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あえて僕はモテないようにする  作者: 色落りん
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キャラメルチョコバナナ

朱里「二人とも学校帰り?」


瑛「三上君はそうだけど、僕は違うよ。」


朱里「そうなんだ。それにしても二人が一緒にいるってなんか珍しいね。仲良かったっけ?」


瑛「まあ一応一緒のクラスだったからそれなりにかな。電車の中で偶然会ったんだ。」


朱里「なるほどね〜」


まあ駅で朱里に会うのも無理はない。

制服着てるしおそらく朱里も学校帰りなんだろう。


朱里「そうだ!二人とも今からちょっと遊ばない?」


は?


瑛「遊ぶって?」


朱里「まあそこのシッピングモールを適当に見たり、ファミレスで話したり。ね、良いよね!?」


瑛「僕は予定も無いし別に良いけど。」


朱里「さすが瑛!冷も良いよね?」


いやいやいやいや

僕は早く帰りたいんだわ。

大体この3人で何するんだよ。

そこまで仲良かったわけでもないし。

冷「いや、僕は…」


瑛「三上君行こうよ〜、相談のお礼として何か奢るからさ〜」


奢ってくれるのか…

奢ってくれる…

払わなくて済む…

うん、ちょっと行きたくなってきたかも。

僕は極力無駄な出費は避けてるし、何より今まで友達に奢ってもらうという経験がない。

そもそも誰も僕に奢ろうとはしなかった。

女の子からのプレゼントは何度もあったが、それは奢るとはまた違う。

やっぱり瑛って良いやつなんだな。


瑛「冷、やっぱりダメかな?」


冷「良いよ、行くよ。」


瑛「本当!?ありがとう!」


まあ朱里と瑛だし別にいっか。

これが宮本さんとかなら話は違ってくる。


瑛「で、どこに行くの?」


朱里「まあとりあえず適当に話しながら歩こ〜」


瑛「そうだね!」


朱里「ところで瑛は冷に何の相談してたの?」


瑛「えーっとね…実は恋の相談っていうか…」


照れながらも正直に言う瑛。

僕だったら絶対に言わないけど。


朱里「恋の相談か〜、まあ冷に相談するのは正解だよね〜、冷経験豊富だし。」


冷「経験豊富か…」

まあ他の同世代の人に比べたらそうかもしれないけど。


朱里「それで瑛は彼女とか出来たってこと?」


瑛「いや出来てないよ。ただ好きな人がいるってだけで…」


朱里「へ〜、好きな子いるんだ〜。どんな子?」


瑛「どんな子って言われても…」


僕らが聞いたところで意味ないだろ。

どうせ分からないんだし。


瑛「明るくて、優しくて…」


朱里「いいよいいよ、無理に言わなくて。聞いても分かんないし。」


瑛「あ、うん。」


いや、朱里が聞いたんだろ。


朱里「それで冷にどんなアドバイスもらったの?」


瑛「その子と何か話すキッカケを作れば良いって。例えば文化祭で一緒に仕事するとか。」


朱里「キッカケか〜」


何で僕を見てニヤニヤしてるんだよ。

冷「何だよ。」


朱里「いや別に〜」


ん?何か間違ってたか?

確かに自信があるアドバイスではなかったけど別に間違ってはないだろ。

それともあれか?

「お前女心全然分かってないな」とでも言うつもりか?

まあ別に言われても気にしないけど。


朱里「ね、そこのクレープ食べない?」


瑛「良いよ〜。」


朱里「冷は?」


冷「僕も別に良いよ。」

クレープか。良いチョイスだ。


瑛「三上君どれが良い?奢るよ。」


冷「瑛ありがとう。じゃあちょっと待って、今選ぶから。」


うん、迷う。

ここは折角奢ってもらうから自分では買うことのない高いものにするか。

それか瑛の財布のことも考えて普通のやつにするか。

迷う。

しかしここの店は初めて来たけどたくさん種類あるなぁ。

まずはどの組み合わせが良いか考えよう。

やっぱりチョコバナナか?

間違いなくナンバーワンな組み合わせだし、これにするかな。

お、アイスが入ってるやつも美味しそうだ。

キャラメルも良いねぇ。


瑛「三上君意外と決めるの遅いんだね。」


朱里「ほんとね。冷まだ〜?」


やっぱり高いのにするか?

