表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あえて僕はモテないようにする  作者: 色落りん
38/133

温泉旅行が始まる

冷「ただいま。」


リナ「お兄ちゃんおかえり!♡」


冷「ただいまリナ。」

いつも出迎えてくれる妹。

可愛い。


リナ「学校どうだった〜?」


冷「いつも通りだよ。」


母「冷、おかえり。」


冷「ただいま母さん。」


そうだ。母さんに旅行のこと言わなければ。

何も母さんからゴールデンウィークのことを聞いてないから、たぶん家族としての予定も無いだろう。

冷「母さん、明後日の日曜日に温泉旅行に行くことになった。」


母「え?温泉旅行?」


リナ「温泉旅行!?お兄ちゃんが!?」


冷「うん。北滝温泉に一泊二日。」


リナ「え〜!!」


母「そうなの!分かったわ。旅行は高校の友達と?」


冷「うん。」


リナ「お兄ちゃん、高校の友達って…まさかあの…女?」


え、何で急に冷酷モードに入ろうとしてるの?

怖いからやめてくれ。

まあ確かに妹が言うあの女ではあるけど…

冷「まあそうだよ。けどショウタもいるし、他の男子もいるから。」


リナ「本当?」


冷「うん。」

もちろん大嘘。

他の男子はいないし、むしろ女の子が二人もいる。

妹に言えるわけがない。


母「ってか旅行代とか大丈夫なの?」


冷「それは大丈夫。友達が福引きで当てたチケットをくれるから。」

あ、でもペアチケットって言ってたから、誰か一人は自腹だよな。

まさか宮本さんは僕だけ自腹で来いとか言ってくるのか?

流石にそれはおかしい。

行きたくもない旅行に何でわざわざお金払わないといけないんだよ。

もし払わないといけないんだったら僕は絶対に行かない。


母「冷良かったじゃない。旅行楽しんできなさい。あ、お土産よろしく〜」


冷「分かった。」


部屋に戻って携帯を開くと宮本さんからLINEが来ていた。

旅行についてだろう。


宮本鳴:朝9時にあすかぜ駅北改札口前集合。宿泊代と温泉での食事代とあすかぜから北滝温泉までの交通費は全部チケットに含まれてるからあなたが払う必要はないわ。じゃあまた日曜日に。遅れたら許さない。


