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あえて僕はモテないようにする  作者: 色落りん
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今度は朱里かよ

直樹「朱里じゃん!久しぶり〜!」


朱里「直樹久しぶり〜それに他のみんなも。」


直樹「朱里もボウリング?」


朱里「まあね。高校の友達と来た。」


直樹「そっか〜」


朱里「そっちは?」


直樹「こっちは久しぶりに中学の奴らで集まろうってことになってさ。」


朱里「へぇ〜。それにしても意外な集まりだね〜」


江藤朱里。

朱里もまた中学の同級生。

実は朱里とは一夜だけ一線を超えたことがある。

でもそれ以来朱里が気まずくなったのか、ほとんど話していない。

もちろん他のみんなは僕と朱里がそんな関係だとは知らない。


朱里「冷、久しぶり。」


冷「久しぶり。」


朱里「元気だった?」


冷「うん。」

しかし、何でまたこう女の子と会うかなぁ。

別に一緒にボウリングするわけではないから良いんだけど。


朱里とは適当に話して終わって、懐かしのメンツでボウリング。

ボウリングは思っていた以上に楽しかった。

中学の頃の友達ということもあり、色んな懐かしい話を交えながら楽しめた。

そして何より、女の子がいないという状況が一番楽しめた理由だ。

警戒しなくて良いわけだし。

ボウリングは全部で3ゲーム行い、僕のスコアはそこまで良くはなかった。

まあボウリングは好きなだけで得意なわけではないし。


直樹「この後どうする〜?」


久瀬「別にどこでも良いよ〜」


直樹「じゃあカラオケとかどう?」


カ…カラオケ…


久瀬「良いね!みんなカラオケで良い?」


冷「ごめん、カラオケはちょっと…」

カラオケは苦手だ。

別に音痴なわけではないが、ただ人前で歌うことに抵抗がある。

それに僕の中ではカラオケは歌う場所ではなく、女の子を連れ込む場所だ。

連れ込んで何をするかは想像に任せよう。

とにかくカラオケに行くなら僕は帰る。

そもそもボウリングも終わったわけだし、僕がこいつらといる意味はもうない。


直樹「冷、カラオケ嫌?」


冷「嫌というか、僕もう帰らないといけないから。」


洸哉「貴様もう帰るのか?」


冷「うん。」

うるせえよ、オタク。


直樹「何か用事でもあるの?」


冷「うん。」

特にないけど。


直樹「じゃあ仕方ないね。」


久瀬「冷、また今度集まろうな!」


冷「うん。またね。」


あいつらは宮本さんと違って楽に僕を帰らしてくれる。

っていうかあれが普通か。

宮本さんが非常識なだけだな。

とりあえず帰ってゆっくりするかぁ。


あ…


あれ?


イヤホンがない。

僕のお気に入りのイヤホン。

いつも歩いている時に使うあのイヤホンがない…

忘れてきたか?それとも落としたか?

とりあえず来た道を戻って、ボウリングのところまで行かないと。

何で失くしちゃうかなぁ。


冷「あの、すみません。」


店員「はい。」


冷「先程までここでボウリングをしていたんですけど、どうやらイヤホンを忘れたみたいで。届いてませんか?」


店員「少々お待ち下さい。」


頼む、あってくれ。


店員「こちらでしょうか?」


冷「あ、はい、そうです。ありがとうございます。」

良かったぁ。

やっぱりここに忘れて来たか。

きっと座っている時にポケットから落ちたんだな。

あぁ、本当に良かった。

このイヤホン結構高かったからなぁ。

本当に見つかって良かった。

よし、帰ろう。


朱里「あ、冷。」


あ、朱里。


朱里「あれ他のみんなは?」


冷「カラオケに行った。」


朱里「そうなんだ。」


まさかまた朱里に会うとは…

僕って本当によく女の子と会うよな。

何かそういう特殊能力みたいなのが僕にあるのか?

それともただイケメンだからか?


朱里「冷、今から帰るところ?」


冷「うん。」


朱里「じゃあ一緒に帰っても良い?」


え、マジで?

一緒に帰るだと…?


朱里「ダメかな?」


いやダメだけど、ダメとは言えないだろ。

どうするよ。

まあでも帰るだけだし。

何もしなければ大丈夫だろう。

朱里とは一度だけそういう関係になったけど、もうそういうことはないだろ。

でもまさか僕のことまだ好きとか?

それだと渚と一緒じゃねえか。


朱里「冷?」


冷「良いよ。帰ろ。」

帰るだけ、帰るだけ。

どうせいつも無理矢理宮本さん達と帰ってるわけだし。

僕が気をつけていれば何も起こらない。

それに久木駅まで歩いたら途中で家が違う方向とかになってそこでバイバイとかになるだろ。


朱里「ありがとう。」


それにしてもよく僕と一緒に帰ろうと思ったな。

あの夜の出来事以来僕とほとんど話さなかったのに。

やっぱりまだ僕のことが好きなのか?

これだからイケメンは大変だ。

常に女の子の頭の中から忘れることの出来ない存在となっている。

イケメンだから仕方ないか。


朱里「冷は高校どうなの?楽しい?」


冷「うん、まぁ。」

楽しいというか大変だ。


朱里「もちろん彼女いるよね?」


冷「いない。」


朱里「えっ、嘘?いないの!?」


冷「いない。」

すごい驚いている。

そりゃあ中学の頃の僕を知ってる人からしたらみんな驚くよな。


朱里「まさか冷が彼女いないなんて。マジで言ってるの?」


冷「うん、だからいないって。」


朱里「え、なんでいないの?」


冷「別に彼女とかいらないから。」


朱里「え、本当に冷どうしたの?w」


冷「どうもしてない。」


朱里「中学の時こんな感じじゃなかったじゃんw マジで高校でなんかあった?」


冷「何もないよ。」


朱里「それは嘘だ〜、だってあんな女の子とばっかり遊んでじゃん。」


冷「そういうのは終わったから。」


朱里「じゃあ、もう女の子で遊ばないの?」


冷「うん。」


朱里「えー、もったいなよー」


勿体無いって…

そのセリフをまさか朱里から聞くとは…

男子ならまだしも。

そうやって朱里と話してて久木駅に着いた。

ここからまた家まで15分ぐらいか。


冷「久木駅に着いたけど、朱里はどっち方面?」


朱里「私、冷と方向一緒だよ。」


冷「あれ、そうだっけ?」


朱里「うん。忘れたの?」


冷「忘れた。」

朱里の家なんか全然覚えてない。

ってか朱里の家に行ったことあったっけ?

あの夜は僕の部屋でヤったわけだし。


朱里「ってか結構人多いね。」


冷「夕方の5時だからね。」

この時間帯の駅は混む。

特に多いのが学生。

それはどこの駅でも同じなんだろうけど。


朱里「冷って部活とかやってんの?」


冷「やってる。」


朱里「あ、やってるんだ。何部?」


冷「サッカー部。」


朱里「あれ、冷ってサッカーなんかやってた?」


冷「やってたよ。」


朱里「そうだっけ?全然サッカーのイメージないんだけどw」


冷「そう。」


朱里「練習大変?」


冷「いや、そうでもない。練習なんてそんな…」

え…


朱里「ん?どうしたの?」



鳴「あ、あなた、」



宮本さん…?



え?何で?

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