な行事でしかない。

いわゆるアピールの場となってしまう。

もちろん僕はアピールする気はないし、本当のところ休みたい。

仮病で学校を休むという手も考えたが、その場合親からの連絡が必要となり、僕の経験上今まで一度も両親に仮病が通用したことはない。

なぜかすぐバレてしまう。

そんなわけで僕は球技大会に出ざるを得ない。

スポーツをするだけで女子を惚れさせてしまう僕はこの球技大会のためにいくつか対策を考えた。

対策のポイントとなるのはいかに目立たないようにするかということになる。

そのためまず一つ目の対策は極力ボールに触れないこと。

サッカーを観る人のほとんどの目線がボールに集中する。

そして必然的にそのボールを持っている人が注目を浴びる。

ただでさえ何もしなくても注目を浴びやすい僕がボールを持ってしまっては女子の目線の99%を僕が奪うことになる。

その結果惚れさせてしまう可能性が大いに増える。

仮にボールが来た場合はすぐにパスを出すようにし、ボール保持時間を出来るだけ削るようにしよう。

これはまず最低限やらなければならない。

そして2つ目の対策は走らないこと。

そもそも球技大会である以上本気でやる必要はない。

それに走ると疲れる。

僕は疲れるのが嫌いだ。

それに僕が走るだけで女子を惚れさせてしまう可能性があるし、それで頑張ってる感が伝わればおそらく応援を始める女子もいるだろう。

理想としてはセンターバックかボランチあたりでウロウロしているのが一番。

よくいる運動音痴で全くボールに関与出来ない人を見習おう。

あれは良いお手本だ。

そして最後の3つ目は誰かを注目の的にすること。

今まで話した2つの対策をしたとしても僕はまだ女子から注目を浴びてしまう。

それに星乃さんや上野さんみたいに僕のことが好きな人にとってはおそらくずっと僕を見ているだろう。

僕をまだ好きではない人でもイケメンという理由だけで見る人はいるだろう。

つまり僕一人では限界があるということだ。

僕が注目されないためには誰かが必要以上に注目される必要がある。

どんな方法でも良い。

周りの観客が思わずその人に目がいってしまえば良い。

そして僕はその素質を持っているであろう人を知っている。

そう、目立ちたがり屋で常に笑いを取ろうとし、人を集めたがる人物。

僕が嫌いな高校デビュー高松だ。

あいつなら何か試合中に変に注目を浴びれるかもしれない。

例えばゴールパフォーマンス。

ゴールを決めて何かポーズをとったり踊ったりするあれだ。

まあこれはゴールを決めなければ行えないし、あいつがゴールを決めるかは不明だ。

運動神経は良さそうだからもしかしたら可能性はある。

他は、常に笑いを狙ってるあいつなら何かギャグやネタを教えればやってくれるかもしれない。

僕がこの間youtubeで見かけたのが、ボールがピッチから出る度に「マイボー!」って審判にアピールするやつだ。

あれはかなり注目を浴びれそうだし、あいつなら面白いと思って本当にやってくれるかもしれない。

ちなみの僕はあのネタは全く面白いと思わなかった。

それでも目立つには十分だと思うし、僕はあいつがウケようが滑ろうがどうでもいい。

とにかく目立ってさえくれれば良いのだ。

試合前にちょっとあいつにネタのことを言ってみよう。

きっとやってくれるはず。

以上の3つが僕が頭の中で浮かんだ対策だ。

他にも何かないか今でも探しているが、中々見つからない。

まあ本番は何が起こるか分からないし臨機応変に対応していくしかないか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