妹と二つの対策
冷「ただいま〜」
「おかえり!お兄ちゃん♡」
うわ、今日も可愛いなぁ。癒される〜。
「学校どうだったぁ〜?」
冷「先生が超可愛かった!」
「は?何それ?」
冷「いや、だから先生が…可愛くて…」
「え、何その女?お兄ちゃんを口説こうとしてるわけ?は?意味不明だわ。」
やばい、妹の変なスイッチ入れてしまった。
冷「大丈夫だって、リナの方が可愛いから!」
リナ「ほんと?」
冷「本当だよ」
リナ「本当に本当?」
冷「本当に本当だよ!」
リナ「お兄ちゃん大好き!♡」
そう言って抱きついてくる妹。
あ〜癒される〜。
可愛い妹がいるのは良いもんだ。
けど妹は僕の周りにいる可愛い女子もしくは女性には容赦無く冷たい。
他の女の子の話をするとさっきみたいに変な嫉妬スイッチが入る。
正直、スイッチが入ると何をしでかすか分からない。
ちょっとヤンデレ入ってるかも。
だから中学の頃は妹が家にいない時に女の子を呼んでいた。
まあ、これからは僕が家に女の子を呼ぶということは一切ないから心配無用だけど。
妹の髪は僕と違って銀髪。髪型はセミロング。
背はもちろん小さい。
まあとにかく可愛いのだ。
しかも義理の妹だから、いつか流れで犯してしまいそうだ。
こんな可愛い義理の妹をくれた親に感謝しなければ。
父親よ。ナイス再婚だ。
まあそんな可愛い妹も今年から中学2年生。
そろそろ彼氏とか出来てもおかしくないはず。
ちょっと聞いてみるか。
冷「リナって学校に好きな人とかいる?」
リナ「いるよ〜」
いた!
冷「え、誰?」
リナ「お兄ちゃん!♡」
冷「ありがとう♡」
んー違う。
ってか何なんだこのやり取り。完全なるバカ兄妹。
冷「いや学校の人じゃないじゃん。」
リナ「お兄ちゃん学校通ってるしょ。」
冷「いやそうだけど。」
まさかの屁理屈。
もういいや。
別に妹の好きな人を聞いたところで何の意味もない。
さて、明日の対策を考えなければ。
明日は自己紹介と委員決めをやるって先生は言ってたな。
自己紹介は厄介だ。
今までならクラス中の女子を一目惚れさせる時間として有効的に使ってたが、今年は逆だ。
極力名前も顔も覚えられず、惚れさせないようにするには手短に終わらせるのが一番いい。
「三上冷です。よろしくお願いします。」
本当はこれで行きたいところだが、流石に短すぎて先生になんか言われそうだ。
「三上冷です。サッカーが好きです。よろしくお願いします。」
これなら大丈夫だろう。
自分の好きなものを一つ入れるという普通の自己紹介。
まあ本当は「女が好きです」と言いたいところだが、それだと逆に変に目立ってしまい、完全にみんなから覚えられてしまう。
自己紹介対策はこれぐらいで大丈夫だろう。
次は委員決めか。
これは別に対策とかはいらないはずだったが、僕の席の前にあいつがいるからちょっと考えとかないと。
例えばこういう展開が予想される。
先生「男女一人ずつ、学級委員に立候補したい人?」
誰もいない。
ショウタ「先生!後ろの三上君が立候補したいって言ってます!」
冷「え?言ってないよ」
先生「三上君本当!?」
冷「え、いや、言ってない…で…」
女子A「先生!私学級委員に立候補します!」
女子B「先生!私も!」
女子C「私も!」
女子D「私も!」
と、あいつが変なことを言ったせいで女子全員が勘違いし、僕と一緒に学級委員になりたいと思った女子から発生する「私も!」ラッシュが起きてしまう。
で、僕も流れで面倒くさい学級委員になってしまう展開。
これは絶対に避けたい。
これを避ける手段として今考えているのは、あいつに学級委員をやらせることだ。
正直あいつは単純でバカだ。だから委員決めの前にあいつに「僕、ショウタ学級委員に向いてると思うよ。コミュ力高くてちゃんとクラスをまとめれると思うよ。」と言う。
この台詞のポイントはまずあいつを褒める。そして褒めたポイントが学級委員に向いてることを伝える。
これであいつに学級委員を意識させる。
そして最大のポイントがあいつを初めて名前で呼ぶことだ。
これにより僕から信頼されている的な感じに捉えてくれたら完璧。
あとはあいつが自ら学級委員に立候補すればいい。
よし、いける。
完璧な対策だ。