それとも普通のやつにするか?

こっちはキャラメル入ってるけどアイスが入ってないのか。

そしてこっちはキャラメルとアイス両方入ってるけどバナナが入ってないと。

いやぁ、本当にどうしよう。


瑛「全然聞こえてないみたいだね。」


朱里「冷って中学の頃こんなだったっけ?」


瑛「僕あまり三上君遊んだことないから分かんないな〜」


朱里「私は数回デートしたり、冷の家で…」


瑛「ん?どうしたの?」


朱里「あ、いや、やっぱり何でもない…」


よし、このキャラメルチョコバナナにしよう。

アイス入ってるのは諦めた。

冷「瑛、決まったよ。」


朱里「冷、遅い!」


冷「あ、ごめん。」

一応反射的に謝ったけど、そんな遅かったか?

それに何で朱里が?


そして瑛に奢ってもらいクレープが出来るのを待った。


瑛「ちょっと、僕急いでトイレ行ってくる!戻って来る前にクレープ出来たら代わりに受け取っといて!」


冷「うん、分かった。」


朱里「冷は結局何にしたの?」


冷「キャラメルチョコバナナ。」


朱里「あ、私もそれ迷ったんだよね〜」


冷「そうなんだ。」


店員「4番でお待ちのお客様〜」


朱里「あ、私だ。」


冷「もう出来たのか。早いな。」


朱里「冷がずっと選んでる時にもう頼んでたからね〜」


冷「そうなんだ。」

本当にそんなに長く選んでたか?


朱里「ねえ見てこれ!すごい美味しそう!」


冷「それ何味?」


朱里「バニラストロベリー!」


冷「なるほど。」


店員「5番でお待ちのお客様〜」


朱里「あ、それたぶん冷と瑛のだよ。」


冷「あ、本当?でも僕引き換え券とか持ってないんだけど。」


朱里「大丈夫だよ。私別に見せなかったし。」


冷「そう、なら大丈夫か。」


店員「こちらがチョコクッキーでこちらがキャラメルチョコバナナになりま〜す。」


あ、すごい美味しそう。

これを奢ってもらえるとは、来て正解だったな。


朱里「あそこの席に座ろ〜」


冷「うん。」


朱里「ってか瑛遅いね〜」


冷「確かに。トイレすぐそこにあるのに。」


朱里「え、でも瑛反対方向に行ったよ。」


冷「えっ、何で?」


朱里「そこにトイレあるの知らなかったんじゃない?」


冷「そうかも。」


朱里「そして迷って帰ってこれないとか。」


冷「瑛って方向音痴?」


朱里「知らな〜い。」


ってかこれ瑛が帰ってくるまで食べるの待ったほうがいいのか?

先に食べてるとなんか悪いというか。

奢ってもらったわけだし。


朱里「冷クレープ食べないの?」


冷「えっ…」

いや朱里はもう食べてるのかよ。

瑛を待とうという気持ちとかないのか?

まあでも迷ってる可能性もあるしもう食べ始めたほうが良いのか?

正直もう食べたい自分がいる。


朱里「冷!こっち見て〜!」


ん?


朱里「ハイチーズ!」


あ、写真撮られた…

しかも朱里とのツーショット。


朱里「冷、どこ見てんの〜。もう一回!」


また撮るのか。


朱里「ハイチーズ!」


朱里とのツーショット。

まあ別に問題ないか。

写真撮ったところで何も起きないし。

まあ見た人はカップルと勘違いするかもしれないけど。


その後瑛が戻って来て、僕らはクレープを食べ終えた。

どうやら瑛は本当に迷っていたらしい。

クレープを食べた後はまた適当に話をしながら歩き、そして解散した。

朱里は僕と家が一緒の方向だったため、僕が家に着くまで一緒だった。

まあたまにはこういうのも悪くないか。

奢ってもらったわけだし。

何より中学の頃の同級生だから警戒しなくて済むというか。

もしかして朱里みたいな人を女友達というのか?

朱里が僕のことを異性として見ていなかったらそうかもしれない。

あ、でも過去に一線超えたことあるからなぁ。

まあどうでもいっか。

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