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あえて僕はモテないようにする  作者: 色落りん
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中学の友人

冷「久しぶり。」


直樹「いや〜中学卒業以来だな〜!元気にしてたか〜?」


冷「うん、まぁ。」

文久直樹。

僕の中学の時の同級生だ。

中2と中3の頃のクラスメイトで結構仲が良かった。

実はこいつが僕にあのアニメを勧めてきた張本人。

僕に二股の危険性を教えてくれたと言ってもいい。

こいつはただ単に面白いからという理由で勧めてきたんだろうけど。

主人公と僕の行動があまりにも似てたため恐怖を感じた。


直樹「あれ、冷って如月高校に通ってるんだよね?」


冷「知ってたんだ。」


直樹「そりゃあお前が言わなくても、お前の妹から聞けばすぐ分かるからな。」


冷「そうか。」

実は秋にあのアニメを見て以来、僕はクラスの女子どころか男子までも避けるようになった。

受験勉強という理由で友達とは遊ばなくなったし、LINEも全無視した。

学校ではいつも勉強してるフリをして人を寄せ付けず、志望校は先生と家族以外誰にも言わなかった。

その結果、女子と関わらずに済んだが友達も減った。

学校では僕の性格が変わったと噂になって一回先生にも心配された。

今思えば男子とは普通に友達でいたかったが、まあ仕方ない。

だから高校では男子とだけ仲良くしようと色々試行錯誤してはいるが中々難しい。


直樹「でも何で如月にしたんだ〜?あそこ遠いから俺らの中学からは誰も行ってないだろ?」


冷「学力的に考えてかな。」

いや、理由はこいつが言った通り遠くて誰もいかないからだ。

まぁ渚がいたのは想定外だけど。


直樹「ってかお前受験勉強終わったのにまだそんな感じなんだな。」


冷「そんな感じって?」


直樹「大人しい感じよ。落ち着いているというか。前はもっと明るかっただろ〜」


冷「そうかもね。」

まあ変わったのは事実だ。

でも別に無理をしたわけではない。

女子と関わらないために気をつけていたらこうなっただけだ。

それに僕は今の自分は別に嫌いじゃない。


直樹「そういえば今日何してたの?もしかしてこれからどこか行くとか?」


冷「いや帰るところ。温泉旅行に行ってた。」


直樹「温泉旅行!?どこの?」


冷「北滝。」


直樹「あ〜北滝か〜。イイね〜。誰と行ったの?」


冷「高校の友達。」


直樹「友達か〜。彼女とかじゃないんだな。」


冷「いや彼女いないし。」


直樹「え!?マジで!?」


冷「うん。」


直樹「嘘言うなよ〜!」


冷「本当だって。」


直樹「冷に彼女がいないわけがないだろ〜」


冷「それがいないんだよ。」

まあ、あえて彼女を作ってないだけでその気になれば余裕で作れる。


直樹「マジか〜。え、好きな子とかいないの?」


冷「いない。」

可愛いと思う子はたくさんいる。


直樹「おいおいマジかよ〜」


冷「そう言う直樹は彼女いるのか?」


直樹「いないけど、良い感じの人はいるんだな〜」


冷「これから付き合うかも的な感じか。」


直樹「そうそう。まだ告白はしてないんだけど、話やLINEした感じだと結構上手く行きそうなんだよね〜」


冷「それは良かったな。」


直樹「ってか立ち話も何だし、そこのカフェに行って話さない?」


冷「良いよ。」

旅行の疲れもあったが久しぶりに会った中学の時の友人だ。

断る理由はない。

それにこいつは男子。

恐れる理由は何もない。


僕らはカフェで話を続けた。

ちなみに僕はモカチーノを頼んだ。


冷「直樹はどこの高校に通ってるんだっけ?」


直樹「赤砥だよ。」


冷「赤砥か。近いな。」


直樹「まあ近さで選んだからね〜。だから同中の奴らとか結構いる。」


冷「だろうね。」


直樹「冷は同中いないんだよな?」


冷「いや実は一人いる。」


直樹「え、誰?」


冷「渚。」


直樹「え、渚って安藤?」


冷「そう。」


直樹「マジかよ。ってかお前の元カノじゃん!」


冷「覚えてたのか。」


直樹「そりゃあ覚えてるでしょ〜。安藤って結構男子に人気だったし。」


冷「そうか。」


直樹「みんな羨ましがってたよ〜。俺も一時期狙ってたし。」


冷「初耳。」


直樹「あれ?言わなかったっけ?」


冷「聞いた覚えない。」


直樹「そっか。ってか何で別れたの?お前ら良い感じだったのに。」


冷「まあちょっと色々あって。」

原因は僕の浮気だ。

詳しくは言えないが、あれは100%僕が悪い。


直樹「まあ無理に言わなくて良いよ。ってか冷ってほんとモテたよな〜」


冷「かもね。」


直樹「女子から聞いたんだけど、修学旅行の夜はほとんど冷の話題だったんだって〜」


冷「そうなんだ。」

そりゃあ中学の頃はめちゃくちゃモテたからな。


直樹「ほんとすごいよ。羨ましいな〜」


そりゃあ一人の女の子をずっと好きでいられるなら羨ましいんだろうけど、僕みたいな平気で二股をかけるやつからしたらそれは死の危険性でしかない。

一人の女の子と付き合ったら自動的に僕の浮気モードが作動する仕組みになっている。

僕はそういう人だ。


直樹「ってか今度中学のみんなで集まろうよ。」


冷「それはちょっと面倒。」


直樹「何でよ〜、みんな冷に会いたいと思うけどな〜」


冷「男子だけなら良いよ。」


直樹「え?女子は?」


冷「いらない。」


直樹「おいおいマジかよ。冷の口からそんな言葉が出るなんて。」


そう思うのも無理はない。

中学の頃は女の子とばっかり遊んでたからな。


直樹「じゃあ男子だけで集まろう!」


冷「分かった。」


直樹「冷っていつ暇?」


冷「分かんない。」


直樹「じゃあ暇な日あったら言って。」


冷「分かった。」


直樹「あ、俺携帯機種変更してLINE新しくなったから冷のLINE教えて。」


冷「そうだったんだ。はい、QRコード。」


直樹「ありがとう!」


冷「暇な日会ったら言うわ。」


直樹「了解!」


冷「じゃあ僕もう帰るね。」


直樹「分かった!いや〜会えて良かったわ〜」


冷「じゃあまた。」


直樹「おう!冷またな〜!」


暇な日か。

普通にあるけど、正直行くのが面倒くさい。

別に会いたくないわけではないけど、部屋で一人でのんびりする時間を出来るだけ増やしたい。

まあ、また宮本さんに何か誘われたらこれを言い訳にして断れば良いのか。

とりあえず早く家に帰ってゆっくりしよ。

妹の「おかえり!お兄ちゃん!♡」が楽しみ。

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