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あえて僕はモテないようにする  作者: 色落りん
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ダブルデートは修羅場

鳴「安藤さん、こんにちは。」


渚「こんにちは。何か用ですか?」


鳴「私も一緒に行くことになったので、よろしく。」


渚「は?ちょっと冷、これどういうこと?」


冷「えーっと…」

何で僕に聞くんだよ。

僕が誘ったわけではないのに。

って渚はそのこと知らないか…


渚「ちょっとあんた早く説明しなさいよ。」


冷「実は…」


鳴「あなた説明しなくていいわ。早く行きましょ。」


渚「ちょっと宮本さんは黙ってて。」


鳴「何をそんなに怒ってるの?」


渚「うるさい!」


うわうわうわうわぁ

二人とも怖いなぁ。

嫌だなぁ。

口論始まっちゃったし。

どうしよう…


慶太「冷、もしかしてこの二人って仲悪いの?」


冷「まあね。」


慶太「もしかして僕宮本さんを誘わないほうが良かったかな〜?」


冷「まあそうだね。けどもう誘っちゃったし仕方ないというか…」


慶太「ごめん。」


冷「いや、僕に謝らなくていい。それよりこれからどうするか考えないと。」


慶太「そうだね。」


しかし、本当にどうするよ。

渚は絶対僕と遊びたいだろうし、宮本さんは完全に渚を邪魔しに来てる。

僕としてはとりあえず今日は解散して家に帰りたい。

まぁ二人ともそんなことはさせてくれないと思うけど。


渚「だから何であんたが来てるの!?」


鳴「それは私が行きたいと言ったからよ。」


渚「はぁ?」


慶太「ちょっと二人とも…喧嘩はそのぐらいに…」


鳴「そうね。まあ安藤さんが一方的に言って来てただけだけど。」


渚「は?何?私のせい?」


慶太「まあまあ、安藤さんも落ち着いて…」


慶太よくやった。

二人を落ち着かせるなんて僕には出来ない。

怖いし。


慶太「とりあえずどこに行くか決めよう。」


鳴「如月駅はどうかしら?」


渚「だからあんたは黙ってて。」


鳴「安藤さん口悪いわね。」


いや宮本さんも人のこと言えないだろ。


慶太「冷はどこが良い?」


冷「どこでも。」


慶太「じゃあ如月駅で良いかな?近いし、色々店とかあるし。」


鳴「私はそこで全然構わないわ。」


慶太「安藤さんは?」


渚「私もそこで良い…」


慶太「じゃあ決まりで!早速行こう!」


いやぁ、慶太お見事。

まさかここまでまとめてくれるとは。

僕だったらおそらく二人の口論は続いてただろうし、隙があればバレないように帰ろうとしたはず。

まあでも元はと言えば慶太が勝手に宮本さんを誘ったからこうなったわけであって、まあプラマイゼロっていうことにしておこう。


そして僕らは如月駅に向かった。


慶太「ってかこのメンバーだとなんかダブルデートみたいだね。」


鳴「そうね。私と三上君がカップルで畑尾君と安藤さんがカップルって感じかしら。」


渚「ちょっと、何であんたと冷がカップルなのよ。」


鳴「あら?何か問題でも?あ、もしかしてあなたやっぱり三上君のことが好きなの?」


渚「はぁ!?す…好きなわけないでしょこんなやつ!」


いやバレバレだわ。

むしろ好きって言ってるようなもの。

まあそのツンデレ具合が可愛いからまあいっか。


鳴「好きでもない男と遊ぶのかしら?」


渚「うるさい!黙って。」


鳴「あなたってある意味素直なのね。」


渚「は?」


慶太「まあまあ二人とも。落ち着いてさ。とりあえず色んな店見て回ろっか。」


如月駅に着いて、駅の周りにある店を色々見て回った。

正直、買うわけでもないのに店を回るというのは僕にはよく理解できない。

中学の時も一応女の子とはデートで回ってたけど、僕の頭の中は夜どうやってその女の子を家に連れてくるかだけを考えていた。

デートではない今回はどうやって早く家に帰れるかを考えていたけど、、、

全然良い案は出て来なかった。


慶太「色々回ったし、ファミレスにでも行く?」


鳴「そうね。」


ファミレスか。

定番だな。

まあ少しお腹が減ってたし別に問題ないけど。


ファミレスに入り、それぞれ注文して食べながら色々話した。

まあ話すたびに渚と宮本さんの口論が始まりそうで怖かったけど。


慶太「ちょっと僕トイレ行ってくる。」


冷「了解。」

慶太がトイレに行った。

なんかちょっと怖いというか今まで慶太が何とかして二人を抑えてたけど、慶太がいない今どうするよ。


渚「あんたちょっとこっち見て。」


冷「ん?」


渚「行くよ、ちゃんとこっち見てよ。ハイチーズ。」


あ、やばい…

写真だ。

すっかり油断してた。

またこれもツイッター行きかぁ。


渚「ちょっと、何であんたが入ってるのよ!」


ん?僕?


鳴「あら、ごめんなさい。」


あ、宮本さんか。

なるほど、僕と渚のツーショットを邪魔したってわけか。

正直ナイスだ宮本さん。

たまには僕の味方になってくれるじゃないか。


渚「ちょっとあんた、もう一回撮るわよ。ハイチーズ。」


また撮られたけど、おそらく…


渚「だからあんた邪魔しないでよ!」


鳴「あら、ごめんなさい。」


渚「もう一回行くよ!ハイチ…だから宮本さん!邪魔しないでって!」


鳴「あら、ごめんなさい。」


結局その後も宮本さんが上手く邪魔し、渚は一枚も僕とのツーショットを撮ることが出来なかった。

この件については宮本さんに感謝だな。


ファミレスである程度過ごし、そろそろ解散の時間になった。


慶太「今日はありがとう!また明日!」


冷「バイバイ慶太。」

自転車で帰って行った慶太。


渚「じゃあ私も帰るわ。あんたじゃあね。」


冷「バイバイ渚。」

そして渚も。


鳴「じゃああなた行きましょう。」


冷「あ、はい。」

色々と大変だったけど、まあツーショットは撮られずに済んだし、二人との距離も縮まったとは思えないから良しとするか。

ファミレスで食べたフライドポテトも意外に美味しかったし。


鳴「あなた。」


冷「何ですか?」


あ…


撮られた。


鳴「良い感じに撮れたわね。」


冷「ちょっと何勝手に撮ってるんですか。」


鳴「良いじゃない、一枚ぐらい。」


冷「いや、でも…」


鳴「大丈夫、SNSには載せないし、誰にも見せたりしないから。」


冷「そうですか。」

それならまだ良いけど…

でも嘘の可能性も…?


鳴「それにハルに悪いし。」


あ、それなら載せなさそう。

宮本さんは星乃さんの恋を応援してるわけだし。


鳴「じゃあ私はこの電車だから、あなたまた明日。」


冷「さよなら。」

そうして宮本さんも帰り、やっと一人になれた。

思うと最近帰る時間が遅いし、色んな人と会う気がする。

モテない男子なら羨ましいシチュエーションなんだろうけど。

僕としては大変。

これがモテる男の悩みってやつか。









鳴「三上君との写真…なんかハルに悪いわね。でもやっぱり…」

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