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あえて僕はモテないようにする  作者: 色落りん
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また二人きりの帰り道

鳴「明日は振替休日でサッカー部は部活休みなんだし、どうせあなた家で暇してるでしょ。」


冷「何でサッカー部が休みって知ってるんですか?」


鳴「さっき畑尾君に聞いたからよ。」


冷「そうですか。」


鳴「で、あなた明日暇でしょ?家に遊びに行っていいわよね?」


いいわけないだろうが。

何で宮本さんが僕の家に遊びにこないといけないんだよ。

まあ時間帯によれば家に誰もいないけど、だからと言って女の子を家に呼んだら絶対そういう展開になるだろ。

ここは適当に嘘を付いておこう。

冷「明日、用事があるのですみません。」


鳴「は?用事って何よ。」


確かに用事って何だ?

振替休日にすることって?

やばい。全然思い付かない。

いつも暇なときは家で適当に過ごしているし、中学の頃はいつも女の子と遊んでいた。

この二つ以外で何かやること…?

買い物とか?

って一人で買い物とか言ったら絶対一緒に行くとか言われるだろうし。

ここは「親戚の家に行く」とかにしとくか。

冷「親戚の人の家に行かないといけないので。」


鳴「それ本当?」


冷「本当です。」

嘘だけど。


鳴「それ何時ぐらいに行くの?」


まさか時間まで聞いてくるとは…

冷「朝9時から夜8時です。」


鳴「そう。なんか嘘っぽいけどまあいいわ。明日は諦める。」


冷「そうですか。」

明日はってことはこの先も何回も聞いてくるのか…

こりゃあ常に対応出来るようにしないとな。



そんな会話を歩きながらし、如月駅に着いた。



鳴「じゃあ私この電車だから。さよなら。」


ハル「鳴バイバーイ!」


ショウタ「宮本ちゃんまた金曜日ね〜!」


冷「さようなら。」


宮本さんだけ普通列車で帰るため先に乗って帰った。

僕ら3人は快速列車が来るまで時間を潰す。

この3人が一緒にいる場合、いつもショウタと星乃さんが楽しそうに話す。

まあ僕が会話に参加する気がないからそうなっているのだけれど。

でもいつもは僕も無理矢理参加させられるが、今日は違う。

たぶんショウタが星乃さんに気を使っているのだろう。

星乃さんに抱きつかれてから僕は星乃さんとほとんど話していない。

いつも星乃さんから話しかけて来るのだが、おそらく恥ずかしくて気まずいのだろう。

出来ればこのまま僕に話しかけないでいてくれると助かるんだけど。


構内アナウンス「まもなく、1番線にあすかぜ行きが到着します。ご注意ください。」


電車が来て、僕らはそれに乗った。


ってかおいおい待てよ、、、

このまま行ったら、ショウタが先に降りて僕と星乃さんが二人きりになるじゃねえか。

やばいぞ。

前もこういうことあったな。

その時は星乃さんが実はバリバリの高校デビューってことを打ち明けられた。

今回は何だ?

まさか告白とか?

いや、流石に告白はまだないか。

でも抱きついたからこのまま勢いでとかあるか?

まあ星乃さんは僕が彼女を作る気がないって知ってるから、告白しても振られることぐらい予想できるだろう。


ショウタ「二人ともバイバイ!」


ハル「バイバーイショウタ〜!また金曜日ね〜!」


冷「ショウタバイバイ。」


ショウタが降りて行った。

ついに二人きり。

普通の男子なら気まずいと思うだろうけど僕は全くだ。

いつも通り振る舞い、自分から話しかけることはない。

でも変にまた打ち明けられるのだけは勘弁。

星乃さんとの距離が縮まってしまう。


ハル「あの、冷君…」


お、やっと話しかけて来た。

相当勇気振り絞ってるんだろうな。

冷「何ですか?」


ハル「昨日はつい…感情的になっちゃって…その…ごめんなさい…」


冷「いえいえ、全然気にしてないです。」

謝って来たか。

謝る必要なんてないのに。

元々は僕の体調不良のせいだ。それを心配してくれた星乃さんに悪いところはない。


ハル「本当にごめんなさい…あたし…あーいうことするつもりじゃなかったんだけど…なんかつい…」


冷「気にしないでください。」

中学の頃の僕は「心配してくれてありがとう」や「嬉しかった」って言って相手を一瞬で自分のモノにするが、今はそんなこと出来ない。

言ってしまうと、完全に相手を落としてしまう。


ハル「別に冷君のことが…好き…とかじゃなくて…ただ…心配で…」


冷「そうですか。」

いや、流石に好きじゃないとか言っても無理があるだろ。

抱きついた時点で好き確定だし。

まあ、片思いしてるから冷静に考えられないんだろうけど。



車内アナウンス「まもなく、時和に停まります。」



ハル「じゃあ、あたしここだから。冷君また金曜日学校でね。」


冷「あ、はい。さようなら。」


顔が赤いまま降りて行った星乃さん。

いつか僕に告白して来るんだろうなぁ。

しても無駄なんだけどねぇ。



ーーー帰宅ーーー



リナ「おかえり!お兄ちゃん♡」


家に帰るといつもこう言ってくれる僕の可愛い妹。

何度見ても癒される。

冷「ただいま、リナ。」


リナ「宿泊研修どうだった〜!?」


冷「まあ楽しかったよ。」

すごい大変だったけど。


リナ「いいな〜!リナもお兄ちゃんと旅行行きた〜い!」


冷「お兄ちゃんも行きたいよ。」


リナ「ほんと!?お兄ちゃん大好き!」


冷「お兄ちゃんも好きだよ。」

二人きりの時はいつもこんな感じだ。

他から見たら気持ち悪い兄妹。

妹以外誰も僕のこんな姿を知らない。

正直これはちょっと人には見せられない一面だ。


部屋に入った僕はすぐ寝てしまった。

旅の疲れってやつだろう。

明日は振替休日。ゆっくりできる。



ーーー次の日ーーー



母「ちょっと冷〜」


ん?


母「冷まだ寝てるの〜?入るよ。」


冷「あ、母さん…」


母「今起きたところ?」


冷「うん。あれ母さん今日仕事は?」


母「今日休みになったのよ。」


冷「そうなんだ。」


母「それより、冷の友達が来てるわよ。」


冷「友達?」


母「うん。宮本って言ってた。高校の友達?あ、もしかして彼女?」


冷「宮本…」



宮本さん!?


はああああああああああああああ!?!?!?!?!?!?!?

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