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あえて僕はモテないようにする  作者: 色落りん
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妹と宮本さんと修羅場

鳴「誰か帰って来たみたいね。」


ショウタ「お兄ちゃんって言ってたからもしかして冷の妹か!?」


冷「うん。」

何でちょっと興奮気味なんだよ。

ってかこれは結構危ない状況だ。

前にも言ったが、妹は僕の周りにいる女に対して酷く嫌う。

いつもの甘えてる感じとは正反対の冷酷な妹へと激変する。

今日は宮本さんが来ている。

この二人を合わせるのは厄介。

ここは妹が部屋に入って来ないように説得しに行きなければ。

やばいもうすぐ部屋に入ってきそう…


リナ「お兄ちゃ〜ん!部屋にいるの〜?」


冷「ちょっと、ごめん。」


ショウタ「あれ、冷どこに行くの?」


部屋を出る冷


リナ「あ、お兄ちゃん!部屋で何してたの?」


冷「ちょっと今友達が遊びに来てるんだ。だから静かにしててくれると助かるんだけど。」


リナ「お兄ちゃんの友達!?リナも会いた〜い!」


冷「いやそれはちょっと出来ないかな。」


リナ「え?何で〜?いいじゃん!」


冷「ほら、友達恥ずかしがり屋だから。」


リナ「もしかしてお兄ちゃんの友達って…女?」


急に怖い。

本当に怖い。

女って言った時の表情と声のトーンよ。

完全に目が死んでるし、声質も怖い。

冷「えっと…」


リナ「お兄ちゃんを狙ってる女とか?ちょっと会わせてもらって良い?」


どうする。

ここで女じゃないと言っても、話し声とかで分かってしまうし。

だからと言って二人を会わせるのも危険だ。

どうする…


リナ「ねえ、早く会わせて。すぐ済ませるから。」


済ませるって言うとなんかこれから殺しに行くみたいに聞こえるじゃないか。

そうだ!

ここはショウタの存在を利用すれば良い。

幸いにも宮本さんと二人きりで部屋にいるわけではない。

二人を会わしても問題にならず穏やかにやり過ごす方法。

おそらくこれしかないだろう。

冷「確かに今来ているのは女の子だ。」


リナ「やっぱり。早く会わしてよ。」


冷「でも女の子だけじゃない。実はその女の子の彼氏も遊びに来てるんだ。」


リナ「彼氏?」


冷「そう。だから僕とその女の子の間には何も特別な関係は無い。ただの友達ってこと。」


リナ「本当〜?」


冷「うん。」

今年一番の嘘かもしれない。

後で宮本さんにこのこと話したら怒られそうだ。

まあ話すわけないけど。


リナ「じゃあ早く会わせてよ。」


それでも会いたいかぁ。

まあこれは仕方ない。

冷「良いよ。」


そして僕は妹を部屋に入れた。

頼むから上手くこの修羅場的なものを乗り越えれますようにと祈りながら。


ショウタ「お!冷の妹!?」


冷「うん。」


リナ「はじめまして。三上リナです。」


ショウタ「リナちゃんか〜!中学生?」


リナ「はい。」


ショウタ「イイね〜!超可愛いじゃん!俺の彼女になってくれないかな〜!?」


リナ「え?」


おいおいおいおいおい

ショウタ何勝手なこと言ってんだよ。

何、僕の完璧な作戦を15秒で壊そうとしてるんだよ。


ショウタ「俺は松風昌太!ショウタって呼んでね!」


リナ「ショウタさんは彼女いるんですよね?」


ショウタ「俺が?残念ながらいないんだよ〜、悲しいよね〜。」


リナ「お兄ちゃんこれどういうこと?」


はい終わった。

完璧な作戦が一瞬で終了です。

ショウタの余計な一言で僕のこの修羅場的なものを乗り越える手段がなくなった。

どうしようマジで。


ショウタ「冷、リナちゃんに何か言ったの?」


冷「別に。」


リナ「じゃあそこにいる女の人は誰?」


鳴「私は宮本鳴。この二人のクラスメイトよ。」


リナ「ショウタさんの彼女ではないんですか?」


鳴「私が?ちょっとあなた、妹に何言ったのよ。」


リナ「あなた?ちょっと何でこの女がお兄ちゃんのことあなたって呼んでるのよ。」


鳴「ちょっとあなた!」


リナ「お兄ちゃんどういうこと!?」


うわうわうわうわうわうわ

いやいやいやいや

何なんだ二人とも。

すごい怖いんだけど。

完全に作戦が裏目に出た。

普通こういうのって浮気現場とかで起きるものだろ?

何で義理の妹とクラスの冷たい美少女にこんなに問い詰められないといけないんだよ。

ちょっと、ショウタ。

作戦を壊した責任としてどうにかしてくれ!


ショウタ「お!イイね〜!これぞ修羅場って感じだね〜」


おい、何呑気に観賞してるんだよ。


鳴「ちょっと早く何か言いなさいよ!」


冷「えーっと…」


リナ「ショウタさんとこの女は付き合ってないの!?」


鳴「リナちゃん、それ三上君から聞いたの?」


リナ「そうです。それと気軽にリナちゃんって呼ばないでくれます?」


怖い怖い怖い。

僕の部屋で喧嘩とかやめてくれよ。

せめて外でやってくれ。


鳴「私と松風君が付き合ってるわけないでしょう。大体一緒の部屋にいるのも嫌だわ。」


ショウタ「ちょっと宮本ちゃん!酷いよ〜」


リナ「じゃあお兄ちゃんとはどういう関係ですか?恋人とかですか?」


鳴「う〜ん…友達以上恋人未満ってところかしら?」


リナ「は?」


いやいやいやいやいやいやいやいや

ちょっと宮本さん?

何デタラメ言ってるんだよ。

友達以上恋人未満?

はぁ?

そんな関係になった覚えないんですけど?


リナ「お兄ちゃん、ちょっとこの女殺ってもいい?」


冷「いや、いいわけないだろ!」


鳴「でも聞いてリナちゃん。三上君、こないだ一番好きな人は妹って言ってたわよ。」


は?


リナ「え?それ本当ですか?」


鳴「本当よ。」


いやいやいやいやいや

言った覚えないんだけど…

っていうか宮本さん、僕に妹がいるのさっき知っただろ。


リナ「お兄ちゃん、この女とリナどっち取るの?」


冷「そりゃあリナだよ。」

ここはこう言うしかない。

今分かった。

きっとこれは宮本さんがこの場を抑えるための作戦だ。

妹を落ち着かせる目的でついた適当な嘘。

宮本さん結構賢いな。

それと少しありがたい。


リナ「本当!?♡」


冷「うん。」


リナ「な〜んだ良かった!やっぱりこの女よりリナだよね!お兄ちゃん大好き!♡」


いつもの妹に戻った。

しかし人前で大好きと言われるのは少し恥ずかしい。

いつもなら僕も言い返すが、クラスメイトの前だ。

ここは流れで妹を部屋から出すことに専念しよう。


冷「リナもういいよね?」


リナ「うん!みなさんお邪魔しました〜!」


そう言って妹は出て言った。


ショウタ「なんか冷の妹って可愛いのか怖いのか分からないな。」


冷「まあね。」


鳴「ってかあなた、私と松風君が恋人同士って酷くない?」


冷「すみません。」


ショウタ「冷いいよな〜あんな可愛い妹いて。しかもお兄ちゃんって呼ばれてたし。」


冷「そこまでいいものでもないよ。」

実際は結構良い。

いつも癒されてるし。

さっきみたいに冷酷モードに入らなければ完璧なんだけどなぁ。

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