瑛に恋のアドバイス…?
瑛「三上君学校帰り?」
冷「うん。」
佐藤瑛。
この前のボウリング以来か。
瑛とは一応同じクラスではあったがそこまで仲良くはなかった。
小柄で可愛い系男子として知られていて、俺ガ○ルの戸塚○加みたいな雰囲気が出てる。
瑛「三上君って結構遠いところから通っているんだね〜」
冷「まあね。っていうか瑛は何でこの電車に乗ってるの?」
瑛「実はちょっと新すのはらの方で用事があったんだ。学校は開校記念日だったし。」
冷「そっか。」
瑛「ってか思ったんだけどやっぱり三上君ってカッコ良いね。イケメンすぎるよ。」
冷「あ、ありがとう。」
大丈夫。
僕は比○谷○幡みたいにドキッとはしない。
瑛「三上君、中学の頃すごいモテてたもんね〜。正直羨ましかったな〜」
冷「そうなんだ。」
瑛「三上君の彼女は今どんな子?」
冷「僕、今彼女いないよ。」
瑛「え!?本当!?」
冷「うん、本当。」
あれ?
この前会ったとき言わなかったっけ?
しかしみんなこういう反応するよな。
まあ無理もないんだけど。
瑛「そうなんだ〜、でも三上君って恋の悩みとかなさそうだよね。いつでも彼女出来そうというか。」
冷「どうなんだろう。」
まあその通り。
今まで恋の悩みなんてしたことないし、作ろうと思えば彼女なんて平気で作れる。
でも今はそのモテ具合が悩みでもあるんだけどね。
瑛「折角会ったから、ちょっと三上君に恋の相談とかして良いかな?」
冷「良いよ。」
まじかよおい。まあ良いけど。
瑛「ありがとう。実は今クラスに好きな子がいるんだけど、どう仲良くなれば良いか分からなくて。」
冷「なるほど。」
一般的な好きな人と近づきたいパターンか。
でも正直僕にも分からないというか、今まで女子に近づきに行ったことがない。
僕は何もしなくても女子が近寄ってきたわけだし。
まあでも瑛の場合普通に話しかけたりしても大丈夫な気がする。
誰も瑛を嫌ったりはしないだろう。
瑛「やっぱり頑張って話しかけた方が良いのかな?」
冷「まあ瑛の場合頑張らなくて良いと思う。瑛は見た目も中身も良いし、誰も拒まないでしょ。でも急に話しかけても気まづいだろうから、何かキッカケがあれば良いかな。」
瑛「キッカケか〜」
冷「例えば、学校行事とか。」
瑛「学校行事だったら文化祭とかかな?」
冷「そう、それで一緒に仕事とかするようになれば良いキッカケになる。まあ他にも色々あると思うけど。」
瑛「なるほど〜、さすが三上君だね。」
冷「いや別に僕は何も。」
正直自分でもこれがちゃんとアドバイスになってるのかは分からない。
確かにキッカケは重要だけど、そんなの運でしかない。
まあ瑛なら何とかなるでしょ。
外見も中身も良いし。
高校デビュー高松や斉藤君と同じ部類ではないし。
瑛「ってか三上君は今好きな人いないの?」
冷「いない。」
瑛「そうなんだ〜、でもなんか勿体無い気もするな〜」
冷「まあいないからねぇ。」
勿体無いか…
確かに僕なら高校生活を一般的に言う青春として過ごすことが出来るけど、それはリスクでしかない。
結果的に誰かを悲しませて怒らせて僕は終わる。
自分でも分かっている、僕はクズ野郎だと言うことを。
だからこそ女子とは出来るだけ関わらないようにしてるし好きな人なんているわけがない。
可愛い子と思う子はたくさんいるが、それは恋愛感情ではない。
よく好きと可愛いは一緒だと言う人がいるが、それは違う。
だって可愛いものは可愛いし、好きなものは好きだろ?
って全然理由になってないし。
瑛とはその後も恋の話とそれ以外の話もした。
話してる最中に思ったが、瑛は純粋で見たも良いし年上の女性から好かれそうな気がする。
あえて年上を狙ってみれば?と言おうとしたが、今は瑛の恋を応援するとしよう。
車内アナウンス「まもなく、久木に停まります。」
僕らは降りた。
約1時間、瑛と話していたけど珍しく疲れなかった。
やっぱり男子だと警戒しなくて済むからか?
瑛「じゃあ、僕はこっちだから。三上君またね。」
冷「うん、またいつ…」
「あれ?冷と瑛じゃん!」
この声は…
朱里か…
ってかまた中学の同級生と遭遇かよ。
何だよこの偶然の展開続きは。
誰か意図的に用意してるのか?おい。
早く家に帰らせろ。