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あえて僕はモテないようにする  作者: 色落りん
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1ヶ月が経って

入学して1ヶ月が経った。

珍しいことに僕はまだ誰からも告白されていない。

これは僕の今までの努力の成果と言えるだろう。

女子と極力接しずに落ち着いた高校生活を送る。

星乃さんや宮本さんみたいに仲良くなってしまった女子もいるがここまでは良い距離感を保っていると思う。

まあ一回星乃さんに抱きつかれたけど…

ちなみにその星乃さんは抱きついたことを忘れていつもの明るい天然キャラに戻っている。

サッカー部は一年生がなんと僕入れて8人も集まった。

これで来年も人数ギリギリではあるが試合に出れるらしい。

だが11人いないため新人戦には出られなかった。

まあ別にどうでもいいけど。

渚とは今のところ特に何もない。

元恋人関係ではあるが、周りの人はそのことを知らないし、普通の選手とマネージャーって感じだ。

僕に対してのあのツンデレっぷりは変わらないけど。

岬先生は相変わらず僕をからかっている。

何回か車で家まで送ってもらったこともあり、他の生徒と比べて僕は先生との距離が近い。

こんな色々ありすぎた1ヶ月を過ごし、いよいよゴールデンウィークに入ろうとしていた。


ーーー金曜日昼休みーーー


ショウタ「冷ってゴールデンウィークは何してるの〜?」


冷「部活かな。」

今年のゴールデンウィークは土曜日から火曜日までの4連休。

だが部活は土曜日にある試合のみ。

つまり部活とは言ったが、実際はかなり暇である。


ショウタ「俺も部活だわ〜、折角の連休なのに部活ばっかだよ〜」


ショウタは結局悩んだ末に卓球部に入った。


鳴「あなた本当にゴールデンウィークに部活あるの?」


冷「あります。」

土曜日だけだけど。


鳴「そう。じゃあちょっと畑尾君に聞いてくるわ。」


冷「どうぞ。」

別に僕は嘘は言っていない。

だから問い詰められる理由もない。


ショウタ「ハルも部活ある〜?」


ハル「あたしは土曜日と火曜日にあるよ〜」


ショウタ「いいな〜、俺は毎日だよ〜。冷は何曜日にあるの?」


冷「えーっと…」


鳴「ちょっとあなた、部活土曜日だけじゃない。」


戻ってくるの早っ


ショウタ「え?土曜日だけ?サッカー部いいな〜」


冷「別に僕は日にちについて一言も言ってませんけど。」

決まった。

宮本さんはこれで僕を責めることは出来ない。

いやぁ気持ちがいい。


鳴「土曜日だけあるのは無いのと一緒よ。」


は?

何それ。


鳴「それで土曜日以外の予定は?」


その質問を待っていた。

この1ヶ月で僕はあらゆる失敗を繰り返してきた。

というのも適当な嘘ばかりをついて最終的には全て裏目に出ていた。

だが、今日は違う。

僕は正々堂々と正直に言う。

土曜日以外の予定。そんなものは家でゴロゴロに決まっている!

冷「家にいます。」


鳴「は?家にいるって、そんなの当たり前じゃん。」


冷「はい。家でゲームしたりYouTube見るのが予定です。」


鳴「それは暇ってことかしら?」


冷「いや暇ではありません。」

本当は暇ではあるが、ゴールデンウィークも宮本さん達と過ごすのは面倒だし更に仲良くなってしまう。


鳴「いや絶対暇だわ。ってかあなた、折角の連休を家だけで過ごすつもり?」


冷「はい。」


鳴「あなたって顔はかっこいいけど、中身は腐ってるのね。」


ストレートだなおい。

中身が腐ってても顔がかっこいいからモテるんだよ。

君たちも僕がイケメンだから近づいてるんだろ?

って言うか顔がイケメンで中身もイケメンなやつなんてこの世にいないだろう。

イケメンという生き物は中身が腐ってるんだよ。


ショウタ「ってか宮本ちゃんは予定あるの〜?」


鳴「私は北滝温泉のペアチケットをこないだ福引で当てたからそれを三上君と一緒に行くわ。」


え…


は?


はああああああああ!?


ショウタ「温泉か〜!いいな〜!ってか冷と一緒にって言った!?」


鳴「そうよ。」


いやいやいやいやいやいや

行かないよ?

ってか…え…は?

冷「宮本さん、意味がわからないんですけど…」


鳴「本当はハルにこのチケットを渡して、あなたとハルとで行ってもらいたかったんだけど、それをハルに言ったら遠慮されちゃったわけ。」


ハル「だって〜、冷君と二人きりってちょっと…」


おいおい星乃さん。

また顔が赤くなってるぞ。

感情が顔に出過ぎだろ。


鳴「それで私も含めて3人なら行くって言ったわけ。だからそこのニートのあなたのも行くのよ。」


誰がニートだよ。

ってか行かないわ!

温泉旅行?

3人で?

何このリア充展開…

いやいやいやいや、絶対ダメでしょ。

冷「だから僕ゴールデンウィークにはもう予定が…」


鳴「部屋にいるだけでしょあなた。いいから行くわよ。」


ショウタ「ね〜ね〜俺は〜?誘ってくれないの〜?」


鳴「松風君は部活でしょ。仮に部活なくても来なくていいわ。」


ショウタ「酷いよ〜宮本ちゃ〜ん。」


1ヶ月経ってもショウタに対する態度は変わんないな。

ってかそんなことはどうでもいい。

問題はまさかの温泉旅行だ。

行くも何もずっと部屋にいれば、行くことはないだろう。


鳴「あなた、部屋にずっと入れば行かずに済むなんて考えてるでしょう。」


え…

何で分かったんだ?


鳴「もしそんなことしたら、あなたの家に行って妹を呼び出して妹の目の前で外からあなたに告白するわ。」


それはやばい。

本当にやばい。

そんなことされたら、妹の冷酷モードが作動して何をしでかすか分からない。

危険すぎる。

宮本さん僕の弱みを握りやがって。

どうするよ。

二人との距離が縮ってしまう可能性がある温泉旅行に行くか、部屋で閉じこもって妹の冷酷モードを作動させるか。

究極の選択だ。


鳴「あなた、どうするの?」


仕方ない。

冷「分かりました。行きます。」


鳴「そう。じゃあ後でLINEで予定を送るから確認しといて。楽しみにしてるわ。」


ハル「冷君、旅行楽しもうね〜!」


相変わらず元気な星乃さんだな。


ショウタ「いいな〜!俺部活休もっかな〜!」


ショウタも相変わらずだ。

ってか旅行かぁ。

あ、妹になんて説明しよう…

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