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あえて僕はモテないようにする  作者: 色落りん
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高体連が終わって

ハル「冷君おっはー!」


鳴「あなたおはよう。」


いつも通り駅で待つ星乃さんと宮本さん。

ほんとよく毎日ちゃんと待ってるよな。

まあ二人がそうしたいからそうしてるんだろうけど。


鳴「あなた達、昨日の高体連はどうだった?」


ハル「あたしは負けちゃった〜」


あ、星乃さんも昨日高体連だったのか。


鳴「そう、それは残念ね。」


ハル「まあ相手が強かったからね〜」


鳴「あなたはどうだったの?まあ聞くまでもないと思うけど。」


冷「0-4で負けました。」


鳴「やっぱりね。流石弱小サッカー部。」


いや、まあ、弱小だけど…


ハル「冷君は試合出たの?」


冷「出てません。」


鳴「弱小サッカー部のベンチ。笑えるわね。」


勝手に笑っとけ。

ベンチは試合見てるだけだから楽で良いんだよ。


ハル「話変わるけど、もうすぐ定期テストだよね〜」


鳴「そうだったわね。」


ハル「二人は勉強とかしてる?」


鳴「してないわ。」


普通ならこの「してない」はただの嘘で本当はかなり勉強してるパターンの人がほとんどだが、宮本さんの場合は本当にしてなさそう。


ハル「冷君はしてる?」


冷「少しだけしてます。」


ハル「そうなんだ!あたしも冷君みたいにちゃんと勉強しないとな〜」


いや星乃さん、ちゃんと聞いてたか?

少しだけだぞ、少しだけ。

星乃さんにとってどれぐらいが少しだけかは知らないけど、僕はただ宿題を毎日ちゃんとやっているだけだ。

僕の中では宿題は勉強のうちに入ると思っている。

でも宿題をやっているだけでテスト勉強はしていない。

そもそもテスト範囲すら知らない。


鳴「ハル、赤点取った場合補習とかあるのかしら?」


冷「どうなんだろう?冷君分かる?」


「分かりません。」

宮本さんって赤点気にするぐらい頭悪いのか?

確かに宿題やってこない日がほとんどで先生から何回か注意受けてたけど。

まあ宮本さんが赤点取ろうが僕にはどうでもいい。


教室に着くといつもより人が少なくて驚いた。

あ、みんな高体連に行ったのか。

ショウタも卓球部でいないし高校デビュー高松もバスケ部でいない。

やっぱり人数減ると教室の雰囲気って変わってくるんだな。

こっちの方が落ち着いて過ごせそうだなって一瞬思ったが、星乃さんと宮本さんがいない限り大した変わりはないことに気づいた。


高体連特別時間割のため授業は全て5分短縮される。

そして授業は4時間目まで行われその後は昼休み抜きの下校となる。

これが毎日だったら楽なのになぁ。

昼休みに星乃さんと宮本さんと話さずに済むわけだし。


岬「ちょっと三上君。」


冷「あ、はい。」

岬先生に呼ばれた。


岬「帰りのホームルーム終わったら職員室に来てくれる?」


冷「分かりました。」

先生が僕に何の用だ?

普通なら成績や進路についてだけど、そもそも成績はまだ出てないし進路も全然決まってない。

となると、また僕に何か言うつもりか。

あの先生何か考えてるかよく分からないんだよなぁ。


4時間の授業が終わり帰りのホームルーム。


岬「それではみなさん、さようなら〜」


生徒「さよならー」


ハル「ねぇ、冷君と鳴〜、今日どこか寄っていかない?」


鳴「良いわね。駅前に出来た新しいカフェはどうかしら?」


ハル「賛成!あたし、そこの店気になっていたんだよね〜」


盛り上がっているところ悪いが、僕にはこれから岬先生と何らかの対談があるんだ。

君たち二人と駅前のカフェなんかに行っている暇はない。

残念だったな宮本さん。


ハル「冷君はそこのカフェで良い?」


冷「すみません。僕、これから職員室に行かないといけないんで。」


ハル「そうなんだ〜」


鳴「あなた何で?」


冷「岬先生に呼ばれました。」


鳴「それはいつ終わるのかしら?」


やっぱり聞いてくるか。

まあ、それが宮本さんだ。

簡単な理由では諦めてくれない。

いつ終わるかって?

正直何の理由で呼ばれたのか僕には分からない。

でも岬先生なら長話になるかもしれないし前みたいに家まで車で送ってくれるかもしれない。

冷「いつ終わるかは分かりませんけど、岬先生のことなので長くなるかもしれません。」


ハル「そっか〜じゃあ今回は仕方ないね〜」


良いぞ星乃さん。

その諦めっぷり僕は好きだ。


鳴「仕方ないわね。急に誘ってしまったわけだし。今回は諦めてあげる。」


おぉ。

宮本さんも諦めてくれた。

良いぞ良いぞ。

その調子で僕のことを諦めてくれたら最高だ。


星乃さんと宮本さんと別れた後、僕は職員室に向かった。


冷「失礼します。」


この職員室に漂う独特の雰囲気。

コーヒーの匂いも結構している。

さて、岬先生の机はどこだったっけ?


岬「あ、三上君〜!」


見つけた。


岬「そこの席に座って〜」


冷「あ、はい。」


岬「悪いね、急に呼び出しちゃって。」


冷「いえいえ全然大丈夫です。」

むしろあの二人とカフェなんかに行かなくて済んだから僕としてはありがたい。


岬「実は最近三上君とあまり話してないな〜って思って。」


は?


岬「最近どうなの?」


冷「どうって何がですか?」


岬「そんなのあの3人についてに決まってるじゃ〜ん!」


冷「え?」


岬「あなたに片思いしてる3人よ〜どう?最近進展あった?」


いやいやいやいや

職員室まで呼び出してその話かよ。

全然学業に関係ないし。

冷「先生、それを聞くためにわざわざ呼び出したんですか?」


岬「そうだけど?」


何僕が変なこと聞いたみたいな感じになってんだよ。

そんなことで一々生徒を呼ばないだろうが。

そもそも先生と生徒の間で恋話とかおかしいだろ。


岬「どうしたの三上君?」


冷「何でもないです。」


岬「そう?あ、もしかして職員室だから話しづらいとか!」


は?


岬「分かった。じゃあ空き教室に行こう!」


え?


岬「ほら、早く行くよ!」


いやいやいやいや

意味がわからない。

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