最後の一文怖い。

でも自腹じゃなくて良かったぁ。

あ、でも逆に自腹だったら行かない口実に出来たから良くはないのか。

ってかあすかぜ駅に朝9時って結構早いな。

久木駅から30分ぐらいかかるわけだし。

面倒くさいなぁ。

でも温泉自体は結構楽しみ。

最近行ってなかったし。



ーーー温泉旅行当日ーーー


朝7時に起床。

荷物の準備は昨日の夜に全て済ませた。

余談ではあるが昨日の部活の試合は1対2で惜敗した。

相手は僕らと同じ弱小校。

僕は後半の残り10分だけ出た。

残り10分だけなら別に出なくてもいいだろとは思ったけど。

試合に集中しようとしたが、なぜか頭の中はこの温泉旅行のことでいっぱいだった。

「まさか楽しみにしてるのか?」と何度も試合中に自問自答を繰り返していた。

結論は温泉に入ることだけが楽しみということにしてる。


予定通りに家を出て電車に乗り、集合場所のあすかぜ駅北改札口前に着いた。


ハル「お!冷君〜!」


あ、もう二人は着いていたようだ。

でも別に僕は遅刻はしてないぞ。


ハル「おっはー!冷君!」


鳴「あなたおはよう。」


冷「おはようございます。」


鳴「女の子を待たせるなんてあなた最低ね。」


冷「いや、時間通りに来ましたけど…」

最低はないだろう。

大体集合時間に間に合ってるわけだし。

そっちが着くの早いんだろうが。


鳴「それでも待たせたのには変わりないわ。」


ハル「まあまあ、鳴〜。冷君時間通りに来たんだし、許してあげなよ〜」


お、星乃さんナイス。


鳴「なんて冗談よ。はいこれ特急のチケット。」


冷「え、あ、ありがとうございます。」

冗談かよ。

宮本さんの冗談は全く冗談に聞こえないんだが…


鳴「じゃあ行きましょう。こっちよ。」


冷「あ、はい。」


僕らは駅のホームに向かい、特急列車に乗った。


ハル「鳴〜、席はどうするの?」


席は3列シート。

僕としては一人でのんびり座りたいが、まあ宮本さんがそんなことをさせてくれるわけがない。


鳴「ハルから決めていいわ。」


ハル「じゃあ、あたし窓側!」


あ、僕窓側座りたかったのに…

仕方ない。

僕は通路側で。

冷「じゃあ僕は通…」


鳴「私は通路側に座るから、あなた真ん中に座りなさい。」


え…


は?


はあああああああああああああああ!?!?


いやいやいやいやいや

何で?

僕が真ん中?

いやいやいやいやいや

それはないでしょう。

冷「何で僕が真ん中なんですか?」


鳴「特に理由は無いわ。ほら早く座って。」


ハル「冷君早く座りなよ〜」


星乃さんはいいのかよ。

1ヶ月前なら絶対照れてただろう。

ってか僕が真ん中でも会話を回す気はないからな?

そもそも会話する気もないぞ?


鳴「何してんのよ。早く座りなさい。」


冷「はい…」


仕方なく座ったけど、女の子二人に挟まれているこの状況。

危険すぎではないか?

ってか僕が真ん中にいる意味よ。

何が目的だ?

僕が星乃さんを好きになるとか?

ないない。

星乃さんは可愛いけど付き合う気とかは全くない。

というか誰とも付き合う気がない。

その気持ちは高校入学してから一度もブレたことがない。

まあ岬先生と二人きりになるときだけはブレそうになったけど…


結局真ん中に座った僕は二人の会話から逃げることが出来ず、2時間半話し続けた。

僕自身頑張ったと思うし誰かに褒めてもらいたいがそんな人はいない。

大体この状況を他のモテない男子は羨ましく思うんだろうな。

だって左はめっちゃ可愛い巨乳女子、右は性格はアレだけど見た目が天使すぎる女子。

まさに僕以外の男子からすれば楽園。



北滝駅で降りた僕らは20分歩き温泉旅館に着いた。


ハル「着いた〜!」


鳴「早速チェックインして荷物を置きに行くわよ。」


冷「はい。」


中に入ると立派な良い旅館な感じがした。

まあ福引の一等ならここのペアチケットが出てもおかしくないな。


鳴「予約した宮本です。」


「宮本様ですね。少々お待ちください。」


宮本さんがチェックインしてる間にトイレ行ってくるか。

さっき駅でしようと思ったらなぜかトイレが使用禁止になってたし。

冷「ちょっと星乃さん。僕トイレ行って来ます。」


ハル「うん、分かった〜。ここで待ってるね〜」


そういえばこの後はどうするんだろうか?

早速温泉に入るのか?

でもまだ12時過ぎだし。

まあ宮本さんなら何か予定あるだろう。

それか自由行動とかにしてもらえれば嬉しいんだけど。


数分後。


ハル「あ、冷君帰って来た!」


冷「お待たせしました。」


鳴「遅いわね。」


冷「すみません。」


「全員集まったみたいですね。それではご案内致します。」


ハル「レッツゴー!」


星乃さん、レッツゴーって…

ただ部屋に行くだけだろ。


「こちらが二人部屋でこちらが一人部屋になります。」


良かった。

内心3人一緒の部屋になるんじゃないかって思ってた。

でもいくら宮本さんでも流石にそんなことはしないか。


鳴「じゃあ私はこっちで、二人はそっちの部屋ね。」


え…



は?



はあああああああああああああああああ!?!?!?!?!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